他サイトに投稿している「アナザーライフ・オンライン」の14話「9」と15話「10」を一部改編したものです。
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渋谷駅のことはどうやら本当のことらしい。
テレビのニュースはどこもその話題でもちきり。
しかも、渋谷駅に突如できた建築物からモンスターが出てくるようになってから、アナザーライフ・オンラインのプレイヤーの身体能力がゲーム内と同じになったんだそうだ。
しかもスキルも使えるとか。
「冗談だろ」
俺はそう思って、馬鹿にしながらも試しにやってみることにした。
「【飛行】」
・・・・・・俺の背中に生えているこれは、もしかして羽だろうか。
・・・・・・俺のすぐ上に見えるのは、もしかして天井だろうか。
・・・・・・もしかして、俺は飛んでいるのだろうか。
どうやらマジでゲーム内と同じことができるようだ。
ためしにリモコンを本気で握ってみると、あっけなくリモコンは粉々になった。
後で買ってこないと。
でも、力とかも反映されていることがわかった。
これ、結構すごいんじゃないだろうか。
もしかしたら職業変えられるかもしれない。
『現在、モンスターと呼ぶことになった化け物たちは、渋谷区、港区、新宿区を占領しています。また、渋谷駅の建築物はダンジョンと呼ぶことが決まったようです』
ダンジョンかぁ。
確かにそうだなぁ。
『モンスターには重火器・小火器があまり効かない様子です』
へぇ。
『現在、国はアナザーライフ・オンラインのプレイを推奨し、モンスターを倒した人には報酬が与えられるそうです』
これは本当に転職を考えてもいかもしれない。
なんてな。
『速報です。先ほど、大阪の大仙古墳にダンジョンが確認されました。モンスターも出ているようです。大仙古墳周辺にいる方は、急いで避難してください。繰り返します・・・・・・』
へぇ。
そうなんだ。
結構やばいんじゃないかな。
大都市圏がやられていっている。
日本は大丈夫だろうか。
なんとなく、俺も戦いたいな、と思ってヴァレントの杖1を想像すると。
持っていた。
何故これを持っているのか、と。
ならば。
ステータス。
<ヴァレント 種族:隼獣人
HP79/79(99) MP127/127(35)
力35(55-20) 耐久20 敏捷24 器用40(15+25) 知力34(12+22) 精神53(12+41) 運30(5×2×3)
称号:幸運者 超幸運者
所持スキル(6/10)
○刀術1.08
○火魔法1.13 【ファイアーボール】
○鍛冶1.08
○採掘1.52
○調教1.00
○飛行1.12
○射撃0.08
○樵0.14
○木工0.00
○空き
装備
頭部:空き
右腕:ヴァレントの杖1(力-20 器用25 知力22 精神41)
左腕:
首:空き
胴体(上):初心者のシャツ(+0)
胴体(下):初心者のズボン(+0)
右足:初心者の靴(右)(+0)
左足:初心者の靴(左)(+0)
インベントリ 108007円
○【白狼の結晶】
○ワーウルフの毛皮×2
○ワーウルフの牙×3
○犬の犬歯×1
○アダマンタイト×1
○初心者の刀×1
○ウィークワームの甲羅×1
○ウィークワームの牙×1
○木材×4
○野熊の毛皮×1
○ヴァレントの剣1×1
○初心者の剣×1
○初心者の杖×1
○初心者のつるはし×1
○鍛冶の七つ道具(梅)×1
○金×4
○銀×4
○火薬×2
○オルコリハン×4
○ダイヤモンド×2
○ラピスラズリ×2
○エメラルド×1
○サファイア×1>
出ちゃったよ。
マジですか。
本気で転職しようか。
引っ越し屋さんとかすれば、力割とあるからいけるかもしれないな。
さて、冗談はほどほどにして出社するか。
帰宅。
アナザーライフ・オンラインにログイン。
よし、今日は東に行ってみよう。
「【飛行】」
20分間の飛行の後着地。
鶏がいたので、ヴァレントの剣1でさくっとやる。
<ウィークコッコを倒した!
ドロップ:羽>
羽か。
矢でも作れるのかな。
「コケーッ」
「コッコッコッコ」
「コケーッコッ」
「コケコッ」
何か鶏に囲まれているんですが。
まだ距離があるのでヴァレントの杖1に持ちかえる。
ファイアーボール。
「【ファイアーボール】」
固まってくれていたので3匹まとめて吹き飛んだ。
<ウィークコッコを倒した!
ドロップ:羽>
<ウィークコッコを倒した!
ドロップ:羽>
<ウィークコッコを倒した!
ドロップ:羽>
もう1発。
ファイアーボール。
「【ファイアーボール】」
2匹まとめて吹き飛んだ。
<ウィークコッコを倒した!
ドロップ:羽>
<ウィークコッコを倒した!
ドロップ:羽>
「コケーッ!」
痛い。
ヴァレントの剣1でつついてきた鶏を切る。
HPが5も減ってしまっている。
<コッコを倒した!
ドロップ:鶏肉>
ぐえっ。
後ろからすごいスピードで蹴られてふっとんでしまった。
急いで剣、じゃなかった、刀で切る。
まぎらわしい、剣という名の刀はまぎらわしい。
<クイックコッコを倒した!
ドロップ:硬い鶏肉
羽>
硬い鶏肉とかいらねー。
調理スキルを持っていないから普通の鶏肉でも正直いらないのに。
あぁでも、リアルでも取り出せるならいいか。
ってかクイックコッコの攻撃力強すぎだろ。HPが20減っている。
ってかこれどっかであったな。
どっかのミミズかなんかがこんくらいの攻撃力だった気がする。
鶏の大群はいつのまにかいなくなっていた。
ちょっと歩いたところに、卵が落ちていた。
<クイックコッコの卵
素材。親が温めるか、孵化器にいれると孵化する。おいしい。ただし肉は硬いため、調理技術が必要。>
珍しく説明が長いな。
孵化器なんて持ってないから、とりあえずインベントリにいれておく。
売っておいしくしてもらうのもいいかもしれない。
孵化器が気になるから、ひとまず帰るか。
「【飛行】」
始まりの町(仮)に戻って道具屋へ。
「すみませーん、孵化器ってありますか?」
「はい、ありますよ。50000円です」
高いな。
まあいいや。
せっかく調教スキルがあるんだし、使ってみたいから、惜しみはしない。
あぁ、50000円か・・・・・・。
惜しみはしない。
うん、惜しまない。
50000円か・・・・・・。
「買います」
「毎度あり」
クイックコッコの卵を孵化器にセットしてインベントリに直す。
孵化を楽しみに待っておこう。
HPにもMPにもまだ余裕があるので、もう1度狩りに行くことにした。
「【飛行】」
南に行って、とりあえずミミズたちを吹き飛ばそうかと。
地面すれすれを飛行しながらときどき地面をたたいていると、ミミズが出てきた。
「【ファイアーボール】」
<ウィークワームを倒した!
ドロップ:ウィークワームの甲羅>
低空飛行をしているので、ウィークワームにかじられたりアタックされる心配はない。
お、もう1匹でてきた。
「【ファイアーボール】」
<ウィークワームを倒した!
ドロップ:ウィークワームの牙>
<うぃーくわーむを倒した!
ドロップ:>
<うぃーくわーむを倒した!
ドロップ:>
<うぃーくわーむを倒した!
ドロップ:>
<うぃーくわーむを倒した!
ドロップ:>
<うぃーくわーむを倒した!
ドロップ:>
<うぃーくわーむを倒した!
ドロップ:>
<サーバーより称号:無慈悲が贈られました。>
え、何ですかこれ。
<称号:無慈悲
<Another Life Online>内で、ドロップアイテムがない子供の倒したものに贈られる称号。
獲得条件:ドロップアイテムがない子供のモンスター5回以上討伐
効果:力50 敏捷50 器用-10 知力-10 精神50>
この称号は一生発動しないだろう。
称号は発動を任意で決めれてよかった。
俺は無慈悲なんてものじゃないからな。
そうか、あのウィークワームは妊娠していたのか。
そんで、ドロップアイテムがない子供を6匹も。
そしてそれを俺が全部まとめてヤっちゃった、と。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
恨まないでくださいお願いします。
この称号発動しないんで恨まないで下さい。
でも、称号自体は結構いいよな。
器用と知力は-10になるが、力と敏捷と精神が50なら差し引き130。これが装備だったら制作評価:13だぞ。
まあ鍛冶をするときには絶対発動しないけど。
あれは器用さが必要なんだ、何故か。
物理戦のときには使っても良いかもしれない。
と考え込んでいると、地面からでてきたミミズにかじられた。
ヴァレントの剣1で一閃。
何してくれとんねんミミズの分際で。
HP40も減っとるし。
ありえんし。
<ワームを倒した!
ドロップ:ワームの甲羅
ワームの牙>
よし、もう時間だし帰るか。
「【飛行】」
始まりの町(仮)に到着。
ステータスを確認しておくか。
<ヴァレント 種族:隼獣人
HP21/86(106) MP132/136(44)
力38(58-20) 耐久23 敏捷27 器用41(16+25) 知力38(16+22) 精神57(16+41) 運30(5×2×3)
称号:幸運者 超幸運者 無慈悲
所持スキル(6/10)
○刀術1.11
○火魔法1.22 【ファイアーボール】
○鍛冶1.08
○採掘1.52
○調教1.00
○飛行1.18
○射撃0.08
○樵0.14
○木工0.00
○空き
装備
頭部:空き
右腕:ヴァレントの杖1(力-20 器用25 知力22 精神41)
左腕:
首:空き
胴体(上):初心者のシャツ(+0)
胴体(下):初心者のズボン(+0)
右足:初心者の靴(右)(+0)
左足:初心者の靴(左)(+0)
インベントリ 58007円
○ワームの牙×1
○ワームの甲羅×1
○孵化器【クイックコッコの卵×1】×1
○硬い鶏肉×1
○鶏肉×1
○羽×7
○【白狼の結晶】
○ワーウルフの毛皮×2
○ワーウルフの牙×3
○犬の犬歯×1
○アダマンタイト×1
○初心者の刀×1
○ウィークワームの甲羅×2
○ウィークワームの牙×2
○木材×4
○野熊の毛皮×1
○ヴァレントの剣1×1
○初心者の剣×1
○初心者の杖×1
○初心者のつるはし×1
○鍛冶の七つ道具(梅)×1
○金×4
○銀×4
○火薬×2
○オルコリハン×4
○ダイヤモンド×2
○ラピスラズリ×2
○エメラルド×1
○サファイア×1>
うーん、流石に所持品が多いな。
というか多すぎる。
見にくい。
鉱石はまあしょうがないとしても。
ワームの素材が手に入ったから、ウィークワームの素材は売っても良いだろう。
そう考えて、店にいってウィークワームの甲羅とウィークワームの牙を売る。
「ウィークワームの甲羅は1つ1万円、ウィークワームの牙は1つ100円です。よろしいですか?」
「はい」
誰かさんの牙とは大違いだ。
ああ違う、あれは牙じゃなくて犬歯だった。
「20200円になります。お確かめ下さい」
一応確認する。
「よろしいですね。それでは、またのご利用おまちしております」
それにしても、甲羅と牙で金額が結構違ったな。
もうちょっと素材を売れば、お金がたまるから、防具でも買うか。
防具といっても、俺は隼獣人だから、羽がある分あんまり種類がないかもしれないな。
あるいは、オーダーメイドにしないといけないのかもしれない。
オーダーメイドだったらどうしよう。
お金がかかるやつやん。
俺、お金そんなに持っているわけじゃないやん。
うわー、不安だわー。
あぁ、でも、自分でも作れるよな、鎧。
俺これでも鍛冶師だし、鉱石は色々持っているし。
明日は防具を作ってみるか。
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