他サイトに投稿している「アナザーライフ・オンライン」の17話「11」です。
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日付が変わった頃。
スマホの大音量により、俺は目覚めた。
スマホを見ると、どうやらかなりやばいことが起こっていることがわかった。
テレビをつける。
『博多駅に、日本で3つめ、世界で25個目となるダンジョンが確認されました。福岡県福岡市にお住まいの方は、急いで避難してください。繰り返します。博多駅に、日本で3つめ、世界で25個目となるダンジョンが確認されました。福岡県福岡市にお住まいの方は、急いで避難してください』
現在、福岡駅のダンジョンを含めれば、ダンジョンは日本で3つ、世界で25個ある。
日本にある3つというのは、東京、大阪、福岡にある3つ。
世界にある25個は、以下のとおり。
日本3つ。
アメリカ8つ。
インド洋7つ。
インド4つ。
ブラジル1つ。
サウジアラビア1つ。
イタリア1つ。
地震と同じように、プレートの狭間に多いことがわかっている。これはあくまでも推測の域を出ていないが。
現在、インド洋周辺は、対処できなくて困っているようだ。
海の中にあるダンジョンには、こちらから攻撃することが難しいため、上陸したものを撃退するしかなく、延々とモンスターが湧き出てきている。
日本では、東京の渋谷駅のダンジョンは、かなり人間が押し返し、今は渋谷駅周辺にしかモンスターはいないらしい。
大阪の大仙古墳のダンジョンも、人間が押し返し、なんとか大仙古墳の敷地内だけにモンスターがいる状態。
ちなみに、他国の現状は、インドが壊滅状態、インド周辺が若干消耗状態、インド洋周辺も消耗状態、サウジアラビアは半分以上がモンスターに占拠された、ブラジルも半分以上がモンスターに占拠された、イタリアは完全にモンスターに侵略され、現在ヨーロッパ連合がモンスターに対応中だが、それもいつまでもつかわからないとのことだ。
また、サウジアラビアが半分以上モンスターに占拠されていて、さらにインド洋もモンスターがうじゃうじゃいるため、石油価格はかなり高騰していて、一般家庭では手に出せそうにないくらいになりつつある。この数日で、だ。
そして、そんなダンジョンが福岡にできた。
家は、かなり近い。
窓から外をみると、モンスターがいた。
つまり、もう逃げ遅れたわけだ。
戦うしかない。
急いで家を出る。
まだ寝ぼけている気がするが、気にしていられない。
ヴァレントの杖1を取り出す。
「【ファイアーボール】」
心の中で唱える分には、かなりスムーズになっている。というか、もう意識しなくても放てるようになった。
俺の視線の先にいた熊は倒れた。
ゲーム内とは違って、ドロップアイテムはないようで、ちゃんと解体しないといけないようだが、そんな解体している余裕などない。
ステータスを出す。
<ヴァレント 種族:隼獣人
HP86/86(106) MP137/138(46)
力38(58-20) 耐久23 敏捷27 器用43(18+25) 知力38(16+22) 精神57(16+41) 運30(5×2×3)
称号:幸運者 超幸運者 無慈悲
所持スキル(6/10)
○刀術1.11
○火魔法1.24 【ファイアーボール】
○鍛冶1.08
○採掘1.52
○調教1.00
○飛行1.18
○射撃0.09
○樵0.14
○木工0.00
○空き
装備
頭部:空き
右腕:ヴァレントの杖1(力-20 器用25 知力22 精神41)
左腕:
首:空き
胴体(上):初心者のシャツ(+0)
胴体(下):初心者のズボン(+0)
右足:初心者の靴(右)(+0)
左足:初心者の靴(左)(+0)
インベントリ 78207円
○ワームの牙×1
○ワームの甲羅×1
○孵化器【クイックコッコの卵×1】×1
○硬い鶏肉×1
○鶏肉×1
○羽×7
○【白狼の結晶】
○ワーウルフの毛皮×2
○ワーウルフの牙×3
○犬の犬歯×1
○アダマンタイト×1
○初心者の刀×1
○木材×4
○野熊の毛皮×1
○ヴァレントの剣1×1
○初心者の剣×1
○初心者の杖×1
○初心者のつるはし×1
○鍛冶の七つ道具(梅)×1
○金×4
○銀×4
○火薬×2
○オルコリハン×4
○ダイヤモンド×2
○ラピスラズリ×2
○エメラルド×1
○サファイア×1>
よし、問題はない。
HPは満タン、MPもさっき使った分が減っているだけ。
目の前にいる熊の集団をなんとかできる。
「【ファイアーボール】【ファイアーボール】【ファイアーボール】【ファイアーボール】【ファイアーボール】」
5発うったところで、ここまでで5秒かかっているわけだから、モンスターが接近してきてしまっている。
10体ぐらいは倒せたが、焼け石に水というように、それ以上の数のモンスターが襲いかかってくる。
こんなの、一人じゃどうしようもないじゃないか。
一旦この場を離れよう。
「【飛行】」
羽が生えたせいで服が破れたが、そんなことを気にしている余裕はない。
あぁやばい、鳥が飛んでくる。
当然烏とか鳩とかの普通の鳥じゃなくて、モンスター。
「【ファイアーボール】」
死なない。
「【ファイアーボール】」
落ちた。
よかった。あんなのに追いつかれたら生還できなかったかもしれない。
再び鳥の魔物がくるよりも早く、俺は避難所へと向かう。
何とか無事に、避難所に到着することができた。
避難所とはいっても、モンスターがここに到着すれば安全は保証されないだろうが、食料などの物資がある場所だ。
そして、パソコンもある。
石油が高くなっていて、電気代も高いとはいえ、連絡は必要だった。
アナザーライフ・オンラインのサイトを見る。
どうやら、既に何人かのプレイヤーが福岡に向かっているらしい。
東京と大阪に集まっていたせいでこっちに来るまでに時間はかかるのだそうだが、来るのであれば問題ない。
東京と大阪を取り戻せたってことは、福岡だって取り戻せるはず。
大丈夫、と、自分に言い聞かせた。
会社の上司に仕事を休むことを伝えたが、会社は今日休みになるらしい。
有給休暇を消費しなくてよかった、とも思ったが、会社がたちゆかなくなったら収入がなくなってしまう。
やはり、なんとしてでも福岡を取り戻さないといけない。
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