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第3話 鴨乃橋ロンの禁断推理

公開日時: 2024年10月26日(土) 12:07
更新日時: 2024年11月25日(月) 21:52
文字数:1,920

 世界一の天才探偵と上層部から告げられた若き青年、鴨乃橋かものはしロン。

 彼は探偵養成学校『BLUE』を首席で卒業し、その素晴らしい実績をものとした。

 だがロンは養成学校の実習でとある過ちを犯し、探偵の資格を剥奪され、以降、勝手に探偵業をすることを禁じられた……。


 ──それから5年後。

 探偵業を辞め、とあるマンションの一室でペットの猫と生きた死体に成り果てていたロンの元に、警察の新米刑事の一色都々丸いっしきととまるがやって来る。


 後に二人は凸凹コンビと呼ばれ、様々な難事件を解決していくのだ──。


 ──探偵養成学校でロンが犯した『血の実習事件』の真犯人でもあり、ロンの心を壊すことが目的なM家のロマイロ・モリアーティ。 

 彼は日本に仲間を送り込み、渋谷にてユニコーンの像の角に貫かれた遺体が発見される。

 遺体は情報漏洩をしたハッカーの一人でもあり、首元には赤い数字の暗号が刻まれており、時間や場所を示していることに勘づいたロン。


 ロンの首筋にも付けられた数字のアザを真似し、自身に対する挑戦状と受け取ったロンは、この事件はこれで終わりではないことを主張。


 それを嘲笑うかのように日中のスクランブル交差点にて煙幕を放ち、目の前で次なる殺人事件が起こる。

 今度は弓矢が胸に刺さっており、見えない遠距離からの攻撃に早くも難事件に……。


 今、ロンの推理役でもある都々丸のあだ名であるトトと一緒に行動をする、異例な推理劇が始まろうとしていた……。


 ──オープニング曲はハンブレッダーズ『フィードバックを鳴らして』。


 出だしにて、青空を舞台に風を受けるロンと都々丸の勇ましい立ち位置。

 そんな空気に弦を切るようなギター奏法のカッティングから始まり、テクニカルなギターで迫るロックサウンド。

 流れ星と子守唄をテーマにした哲学的な歌詞となっている。


 メインキャラのクレジットが流れ、この第二シーズンから観た人にとってはありがたい。

 PVでは生徒がいる校内での演奏となっており、終盤では生徒たちも踊り出す。

 曲の完成度も高く、今年の秋のアニソンでは一番のカッコよさではないだろうか。


 エンディング曲は黒子首(ほくろっくび)

から改名したスリーピースバンド、hockrockbが歌う『ラビリンス』。

 バンドなのにエレキギターがないバンドでもあり、この楽曲では歌謡曲のようにアコギの弾き語りが強調された情緒ある曲となっている。

 水彩絵の具のような淡いタッチに、事件が絡んだトゲトゲした心を癒やしてくれるはずだ。


 ──この物語は表向きでは探偵業ができないロンに変わり、刑事捜査役の都々丸がロンの推理を代弁するというちょっと変わったミステリーである。


 ロンが推理をし、事件解明では都々丸こと、トトの口から犯人を暴くというスタンスだが、トトは刑事としては無能であり、言われた通りに推理を披露するだけ。

 つまり刑事なのにお荷物側なトトでもあり、現状刑事としても下っ端でもある。


 ──ロンの推理方法も一風変わっている。

 殺害された被害者の隣に寝そべり、その死体に語りかけるのだ。

 一方的なロンの質問に永遠に黙ったままの相手。

 だが、ロンにはその沈黙がテレパシーみたいに受け取れるらしく、事件を解明できるヒントを得る。


 こうして事件の真相を暴き、トトに洗いざらい自身が考え抜いた推理を話すという流れだ。


 ……と思いきや、犯人が分かるとロンの目の色が急に変わり、『人の命を軽んじる奴に生きる資格はない』と犯人に催眠術をかけ、自殺の方へと誘導する。

 事件解決100%、だけど検挙率0%というロンの探偵としての実力が思い知られるだろう。


 ───黒蜜をこよなく愛用し、様々な料理に混ぜ、それだけでは満足できずに、パックに入った黒蜜ゼリー飲料を大量に持ち歩くロン。

 色々と事件について考えていると脳はブドウ糖が欲しくなるし、やる気や集中力なども増すからだ。

 それだけ膨大な情報を操るロンを応援したくもなる。


 ──人が亡くなるミステリー作品なので、何かと殺人事件が絡む日常でもあり、このようなアニメが苦手な方なら抵抗があるかも知れないが、『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』とは違い、別格の独立した内容でもあり、殺人というテーマを和らげるようなギャグパートも随時にある。


 暗く重くなりがちなシリアスとギャグが絶妙なバランスが保たれており、思わずほっこりしてしまう。

 流石さすが、大ヒット作、『家庭教師ヒットマンREBORN!』を描いた原作者だけのことはある。


 ──これはただのミステリーでは終わらせない。

 絵柄も原作同様、繊細で綺麗なタッチであり、昭和のドロドロとした推理モノではなく、今風の若者が好みそうなあっさりとした展開。

 近年増え続ける新しい基準のミステリーとは何か。

 そんな奥深さを感じさせる作風だ。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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