此処から最終章に突入します(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
―――まどろんだ空間。
―――いつまで経っても、出ない答え。
私は、この2ヶ月間を、もう1人の私として暮らしている様な感覚に陥っていた。
それはまるで2人であっても1人でしかない様な、そんな奇妙な感覚。
時折、自分でも不思議に思うほど、体を得たような感覚が襲う。
でも、仮にそうであっても、それはそうじゃない。
全てを体験しているのは、矢張りもう1人の自分であって、決して私ではない。
所詮、その体自体に共感覚って言うものが有ったとしても、体を動かすのはもう1人の私。
自己主張する意思や、体の主導権は私にはなく、なに1つ思い通りにはいかない。
いや、他人の思い出に等しいこの記憶が、思い通りに行く筈がない。
これは当然の結果だ。
それを証拠に。
まず私は、彼女の友人である奈々や那美といった人物とは一切面識が無い。
それに私の知ってる父は、決して嫉妬深くない。
もっと言えば、龍斗のお父さんや、佐伯さん。
確かに、酔った席でエロ話はするが、あんなに酔っ払ったり、セクハラ紛いの事を人の家……以前に、私の誕生日会で、空気を読まず、あんな事をするなんて考えられない。
当然、白石繭にしても然りだ。
お金の為とは言え。
自分のプライドを捨ててまで、人の命令に従う様な子じゃない。
大半が、私の記憶に無い人物像だ。
その中にあっても、唯一そんなに変わりが無いのは龍斗ぐらいのものだ。
アイツは、何所の世界にあっても、変らず、私を一番に愛してくれている。
だから、アイツだけは信用が出来るし、多分、もう1人の私もそう思ってる筈だ。
でも、いつまでも、この時間や空間が解らないでは済まない。
―――もぅ時間がない。
私が生きるとか、死ぬとかなんて、もぉそんな些細な事は、ハッキリ言って、どうでも良い。
龍斗の、あの悲しい顔を見るのだけは、もうたくさんだ。
でも、そんな意思に反して、結果は何1つ出来ず仕舞い。
今日この日を逃してしまったら、再び、あの涙顔を見る羽目になってしまう。
どうにか出来無いものかと思案したところで、やっぱり、どうにもならないのも、現実としてある。
今の私は、ただこの現状を見守る傍観者でしかない。
とうとう『その最悪な日を迎えてしまった』っと言うのに……
読み終わったら、ポイントを付けましょう!