【完結】クライカコ(丁度、文庫本一冊位の文章量です♪)

お互いの意思が通じ合っていても、必ず上手く行くとは限らないのが【恋愛】
殴り書き書店
殴り書き書店

なにこれ?

公開日時: 2021年9月8日(水) 00:20
文字数:927

●前回のおさらい●

龍斗がプレゼントしてきた「給料3か月分の指輪」の問題も、歩美がその時まで預かると言う方向で解決。


後は、少し、この雰囲気を味わっておこうと思った趣味だが。

この直後、また意外な提案が龍斗から齎される。

 ……等と『幸せモード』全開に浸っていた私なんだけど。


この後、突然、龍斗が変な事を言い出した。


***


「なぁ、ところで歩美さぁ」

「うん?」

「今日と、明日なんだがヒマか?」

「うん。一応、ヒマだけど、なんで?」

「んじゃあ、俺と一緒に、泊まりで新潟に行くか?」

「へっ?へっ?なっ、何言ってのよ!!そんな事出来る訳無いでしょ」


なっ、なに?

なんで突然、そんな無茶な事を言い出すの?


びっ、びっくりしたぁ。



「オマエ……なんか勘違いして無いか?」

「なっ、何がよ。ってか、そんなの無理に決まってるでしょ。中学生の男女が、そんな事しちゃいけないんだよ」


なっ、なに言ってんのよ!!


確かに、私はアンタの事が好きだけどさぁ……お泊りで旅行なんて、私達には、まだ早過ぎるって!!


そりゃあさ。

女の子だからって、そう言う事に興味が無いって訳でもないけどさぁ。


かと言っても……ねぇ。


頭の中で、龍斗に抱かれている自分を、ついつい妄想してしまう。

勿論、顔に出る私は、噴火寸前のマグマみたいに赤くなる。


もぉ顔から火が出ちゃいそう。



「オマエ、何考えてんだ?」

「だって、だって……」

「アホか。向こうにゃ親父も居るってぇ~の、変な事考えんなよな」

「うぅ~~~~、じゃあ私は、何しに新潟になんて行くのさぁ?」

「それは到着してのお楽しみって奴だ……んじゃあ、話が纏まって処で、オマエの所の両親説得に行くか」


そう言って、私を強引に自転車の後ろに乗せると、実家まで超特急で走り抜ける。


そして、家に着くや否や。

コイツは、いつも通り、ズカズカと我が家の様に入って行く。

それで、私に言ったセリフは……『叔父さんと、叔母さんは、俺が説得しとくから、お前着替えて来とけ』だけ。


アイツの気迫に押されたと言うか、取り敢えず、着替えに部屋に行った。


んで、モソモソと10分ほど、呑気に着替えをしていたら、急にアイツが部屋まで上がって来て『行くぞ歩美』の一言。


呆気に取られた私は、何の反抗も出来ずに、ただただ龍斗に従うしかなかった。



―――なにこれ?


ってか、この馬鹿に、何を言われたのか知らないけど。

何でお父さんも、お母さんも、簡単に娘の外泊許しちゃってるのよ!!


信じられない!!


それで気が付けば『新潟』でしょ。



―――ほんと、何これ?


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート