SFロボットアニメのような世界でパイロットをしていた主人公は死後、人間の他にエルフやドワーフといったファンタジーな種族が星間文明を築いている異世界に、脱出ボタンの付喪神のような存在となって転生する……
広い宇宙の各地で発生した地球外生命体たちがファンタジー種族そのままの姿と名前であることは、ファンタジー用語をスペースオペラに上手く流用したのだろう、くらいに思っていました。
全然、違いました。
物語を読みすすめた先で、そうなるのが必然だったと思える真実が明かされた時、鳥肌が立ちました。なんとなく流していた設定、ギャグとだけ受けとめていた描写、その背景には複雑で壮大な世界観が控えていました。
それはただの情報ではなく、物語中で今まさに生きている様々な種族・個人の行動原理と直結していました。悩み、迷い、争いながらも希望を求めるひとりひとりがピースとなって、ダイナミックな神話を構築しています。スラブ神話やグノーシス主義から固有名詞を取っている本作ですが、これ自体がまさに神話と言えます。
ネタバレ防止で抽象的な表現ばかりですみません!
真相はぜひ、ご自分の目で確かめられてください!!