【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
殴り書き書店
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男女に違いから生じる口論

公開日時: 2021年10月2日(土) 00:20
文字数:3,602

●前回のおさらい●


龍斗と愛し合う態勢に入ってしまった歩美ちゃん。

でも、自分だけイカせれて、ご不満のご様子(笑)

「なんだ?どうしたんだ?俺なんか嫌な事したか?」

「ひぐっ……ヤダッ、見ないでよぉ。恥ずかしいよぉ。こっち来ないで」

「恥ずかしいもんか。俺は、自分の精一杯の愛情を注いだだけだぞ。お前は、それを受け入れてくれただけだろ……違うか?」

「そんなのへ理屈じゃん。恥ずかしい事には違いないよぉ。私1人だけ馬鹿みたいに感じちゃってさぁ」

「感じちゃダメなのか?」

「そんな事言ってない!!感じても良いけど……ミットモナイ!!」

「そっか、じゃあ、もぅヤメよっか。お前が嫌がるの無理矢理って言うのもな」

「ヤダッ!!やめない!!龍斗も同じにならなきゃヤダッ!!」

「同じって……」


私は恥ずかしさを隠す為に、彼のペニスを握り上下に運動させた。


多分、これで良い筈。



「ちょ、お前!!イタタッタタタタタタッタッタ……死ぬ、死ぬ、やめってくれ!!」

「へっ?」

「アホか!!お前、俺のチ〇コ捥ぐつもりか!!」

「……気持ち良くないの?」

「痛いわ!!大体な、チンコは、もっと優しく扱うもんなんだ」

「ごめん……じゃあ、どうすれば良いのよ?」

「しなくて良い!!」

「したい!!」


だって、自分ばっかりずるいじゃん。


人には、散々気持ち良い事ばっかりしてさ。

あまつさえ、イカしちゃってさ。

醜態まで晒させて、自分は良い気になっちゃってさ。


ズルイよぉ。



「どうしろっていうんだよ?」

「ちゃんとするから教えて」

「教えるって言ってもなぁ。大体どうやって、そんなもん教えんだよ」


解らないから聞いてるんでしょ。


それだったら、親切に教えてくれても良いじゃん。


彼氏なんだしさぁ。



「じゃあ、自分でやってみてよ」

「アホか!!なんで彼女が目の前にいるのにオナニーせにゃならんのだ」

「繭ちゃんには、散々させたくせに」

「うぉ!!そこで、その話を普通出すか?」

「だって、龍斗ズルイんだもん」

「だからなにがだよ」

「うるさい!!ズルイったらズルイの!!」

「……ったく、なに拘ってんだよ。下着ビチョビチョにして」

「言うなぁ~!!私だってしたくて、したんじゃないもん」


ぽかぽか殴るけど威力は無し。



「おしっこ漏らしたみたいに出てたぞ」

「あぁ~そう。良いもん……そんな事言うんだったら、もぅ一生Hしない」


意地になった私は、ついそんな事を言ってしまった。


でも、良いもん。


賭けだよ、賭け。

それでまだ意地悪言うんだったら、もぅ本当にしない!!



「じゃあ俺もしない、でいいよ」

「ほんとに、しないよ。龍斗が泣いてもしないんだよ」

「良いよ。……その代わり、お前もしないんだろ?」

「私はするもん。そんな事、誰も言ってないもん。他の親切に教えてくれる人とするもん。龍斗とだけしないんだもん」

「汚ねぇぞ!!」

「歩美、汚くないもん。いつも綺麗にしてるもん」

「チッ、あぁそっかよ。じゃあ好きにしろよ。お前が誰としようが、俺は一生しない……絶対にな」

「なにムキになってるのよ。したら良いじゃん。繭ちゃんとかお似合いだよ」

「チッ!!」


『バシィ~ン』


私は口が過ぎたのか、龍斗のほっぺたを叩かれた。



……だよね。


なにがあっても、それだけは言っちゃダメだよね。



「ごめん」

「情けねぇなぁ。結局、お前は、そう言う風に見てたのかよ。確かに、アレについては弁解しない。さっきも言った様に100%俺が悪い。けど、俺は、そんなに信じれないか?そこまで俺は馬鹿か?……だったら、もう良いよ」

「だからゴメン」

「もぅ良いって、言ってんだろ!!…………って」

「えっ?」

「ハハッ、なにキレてんだよ俺。逆ギレだよ、これじゃあ。翌々考えたら、お前をそんな気持ちにさせたのって俺じゃん。ハハッ、馬鹿だよなぁ」

「龍斗……?」

「ゴメン。だから気にすんなよ。俺が招いた事なんだからさ。やっぱ謝んのは俺だよな、ゴメン。それと、もう1つ意地悪言ってゴメン。男と女じゃ体の作りが違うもんな。ほんとダメだな俺は」

「でもね。……龍斗はそう言うけど、ヤッパリ言っちゃいけなかったんだよ。私がそんな事を言ったら、折角、龍斗が、繭ちゃん助けようと思ってやった事まで無駄になっちゃう」

「ハハッ、ほんと優しいよな、お前って」


優しいのは龍斗だよ。


どう考えても、今回の話は、私に非がある。


例え喧嘩しても、言って良い事と、悪い事がある。


これは、人としての常識の範疇の話。


それを結局、上手くひっくり返して、自分が悪い様に持っていく。

私は、いつも、こうやって龍斗に守られてしまう。


自分の器の小ささには、ホトホト嫌気がさす。



「私は、優しくなんかないよ……ただ馬鹿だから、いつも後から気付く。それで、いつもアンタがフォローしなきゃいけなくなる。ねぇ、龍斗。私って、一体、なんなんだろ?どこまで馬鹿なんだろ?」

「お前、馬鹿なのか?」

「茶化さないで!!」

「そっか。じゃあ、馬鹿同士で良いんじゃねぇの」

「ダメだよ。私は、負担ばっかりかけるもん」


そぅ。


私は、龍斗の負担以外の何者でもない。


自分では出来てるつもりで居ても、何時もどこか抜けている。


それで、いつも龍斗にフォローして貰う。

こんな事を、もぅ10年以上やっている。


なのに、コイツは飽きもせず、私を構ってくる。

ただのお荷物なのに、なんでそんな事が出来るの?



「そっかぁ?でも、俺、お前から、別に負担なんか掛けられた覚えないぞ……それにな、お前が居てくれなきゃ、俺はなんにもしないヘタレだぞ」

「なんで?なんで、いつもそう言うの?」

「いつも言ってる様に、俺の行動原理は、全て『歩美』なの。だから、お前がどうであれ、俺は、お前が居ればなんでも出来るし、逆を言えば、お前が居ないと、何もしないダメ人間に変身する訳だ。解るか?」

「解んないよ。なんで私なんかを、そんなに好きで居てくれるの?どうして?」

「じゃあ、お前は、どうなんだよ?なんで俺なんかを好きなんだ?」


言うまでもないよ。


なんでも出来るし、カッコイイ。

それに、私を一番理解してくれている。


それだけで充分理由だと思う。



「口惜しいけど、カッコイイし、頭も良い、運動も出来るし、人に好かれてる。龍斗って、何をやっても様になるでしょ。寧ろ、嫌いになる方がどうかしてるよ」

「じゃあ、俺も一緒だ。可愛いし……」


同じ事を言おうとする、この馬鹿を制止する。


そんなんじゃ納得いかない。



「可愛くない!!どこが可愛いのよ。性格は悪いし、運動も勉強もそこそこ、人見知りもするし……欠点あげたら、夜が明けちゃうくらいダメな女だよ」

「そっか……じゃあ何か?俺は、完璧な女としか付き合っちゃダメなのか?」


確かに、恋愛は自由だよ。


でも、相手が馬鹿で大した事無い顔より。

綺麗、若しくは、可愛くて賢い方が良いに決まっている。



「だって、その方が絶対に幸せだよ。なにもワザワザ欠点だらけの、おかしな女なんか選ばなくても」

「嫌だね。そんな女、肩が凝って死んじまう。それに俺は、歩美以外に興味はない」

「だから、さっきから言ってるけど、そこが一番不思議なのよ。なにが良いのよ?」

「ほんとは理由なんてない。好きだから好きなの。実際、俺だって解んないよ。ほんと、なんでお前が好きなのかなんてさ……でも、初めて逢った時から、間違いなく好きだった。これだけは忘れようがないし、断言も出来る。こんなあやふやな話じゃ不満か?」

「不満」

「だよな。っつっても、後、思い付く理由なんて一個ぐらいしかないぞ」

「なに?」

「お前と居ると心から落ち着くの。それにお前の為に頑張ろうって気持ちになる……それぐらいだな」

「結局、負担じゃない」

「そうじゃない。お前の為に頑張るって言うのは=自分の為に頑張るになる訳だ。お金も貯めたいし、将来的には、2人の為の家も買いたい。それに、それとは別に、将来生まれて来る子供の為に貯金もしたい。だとすると、お前が居ないと、それは何1つ出来無い。俺は、さっきも言ったけど、元々何もしないダメ人間だからな。だったら『大好きな歩美』と一緒に生活して……お前だけを幸せにしたい。これは打算無しにな」


先の話を考えてるとは思っていたけど。

まさか、そこまで生活設計が出来てるとは思わなかった。


その中に私も含んでくれている。


此処まで言われたら、もう反論の余地はない。

寧ろ、反論する意味がない。


私も、間違いなく龍斗が大好き。

なら、自分の事を、もう少し自分で何とかすれば良いだけだ。



―――ほんと、どこまで幸せなんだろ?私って……



「これでもダメか?」

「ダメじゃない……寧ろ、ありがと。こんな我儘な私を、そこまで想っていてくれてたなんて思わなかったよ。信じられないよ」

「だろ……結構、良い男だと思ったろ」

「思ってない」

「えっ?嘘だろ」

「思ってないよ……最高に馬鹿なだけじゃん。私なんか比べ物にならない馬鹿だよ」

「それ……褒めてるのか?」

「うん。最高に褒めてる」

「そっか……じゃあ、俺も1つ聞いて良いか?」

「なに?」


なんだろ?


この期に及んで、なにを私になんか聞く事なんか有るの?


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