●前回のおさらい●
龍斗がプレゼントしてきた「給料3か月分の指輪」の問題も、歩美がその時まで預かると言う方向で解決。
後は、少し、この雰囲気を味わっておこうと思った趣味だが。
この直後、また意外な提案が龍斗から齎される。
……等と『幸せモード』全開に浸っていた私なんだけど。
この後、突然、龍斗が変な事を言い出した。
***
「なぁ、ところで歩美さぁ」
「うん?」
「今日と、明日なんだがヒマか?」
「うん。一応、ヒマだけど、なんで?」
「んじゃあ、俺と一緒に、泊まりで新潟に行くか?」
「へっ?へっ?なっ、何言ってのよ!!そんな事出来る訳無いでしょ」
なっ、なに?
なんで突然、そんな無茶な事を言い出すの?
びっ、びっくりしたぁ。
「オマエ……なんか勘違いして無いか?」
「なっ、何がよ。ってか、そんなの無理に決まってるでしょ。中学生の男女が、そんな事しちゃいけないんだよ」
なっ、なに言ってんのよ!!
確かに、私はアンタの事が好きだけどさぁ……お泊りで旅行なんて、私達には、まだ早過ぎるって!!
そりゃあさ。
女の子だからって、そう言う事に興味が無いって訳でもないけどさぁ。
かと言っても……ねぇ。
頭の中で、龍斗に抱かれている自分を、ついつい妄想してしまう。
勿論、顔に出る私は、噴火寸前のマグマみたいに赤くなる。
もぉ顔から火が出ちゃいそう。
「オマエ、何考えてんだ?」
「だって、だって……」
「アホか。向こうにゃ親父も居るってぇ~の、変な事考えんなよな」
「うぅ~~~~、じゃあ私は、何しに新潟になんて行くのさぁ?」
「それは到着してのお楽しみって奴だ……んじゃあ、話が纏まって処で、オマエの所の両親説得に行くか」
そう言って、私を強引に自転車の後ろに乗せると、実家まで超特急で走り抜ける。
そして、家に着くや否や。
コイツは、いつも通り、ズカズカと我が家の様に入って行く。
それで、私に言ったセリフは……『叔父さんと、叔母さんは、俺が説得しとくから、お前着替えて来とけ』だけ。
アイツの気迫に押されたと言うか、取り敢えず、着替えに部屋に行った。
んで、モソモソと10分ほど、呑気に着替えをしていたら、急にアイツが部屋まで上がって来て『行くぞ歩美』の一言。
呆気に取られた私は、何の反抗も出来ずに、ただただ龍斗に従うしかなかった。
―――なにこれ?
ってか、この馬鹿に、何を言われたのか知らないけど。
何でお父さんも、お母さんも、簡単に娘の外泊許しちゃってるのよ!!
信じられない!!
それで気が付けば『新潟』でしょ。
―――ほんと、何これ?
読み終わったら、ポイントを付けましょう!