【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
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矢張り来た!!女子特有の陰湿な……

公開日時: 2021年9月3日(金) 00:20
文字数:1,599

●前回のおさらい●

告白を受けて4日。

歩美は龍斗からの告白を喜んでいる反面、クラスでは冷やかされっぱなしだ。


そんな毎日に、少し慣れて来た頃に、親友である奈々が昼休みにやって来て、なにやら不穏な紙切れを歩美に渡す。


その紙切れの正体とは!!

 予想を超える事の無いメモの内容に愕然。

案の定、私に対する誹謗中傷が書き捲くられていた有難くもないメモ。


内容としては、こんな感じ。


『調子に乗ってる井上ブス美を、みんなで無視』

『ブスの女王ブス美、調子に乗って氷村君と付き合ってんじゃない!!死ね!!』

『牛みたいな不細工なエロ乳で誘惑した淫乱ブス美。氷村君、可哀想』

『氷村君は、みんなの者なのに勘違いしてんじゃないよブス。自分の顔見ろブス』

『あぁ、ブス美ん家は鏡が無いらしいよ。直ぐ割れるんだって……アイツの顔写したら』

『キモいんだよブス美。学校来んな!!ブスが感染る」

等など……その他多数の方々からの、心温まる嫌味な応援メッセージ。


しかもさぁ、その小さなメモが、真っ黒になるぐらい隅から隅まで書かれてる。


はぁ~、ヤダなぁもぉ。

これが俗に言う、女の子特有の『虐め回し』だ。


多分、女の子なら、必ず1度は経験する、回ってくる『虐め』


対象に関しては、今の状況みたいに、誰かが、誰かにムカつけば始めるんだけど。

今回はまぁ『男絡み』だから、かなり陰湿かつ、長いんだろうなぁ。


女の執念は怖いからね。


因みにだけど私も、龍斗が他の女と付き合ってたら、率先して同じ事したと思うし。

誰かから回ってきたら……まぁ、間違いなく大賛成しただろうしね。


だからこれは、しょうがない、しょうがない。



「はぁ……やっぱり、これが来たかぁ」

「あれ?思っえた以上に神妙じゃないね」

「まぁ~ねぇ~。今回ばかりは仕方ないんじゃない。それに思ってたより来るの遅かったし」

「なぁ~んだ。一応は覚悟してたんだ」

「そりゃあさぁ、幾ら鈍感な私でも、こうなる事ぐらいは予想してるよ。ウチの旦那モテますから……」

「……あぁそうなんだぁ。じゃあ、私も参戦しよ」

「まぁそうだね。取り敢えずは、そうした方が良いよ。下手に私を庇ったら、奈々までマキゾイ喰うからね」

「あれ?泣きつかないの?」

「そりゃあ。奈々に無視されんのキツイけどさぁ……」

「じゃあ、や~~~めた。……そんな虐められても、なにも感じない様な相手を虐めてもツマンナイじゃん。それにさぁ、確かに、私も氷村にはフラれたけど。なんかそう言うネチネチしたのって嫌いなんだよね」


あぁ、なんか嬉しいな。

奈々って男らしいと言うか、アッサリしてると言うか……女特有のネチっこさが無いんだよね。


ほんと友人に恵まれてるなぁ私って。


でも、だからこそ、そんな友人を巻き込むのはゴメンだ。

って言うか、流石に、此処は甘えちゃダメでしょ。



「あぁ良いよ、良いよ。私なら大丈夫だから」

「うん?アンタ、なんか勘違いしてない?」

「うん?私なんか勘違いした?」

「うん、してる」


奈々は2度ほど頭を上下させて頷く。


あれ?これって、女の友情の話じゃないのかなぁ?



「なに?」

「うん?私がアンタの虐めに参加しないのは、影山ってモテる彼氏が居るからだけど」

「がっ!!」


呆れた。


奈々が虐めに参加しない理由は。

今まで自分が、その被害者だったからだったとは……


まぁ、影山もモテるもんなぁ。


にしても、女の友情って、ほんと薄っぺらい。

ひょっとして、紙の厚さも無いんじゃないかな。



「じゃなきゃ、私だって『復讐の鬼』だよ」

「そっかぁ。いやはや、だったら私は影山に感謝するよ。友達が『鬼』にならなかったんだからさぁ」

「うんうん。たっぷり感謝しなよ。……んじゃあ、あんまり気にして無いみたいだから教室に帰るね」

「うん」


奈々は、何度か手を振って教室に帰還。


ほんと良い奴だよね。


まぁそれにしても。

虐めなんて、こんなクダラナイ事を、毎度毎度よくやるよ。


私は、もぅこんなこと日常茶飯事なのにね。


だって私、アイツの『幼馴染』なんだよ。

今まで、こんな経験が無いとでも思ってるのかなぁ?


さてさて、まぁ多分、明日あたりから本格的な『陰湿な虐め』が始まるんだろうから、早めに主犯探そ。



こんなのをいつもでもされてたんじゃ、堪ったもんじゃないしね。

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