【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
殴り書き書店
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思いは有れど、身動きは取れず

公開日時: 2021年10月4日(月) 00:20
文字数:904

此処から最終章に突入します(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


―――まどろんだ空間。


―――いつまで経っても、出ない答え。


私は、この2ヶ月間を、もう1人の私として暮らしている様な感覚に陥っていた。


それはまるで2人であっても1人でしかない様な、そんな奇妙な感覚。


時折、自分でも不思議に思うほど、体を得たような感覚が襲う。


でも、仮にそうであっても、それはそうじゃない。

全てを体験しているのは、矢張りもう1人の自分であって、決して私ではない。

所詮、その体自体に共感覚って言うものが有ったとしても、体を動かすのはもう1人の私。


自己主張する意思や、体の主導権は私にはなく、なに1つ思い通りにはいかない。


いや、他人の思い出に等しいこの記憶が、思い通りに行く筈がない。


これは当然の結果だ。


それを証拠に。

まず私は、彼女の友人である奈々や那美といった人物とは一切面識が無い。

それに私の知ってる父は、決して嫉妬深くない。


もっと言えば、龍斗のお父さんや、佐伯さん。

確かに、酔った席でエロ話はするが、あんなに酔っ払ったり、セクハラ紛いの事を人の家……以前に、私の誕生日会で、空気を読まず、あんな事をするなんて考えられない。


当然、白石繭にしても然りだ。

お金の為とは言え。

自分のプライドを捨ててまで、人の命令に従う様な子じゃない。


大半が、私の記憶に無い人物像だ。


その中にあっても、唯一そんなに変わりが無いのは龍斗ぐらいのものだ。

アイツは、何所の世界にあっても、変らず、私を一番に愛してくれている。


だから、アイツだけは信用が出来るし、多分、もう1人の私もそう思ってる筈だ。



でも、いつまでも、この時間や空間が解らないでは済まない。


―――もぅ時間がない。


私が生きるとか、死ぬとかなんて、もぉそんな些細な事は、ハッキリ言って、どうでも良い。


龍斗の、あの悲しい顔を見るのだけは、もうたくさんだ。


でも、そんな意思に反して、結果は何1つ出来ず仕舞い。


今日この日を逃してしまったら、再び、あの涙顔を見る羽目になってしまう。

どうにか出来無いものかと思案したところで、やっぱり、どうにもならないのも、現実としてある。


今の私は、ただこの現状を見守る傍観者でしかない。



とうとう『その最悪な日を迎えてしまった』っと言うのに……



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