【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
殴り書き書店
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歩美の誕生日のお誘いの電話(母親が代理で編(笑))

公開日時: 2021年9月20日(月) 00:20
文字数:1,221

●前回のおさらい●


結局、学校で『自分の誕生日の招待が出来なかった』歩美ちゃん。

そして、それを1人でうぅ~!!うぅ~!!言いながらベットで足をばたつかせてると、歩美のお母さんが来て。

歩美の代わりに、龍斗に誕生日を知らせてくれると言う。


だが、そんな母の姿に、歩美は、何故か不安に駆られていた(笑)

 降りて行く母に不安を感じた私は、コソコソと後ろを付いて行く。


お母さんが、あの調子で、龍斗に、突然、変な事を言わないか確認する為だ。


―――ヤッパリ、自分で連絡するんだった。


後悔は先に立ってくれない。


私が階段から、盗み聞きする羽目になった。


そして、母とアイツの会話は始まってしまった。



『はいっ!!もしもし氷村ですけどぉ、どなたですか?』

『もしもし、あ~~~、龍斗くん?憶えてる?井上のおばちゃんやけど?元気やった?』


携帯電話から漏れる、明らかに機嫌の悪そうな声を出す龍斗。


誕生日呼ばなかったの怒ってるのかなぁ?


それにお母さん、普段は標準語なのに、今はなんで関西弁?


此処で少し間が空いた。



『あの~、失礼ですが、どちらの井上さんでしょうか?』

『なに言ってんのよ、龍斗君!!私よ私、ほら、近所の歩美のおかあさん』

『あっ!!なんだおばさんじゃないかぁ、久し振り!!元気してた~?ところで、今日はどうしたん?』


って言うかさぁ。

なんでアンタまで関西弁になってるのよ?


真似しなくても良いから!!



『休みの日にごめんねぇ。実はね、今日、うちの馬鹿娘が誕生日なのよ』


って、お母さん!!

誕生日の事を言ってくれるのは良いんだけど。

イキナリ『馬鹿娘』って言うのは、酷くない?


なんか聞き方に寄ったら、我儘な感じに聞こえるんだけど。



『それでね、お祝をするんだけど。歩美が、どうしても龍斗君に来て欲しいって、うるさくて困ってんのよ』

『ちょっと、おかぁさん!!誰も、そんなこと言ってないでしょ!!ベっ、別に龍斗なんか、来れなかったら来れないでいいんだからね』


うわ~ん!!なんで、そんなストレートに、私の気持ちを言うかなぁ。


そう言う素直な言葉って、妙に恥ずかしいんだよぉ~。



『あぁ~~~と、何時から始めるんですか?』


あっ、あっさり無視された。


おかしいよぉ~!!

私の誕生日会の招待なのに、私の意見が無視って言うのはどうなのよ?



『一応ね、お父さんが帰って来たら始めようと思ってるんだけど。大体8時位からになると思うわよ。どぉ龍斗君は時間ある?』

『あっ、あ~、じゃあ、多分、大丈夫だと思うんで、お邪魔させてもらいます』

『じゃあ、8時くらいに、家の方に来て貰えるかしら?』

『わかりました……じゃあまたあとで』


お母さんは電話を切るや否や。

こちらに向かってウィンクしながら、いつもの、あの悪戯な笑顔でOKサインを出す。



いや、あの、お母さん……嬉しいんだけどさぁ。

なんか複雑なんだけど。


単純に遣り切れないと言うか、疑問に思う事が有るんだよね。


だってさぁ、おかしくない?

なんで私も知らないアイツの休みを、お母さんが知ってるかって所が不思議じゃない?


でも、自分の母親を変に勘繰るのもなんだしなぁ。


此処は、取り敢えずではあるけど、一切合切不問にすべきなのかな?



なんて悩んでたら、お母さんは。

例によって、いつも通り、何か含んだ様にクスクス笑いながら台所に行ってしまう。



―――もぅお母さん、なんなのよぉ!!


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