高校生の榊原圭こと、氷のKという通り名を持つケイは深夜帯の雀荘の一角にてガラの悪い大人の連中に混ざって、麻雀のプレイに生じていた。
連チャンで勝ち続ける本原がボーとしてるヤツにツキは来ないという言葉に100万円をかけてサシでの勝負に出るケイ。
だが本原は運があっただけでも実力があったわけでもなく、雀牌に傷をつけて牌を把握していたイカサマ野郎でもあった。
それに対してケイは持ち前の記憶力を生かし、100日前の食事のメニューを呟きながらも本原のやり口を見抜いて勝ち抜き、颯爽と雀荘を去る。
ボロアパートの自宅には外国人の金髪美少女のアミナが帰りを待っているからだ……。
──海外出張で両親がいない夏休みを満喫していたケイはネットの麻雀ゲームにハマり、リアルで仲間と一緒に麻雀をやらないかと誘われる。
雨空の下、人気のないマンションに来たケイ。
持ち金の10万円を握りしめ、いくら怪しい雀荘でも最悪のパターンは防げるはずと覚悟を決める。
室内にて半裸姿で入れ墨を入れたまっちゃんが待っており、ちょうどあるバイトを終えた頃だった。
彼はネットでの勝負方法と違い、香港ドルの法外の高レートで勝負をすることを決めることに。
ここではルールに乗ずるため、まっちゃんはケイの携帯電話を没収し、逃げ場を失うケイ。
暴力というワードを好むまっちゃんは一回戦でケイに負けても会話は自由だと呟き、二回戦から意味不明な外国語を仲間たちと喋り、都合の良い役を次々と作り出す。
イジメのようなチームプレイに耐えながらもケイは冷静に『今日何曜日?』という金髪少女の問いかけに過剰に反応しながらもトイレで策を練り、次々と積極的にリーチやロンを繰り出す。
ケイの反撃でまっちゃんはチームプレイを失い、徐々に追い詰められ、最強のオープンリーチでケイに挑むが、それが左利きを隠したイカサマということに気付くケイ。
逆ギレしたまっちゃんはケイに殴りかかろうとするが、突然の来訪者、裏稼業の何でも屋の関によりピストルで腹を撃たれる。
無能は要らないが、有能な人間だったら助けてあげるよと麻雀の続きをやらせる関。
全てはハッタリでもあり、三人で不正をされたら勝ち目がなかったと関に告げるケイ。
こうしてまっちゃんは続行不可能となり、200万ほどの儲けに。
だがケイは非日常な世界から一刻も早く抜け出したく、お金は要らないから生きるチャンスをくれた拘束中の金髪少女、アミナが欲しいと告げるのだった……。
──『ギャンブリングホール』というオープニング主題歌はシンガーソングライター、オーイシマサヨシが担当。
ミラーボールの居間から、札束の階段を駆け上がり、ヤーさんのならず者たちが手拍子を重ねる。
サビでは歌詞になぞられ、地獄絵図のイラストが出てきて、そこから出て来た鬼たちが麻雀の勝負を応援する立ち位置に。
雀卓を囲む、運命のショータイムは始まったばかりだ……。
エンディング曲は『プラスティック・ショーケース』でポニーキャニオン主催からの女性アイドルグループ、『太陽と踊れ月夜に唄え』による2ndシングルだ。
アニメらしいポップなサウンドにアミナが半透明な雀牌の世界を歩きながら、様々なリアクションをする。
サビに流れる雀牌タワーが氷の柱のように冷たく感じ、麻雀の勝敗に興味が無さそうなアミナさえも冷徹に笑いながら『それアガリだよ』と口に出すのだ……。
──調子よく雀荘で儲けていたケイの前に金髪イケメンの堂嶋がさりげなく現れる。
ぬるい打ち方だと言い放ち、勝ち手を予想する二人だったが、負けた堂嶋が去った後で数え役満が隠れていたことを知らされる。
──ビッグウエーブという勘を読み取る、関東一若手ナンバーワンの腕前を持つ堂嶋。
新たな再会の勝負でケイは堂嶋も金で力と権力を握ったろくでなしと見て、いつものバイトと切り替えるが堂嶋は本気ではなかった。
一億を持参した堂嶋相手にケイが今まで稼いだ3000万が5分で消えるのだ。
持ち金がゼロになったケイに300万貸すから飼っているアミナを売れと叫ぶ常嶋。
所持金が空になったのを理由に辛うじて勝ったケイはその場で借金を返し、無事に帰宅するが、彼とアミナの闘いはこれからだった。
お金よりも命の方が大事だと……。
──でもケイは身寄りのないアミナの戸籍を作るため、違法でもある賭け麻雀からは逃れられなかった。
関から桜輪会のスパイをして欲しいと告げられ、本格的な裏稼業に足を突っ込むケイ。
負けたら足の指を全部もらうのを条件に畑山という平和ボケして本番でも寝てる野郎とペアを組むことに……。
──アミナの将来のため、闇麻雀を捨てられないケイのしぶとさも異常で、足の小指を無くし、麻酔と激痛で靴から血が溢れる最中でも、一軍のテストである雀荘で稼ぐ姿を見るだけで、いかにこの稼ぎが遊びではなく、命を賭けているのかが理解できるだろう。
──またエンディング後に流れるオマケドラマ『教師のK』ではケイとアミナがお茶の間で作中では分かりにくい麻雀用語を公開と初心者にも優しい設定だ。
──この物語は暴力表現や犯罪行為が生々しく描かれた麻雀アニメでもあり、はっきり言って万人向けの作品ではない……。
人によっては深夜帯と言えど、よく放送出来るよねと思うほど、酷いものだ……。
しかし一見残虐そうに見えても、中々見応えのある作品でもあり、そんなに麻雀に詳しくなくても、先の見えない展開に毎話ドキドキするだろう。
──最終的にケイが麻雀で勝てると分かっていても、常識を覆すようなどんでん返しな展開が多く、実に面白い作品だと思う。
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