他サイトに投稿している「アナザーライフ・オンライン」の26話「17」と27話「18」と28話「19」を一部改編したものです。
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会社が倒産した。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
何でこんなことになったんだっ!これからどこで働けばいいんだっ!これも博多駅ダンジョンのせいなのか?それなら博多駅ダンジョンなて自衛隊がつぶしてしまえっ!核兵器でも何でも使って粉々にしてしまえっ!あんなのがあるからいけないんだ。消えてなくなってしまえばいい。あ、でも、核兵器で周辺地域に影響が出たら困るからそこらへんは何とかしてくれ。勝手な要望かもしれないが、こう考えているのはきっと俺だけじゃない。だから頼んだぞ政府さんとか防衛相さんとか。これはモンスターによる侵略なんだ、これをどうにかして止めないで何が防衛省だっ!ちゃんと国民の家とか守ってくれよ頼むよ職場も守ってくれよ!じゃないと俺は働けないんだっ!今から就職活動をしたってどうなるっていうんだよぅ!就職活動なんて今からやったって、この博多駅ダンジョンのせいで物理的になくなった会社が多いこの福岡で一体どうやって仕事を探せっていうんだよっ!俺と同じ境遇の人も多いはずだから、なおさら倍率が高くなるんだよ!ハローワークが物理的に粉々になっているのを昨日見たから本当に不安で不安で仕方がないんだよっ!どうにかしろ政府っ!
ふぅ、ふぅ、ふぅ。
ちょっと落ち着け、俺。
まず会社が倒産した理由だが、物理的に潰れたためだ。
あまりにも損害が多く、保険もでなかったがために破産した。
というか、何故保険がでないのか。
いやまあ、モンスター用の保険なんてなかっただろうけどさ。
モンスター用の保険なんてあったらマジ驚くわ。
じゃあこれから何の仕事をするか・・・・・・。
と、考えたとき。
見つけてしまった。
徒歩数分の場所にある、就職者を求めている職場を。
そう、博多駅ダンジョン。
博多駅ダンジョンで働くことができれば、俺だってそれなりには戦えるから、いいだろう。
そう思って調べてみた。
すると、現在アナザーライフ・オンラインプレイヤーに提示されている職業が2つあることがわかった。
1つは防衛者。ダンジョンの出入り口をとにかく監視し続け、モンスターが出てきそうになったらそれを殺す。担当時間中に1体もモンスターがでてこなかった場合は時給1000円。担当時間中にモンスターがでて、それと交戦して1度も敗北しなかった場合は時給2000円。担当時間中にモンスターがでて、それと交戦して敗北した場合は報酬なし。
負けたら収入なしっていうのは、ちょっと現代とは思えないことだな。
もう1つは探索者。ダンジョンに潜り、中を探索する。報酬は完全歩合制。今までに発見されていないアイテムを政府に提供すれば、そのアイテムにもよるが、本来のそのアイテム以上の報酬がもらえる。今までに発見されているアイテムでも、政府は買い取ってくれないが、研究者が買い取ることもあるし、食料だった場合は普通に売れる。ダンジョンの出入り口のそばに換金所があり、多少の手数料がとられるが、簡単に売ることができる。
また、探索者がダンジョンの中に入る場合には、お金をとられる。1000円だ。だが、ダンジョン内は資源が豊富で、よほど弱くない限りは1000円以上のアイテムを獲得できるのだそうだ。
とりあえず探索者として一度入ってみることにした。
受付にいる人に1000円を渡し、中に入る。
「そういえば、光には装備がないな」
俺だって防具があるわけではないが、光は攻撃のための装備でさえない。
「ピヨ?」
「これ使うか?」
初心者の刀と初心者の杖を取り出す。
この2つは全然使われなくなってしまった可哀想な2つの武器だ。
「ピヨッ!」
どっちを使うのかなー、と思っていると。
バキッ
バキッ
バキッ
バキッ
「ピヨ~」
喰われた。
<光 種族:クイックコッコ
HP18802/18802 MP5737/5737
力9863 耐久2 敏捷8937 器用0 知力1 精神5736 運19879
称号:ヴァレントのペット
所持スキル(2/10)
○蹴術1.07
○水魔法1.01 【ウォーターボール】
○射撃0.01
○悪食0.02
○空き
○空き
○空き
○空き
○空き
○空き
装備
頭部:空き
右羽:空き
左羽:空き
首:空き
胴体:空き
右足:空き
左足:空き>
あー、うん。
初心者の刀の装備効果の力1と初心者の杖の装備効果の精神1が加算されてる。
喰ったらその装備の装備効果がステータスに反映されるのか。
それならお前装備いらないじゃん。
ってかスキル悪食って。
いやちょい待て。スキルの熟練度が1未満のときってスキルの効果はないんだよな。なんでお前刀とか杖とか喰ってるんだよ。
いやいや、ちょい待て。お前いつのまに蹴術の熟練度あげてるの?お前何蹴ってるの?
はあ、まあいいや。
俺よりよっぽど強いんだから光のことはそもそも考えなくてよかったかもしれないな。
さて、潜ってみるか。
<博多駅ダンジョン地下1階 モブ>
ダンジョンは出入り口が階段になっていて、そこから下に下りる感じで進んでいくことになる。
階段を下りたところに、変な看板があった。
それには博多駅ダンジョン地下1階 モブと書いてあった。
恐らく、ここが博多駅ダンジョンの地下1階であること、そして出現する敵がモブであることを示しているのだろう。
まるでゲームだな。
ひとまず、ヴァレントの剣1を取り出す。
魔法よりも近接戦闘になるであろう今回は物理の刀のほうがいいと思ったからだ。
それにしても、刀なのに剣なんていう名前はわかりにくいな。
はぁ。
もうやだな。
同じことが続いてしまいそうで。
とりあえず近くにいた兎を殺害。
イヤー、雑魚い雑魚い。
一撃で殺せた。
<リアルワーラビットを倒した!>
ドロップアイテムなんてものはないが、死体がその場に残る。
その死体が売れることにより探索者は生活することができるのだそうだが、こんな死体持ち帰りたくないな。
親と同居しているから、今のところ家でかかるお金はないし、食費も家で食べればかからないから、最悪お金なんてなくてもなんとかなるけど、ちうまでも親のすねをかじっておくのは流石にはばかられる。
でもやっぱり死体はなぁ。
仕方ないと諦めてリアルワーラビットの死体から離れると、近くにいたのであろうネズミたちが死体に群がってきた。
まあ、おいしく食べてくれ。
あ、ゴブリンだ。
この前の博多駅での戦闘で初めて実物を見たが、やっぱり気持ち悪いな、あの見た目。
とりあえず走って近づき、斬る。
「ゴバァっ!」
ゴブリンの首を一撃で切り落とした。
俺、結構上手くなってきてるかもな。ゴブリンに反撃の間も与えなかった。
<リアルゴブリンを倒した!>
ゴブリンの死体はどうにも人に似ていて、これも触りたいとは思わなかった。
「ピヨォッ!」
光がゴブリンの死体に近づく。
そして・・・・・・
喰った。
<光 種族:クイックコッコ
HP18843/18843 MP5745/5745
力9886 耐久17 敏捷8940 器用3 知力2 精神5740 運19881
称号:ヴァレントのペット
所持スキル(2/10)
○蹴術1.07
○水魔法1.01 【ウォーターボール】
○射撃0.01
○悪食0.08
○空き
○空き
○空き
○空き
○空き
○空き
装備
頭部:空き
右羽:空き
左羽:空き
首:空き
胴体:空き
右足:空き
左足:空き>
ステータスがまた上がってるし。
ゴブリンのステータスの分上がったのか?
「ピヨォッ!」
こいつ怖いな。
悪食すぐにカンストするんじゃないだろうか。
というか、こいつ体でかくなってね?
<クイックコッコ:光が進化条件を満たしました。
進化先
○ハイクイックコッコ
○ポイズンクイックコッコ
○オーバーイートクイックコッコ
○クイックヘン>
どうやら4つから選べるらしい。
とりあえずダンジョンの出入り口の近くまで戻って、安全かなぁ、と思える場所で考える。
ハイクイックコッコはクイックコッコの進化系か。ひよこのままなんだろうな。ひよこのままの進化。
クイックヘンっていうのは・・・・・・確かhenが雌鳥だから、鶏になる進化。
ポイズンクイックコッコは、多分毒をもつんだろう。
オーバーオートクイックコッコは、悪食が進化するのかもしれないな。
食費が上がるのも困るんだよな・・・・・・。
どうせ悪食は上がりそうだし、ポイズンクイックコッコにするか。
<ポイズンクイックコッコでよろしいですね?
【Yes】 【No】>
イエス。
「ピヨッ!」
<光 種族:ポイズンクイックコッコ
HP19000/19000 MP6000/6000
力9900 耐久100 敏捷9000 器用100 知力100 精神5800 運19900
称号:ヴァレントのペット
所持スキル(3/10)
○蹴術1.07
○水魔法1.01 【ウォーターボール】
○毒属1.00
○射撃0.01
○悪食0.08
○空き
○空き
○空き
○空き
○空き
装備
頭部:空き
右羽:空き
左羽:空き
首:空き
胴体:空き
右足:空き
左足:空き>
またステータスが上がっている。
てかきりのいい数字ばっかになったな。
いや、もしかすると進化したらきりのいいステータスになるとかそういう設定なのかもしれないな
ていうか、この進化でこいつは全ステータス100以上になった。
全ての能力値において、俺よりも高い。
マジか。
俺の最大HP116。最大MP82。
光の最大HP19000。最大MP6000。
ぼろ負けにもほどがあるだろ、これ。
何で主人よりペットがこんなにも強いんだよ。
しかもこいつ毒まで使えるようになってしまったし。
もう俺は勝てないかもしれないな。
というか勝てないだろ。
俺はこいつの蹴りを何度か受けるだけで死んでしまう。
今度防具作るか。
さて、そろそろダンジョンの探索を再開しよう。
光の進化だけにあんまり時間がかかってもだめだからな。
「【飛行】」
とりあえずさっきの場所まで戻る。
光だけ先行させようかな。
そう思ってしまった。
いや、でも実際光を先行させても問題ないよな。
光、頭いいみたいだし、危なくなったら戻ってくる、っていうのも簡単そうだしな。
さて、本格的に探索する前にステータス確認しておくか。
<ヴァレント 種族:隼獣人
HP139/139(118) MP82/82
力83(59+24) 耐久25 敏捷31(34-3) 器用33 知力25 精神24 運30(5×2×3)
称号:幸運者 超幸運者 無慈悲
所持スキル(6/10)
○刀術1.13
○火魔法1.56 【ファイアーボール】【ファイアーアロー】
○鍛冶1.08
○採掘1.52
○調教1.00
○飛行1.26
○射撃0.32
○樵0.14
○木工0.00
○空き
装備
頭部:空き
右腕:ヴァレントの剣1(力24 敏捷-3)
左腕:
首:空き
胴体(上):初心者のシャツ(+0)
胴体(下):初心者のズボン(+0)
右足:初心者の靴(右)(+0)
左足:初心者の靴(左)(+0)
インベントリ 77207円
○ワームの牙×1
○ワームの甲羅×1
○孵化器×1
○硬い鶏肉×1
○鶏肉×1
○羽×7
○【白狼の結晶】
○ワーウルフの毛皮×2
○ワーウルフの牙×3
○犬の犬歯×1
○アダマンタイト×1
○ヴァレントの杖1×1
○木材×4
○野熊の毛皮×1
○初心者のつるはし×1
○鍛冶の七つ道具(梅)×1
○金×4
○銀×4
○オルコリハン×4
○ダイヤモンド×2
○ラピスラズリ×2
○エメラルド×1
○サファイア×1>
そういえば、俺のインベントリの中に鶏肉入ってるな・・・・・・。
「ピヨォッ!」
「グギャァッ!グギャっ!」
<光がリアルワードッグを倒した!>
マジで光を先行させたら、一撃で殺しちゃった。
光は毒属を初めて使用したのだが、まず毒属を発射し、リアルワードッグに着弾した直後にもう倒れそうになっていたのに毒の効果と思えるもので1秒もたたずに死んだ。
怖いな。
「ピヨヨォッ!」
こいつ、また喰ってる。
まあいいけどな。
どうせ犬の死体なんて運ぶつもりないし。
もう俺戦う必要ないかなぁ、と思って壁に体重をかける。
と、そのとき。
「うわぁっ!」
後ろに倒れた。
いやちょっと待て。
壁あっただろ。
と思って後ろを見る。
隠し部屋か。
<スキル:探索の熟練度が1を超えたため、スキル:探索を取得しました。>
は?
よし、とりあえずステータスを出すか。
<ヴァレント 種族:隼獣人
HP143/143(122) MP105/105
力83(59+24) 耐久27 敏捷33(36-3) 器用33 知力48 精神24 運30(5×2×3)
称号:幸運者 超幸運者 無慈悲
所持スキル(7/10)
○刀術1.13
○火魔法1.56 【ファイアーボール】【ファイアーアロー】
○鍛冶1.08
○採掘1.52
○調教1.23
○飛行1.26
○探索1.04
○射撃0.32
○樵0.14
○木工0.00
装備
頭部:空き
右腕:ヴァレントの剣1(力24 敏捷-3)
左腕:
首:空き
胴体(上):初心者のシャツ(+0)
胴体(下):初心者のズボン(+0)
右足:初心者の靴(右)(+0)
左足:初心者の靴(左)(+0)
インベントリ 77207円
○ワームの牙×1
○ワームの甲羅×1
○孵化器×1
○硬い鶏肉×1
○鶏肉×1
○羽×7
○【白狼の結晶】
○ワーウルフの毛皮×2
○ワーウルフの牙×3
○犬の犬歯×1
○アダマンタイト×1
○ヴァレントの杖1×1
○木材×4
○野熊の毛皮×1
○初心者のつるはし×1
○鍛冶の七つ道具(梅)×1
○金×4
○銀×4
○オルコリハン×4
○ダイヤモンド×2
○ラピスラズリ×2
○エメラルド×1
○サファイア×1>
いつのまにか調教の熟練度も上がってるな。
光のおかげか。
でもこれは調教なのか?
探索スキルって一体何の役に立つんだろうか。
まあきっと何かに役立つだろうと思っておこう。
さて、この隠し部屋の探索でもするか。
てか暗すぎて見えない。
てか光どこだよ。
まあいいや。
光なら一匹でも死ぬことはないだろう。
むしろ俺のほうが死にやすそうだ。
「【ファイアーボール】」
発動までの1秒間も、あまり意識しないでできるようになってきたな。
あ、宝箱がある。
隠し部屋の宝箱か。
でもまあ、1階にあるのなんてそんなにいいものではないだろうな。
宝箱をあける。
その中に入っていたのは・・・・・・笛?
<召喚の笛【竜】
一部のダンジョンのランダム隠し部屋で得られる超高級アイテム。
効果:召喚【竜】
発動条件:笛を吹く>
なに・・・・・・。
ランダム隠し部屋か。
ってことはもう1度ここにきてもない、とかそういうことなのかな。
とりあえずインベントリにいれておく。
近くに何かないかと探してみると、また宝箱があった。
近寄る。
すると、宝箱が勝手に開いた。
あ、これはあの有名なモンスターだな、と思って刀で切る。
<パンドラボックスを倒した!>
まさかの一撃。
刀術の熟練度が0.1も上がった。
結構強い奴だったらしい。
お、何か落ちてる。
<風の巻物【ウィンドカッター】
一部のダンジョンで得られる低級アイテム。
効果:魔法取得:風【ウィンドカッター】
発動条件:黙読>
風魔法か。
俺も光も使えないんだよな。
誰かに交換してもらうか。
その後、隠し部屋の中を捜索したが、何もなかった。
隠し部屋を出ると、光が走ってきた。
「ピヨヨォッ!」
<光 種族:ポイズンクイックコッコ
HP19315/19339 MP6038/6038
力10080 耐久152 敏捷9107 器用112 知力111 精神5815 運19904
称号:ヴァレントのペット
所持スキル(3/10)
○蹴術1.21
○水魔法1.01 【ウォーターボール】
○毒属1.01
○射撃0.02
○悪食0.12
○空き
○空き
○空き
○空き
○空き
装備
頭部:空き
右羽:空き
左羽:空き
首:空き
胴体:空き
右足:空き
左足:空き>
ヲイ。
こいつ何でこんなに強くなってるんだよ。
ちょっと待てよ。
HP減ってるじゃん。
お前攻撃受けたのか。
回復は誰もできないんだ。残念だったな。
てかお前何喰った?
いつのまに力が10000を超えたんだ?
蹴術の熟練度だけが上がってるから色々蹴って喰ったんだろうけど。
時計を見ると、もう夕方だった。
帰るか。
明日はアナザーライフ・オンラインがサービスを再開する予定だったはずだ。
まだお金はあるから、少しイベントを楽しんでから探索者として生活を頑張っていくことにしよう。
今度から頑張る。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!