大正時代。京都、冬。
華族の令嬢・辻本百合子が結核で亡くなった。
通夜の席を、庭師の吾涼は1人抜け出す。彼が向かった先は、生前百合子が使用していた部屋だった。洋服箪笥から、百合子が着ていた白百合の着物を取り出し、顔を押し付けて泣き濡れる。
その姿を背後から見ていたのは、彼に愛憎入り混じった片想いをしていた、女中の薔子だった。
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