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第11話 SHY

公開日時: 2024年8月30日(金) 18:52
更新日時: 2024年11月17日(日) 00:19
文字数:2,283

 21世紀も半ば、地球での各国の世界で活躍していたヒーローたちが国の戦争をなくし、穏やかな生活を過ごしていた。


 生身の人間から各地を守るヒーローとして転心輪の腕輪アイテムで変身し、国では一人限定のヒーローだが、超人的なパワーを持っており、人間の力では無理な事件の度に頼りにされる存在だった。

 日本では陰キャで人見知りのシャイがヒーローとして活躍するファンタジーな作品でもある。


 ──舞台は東京奪還編。

 アマラリルクとの戦いを退け、一時的に平和を取り戻したシャイの中の人でもある紅葉山もみじやまテルは、唯一無二の親友とも言える小石川惟子こいしかわいことデートを重ねていた。


 ──そこに里から家出をし、東京で迷った忍者のお姫様、天王寺瞹てんのうじあいと出会い、形見放さずに持っていた心が読める一本の真剣を通じ、アマラリルクの一員となった双子のまいを捜していることを説明する曖。


 ──すると子供だけの団体アマラリルクのリーダーでもある謎の少年スティグマが再度現れ、少年の手により、突如東京に現れた黒い球体により、東京が丸ごと飲み込まれた。


 暗黒に淀みきった東京を救う方法は二つ。

 中から攻めて昧を助ける側、外から襲い来る敵を防戦する側。


 リーダーとなったシャイは攻める方となり、シャイに中心に集まったヒーローたちで黒い球の内部に乗り込むことを決意する。


 ──内部にてアマラリルクのメンバーがヒーローを待ち受ける中、住人たちは虚ろとなっており、ゾンビ姿の格好で街中を彷徨う状態に……。

 しかし中身は生きた人間なので迂闊に攻撃は出来ず、どうにかして避けるしかなかった。

 果たしてシャイたちは昧を見つけ、救い出すことが出来るのだろうか……。


 ── オープニング主題歌は『WILLSHINE』による女性アイドルロックバンドのPassCode。

 第一期のオープニングの映像も含まれているが、そこは許せる程度。

 スピーディーに流れる各ヒーローの見せ場のシーンもあり、僕がヒーローして伝えたいことをラウドロックなサウンドに乗せて懸命に訴えてくる。


 エンディング曲はヒーローによるキャラソンであり、一話ごとに歌い手が変化する。

 シャイがパートナーのえびおと共に横スクロールで空を飛行し、背景には漫画イラストの絵柄が映る。

 第一期と同じ映像に比べ、幅広いキャラの曲が楽しめるのもポイントだ。


 ──この物語は前回のロシアでのスピリッツ戦から東京へと物語が動き、ヒーローとして出番の少なかったシャイが中心になる展開である。

 ……と見せかけ、本作では曖という女忍者が大きく関わっており、時折ときおり、曖の昔話が流れる。


 あの虫の命も奪わない優しい昧が悪に満ちたり、邪魔者扱いして曖の体を傷つけるシーンなどもあったが、姉としての曖は妹の昧を救いたい一心でシャイのメンバーに加わり、昧を連れ戻すことに……。

 どんな悪行に染まっても、姉にとっては大切な妹でもあり、姉妹愛に満ち溢れている。


 ──個性豊かで様々な女の子が登場するので、萌え的なアニメかと思いきや、シリアスでジンとくるシーンも多数ある。


 シャイたちと敵対しながらも、いつも笑顔のクフフさんが大人は笑えなくとも笑えて、お酒で何もかも忘れるから嫌いと言いながら、自暴自棄になっても、母、ツィベタを失ったスピリッツは自然体で受け止めたりと……。


 またそんなシリアスな場面から一新し、天使もどきのイノリから愛の弓矢を撃たれたレディ・ブラックがシャイとの愛に目覚めたり、竜の子供ドキがミェンロンから眠い攻撃を受けて、眠くてたまらんと床を転げたり。

 しかもミェンロンが女の子に見えて実は男の子だったという反応も痛快である。


 ──一方で外の黒球の中心部では最強のヒーローの座を持つスターダストがスティグマと対峙していたが、スティグマの仲間であるクァバラの両刃の攻撃を食らいながら、徐々に引き際になってしまう。

 しかもこの黒い球体は術者自身でも解けず、第三者が黒球を打ち破ることで、さらに恐怖心を与えることとなり、世界は恐怖に晒されると……。


 だがスターダストは諦めなかった。

 世界で一番優しい男になると……。


 ──そんな争いの中、電波タワーではシャイと曖による、人を殺した悪魔となった昧のバトルが始まろうとしていた……。


 ──このように各ヒーローや曖が抱える苦悩や心情を丁寧に表現しており、本作のウリでもあるバトルシーンも滑らかな動きで必殺技も迫力がある。


 ──ヒーローでもあり、普通の女の子でもあるシャイは戦闘経験も未熟で他のヒーローのようなずば抜けた得意技もない。

 そこにリアリティさがあり、ヒーローとは強くて弱いものという二面性があるのを感じ取れるだろう。


 ──先に伝えた通り、見た目は美少女アニメのようなイメージがあるが、きちんと観ていくと作品の質やストーリーの調和が実に良く、新感覚なバトルアニメと思えるほどの出来でもある。


 ──テルと惟子による百合アニメ中心だった第一期から外れ、第二期でより各キャラに趣きを置き、ぐんと深みのあるバトルシーンが増えた。

 正統派なアクションアニメとして、より面白味が増したような感覚だ。

 各パートに流れるキャラの自己紹介も実に良い。


 ──シャイ。

 そのタイトル通り、恥ずかしがり屋の女の子が日本一のヒーローになるという架空の物語。

 どんな平凡な女の子でも、ある日を境にヒーローと呼ばれるゲームのような世界観。

 国の民を無条件で救う者として、どちらも相応しい答えである。


 ──笑いもあり、バトルもあり。

 だけど拳同士で語り合うという暑苦しいイメージもない。

 萌えに見せかけた真面目な設定で、こんな爽やかなアクション作品もあるんだなと思わせてくれるはずだ。

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