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第13話 菜なれ花なれ

公開日時: 2024年9月7日(土) 22:07
更新日時: 2024年11月18日(月) 21:57
文字数:2,190

 明るく運動神経抜群の美空みそらかなたは小学五年からチア部で頑張っており、中学の頃、チアリーグ大会の決勝大会へとコマを進め、いつものようにお得意のキックトリプルというアクロバットジャンプをしてる最中に怪我を負ってしまう。


 それによる怪我のため、チアを休場したかなたは中学のチアの大会に内臓疾患となり、自宅療養中の海音寺恵海かいおんじめぐみと同じ境遇か、お互いに打ち解け合い、毎日のように恵海の家に遊びに来ていた。


 ──一方で近辺で噂となっていたパルクールというチアの離れ技で家の塀や屋根を飛び越え、仕舞いには鷹ノ咲たかのさき高校の塀をよじ登るという有名人な小父内涼葉おぶないすずはの存在を知るかなた。


 かなたは涼葉を追いかけ、何とか追いつくために今までイソップで飛べなかった大ジャンプを車が走る団子坂で披露する。

 着地にやや失敗したものの、『無事に飛べた』と感動していると無表情な涼葉が『あなたも私のことをSNSのネタにするのか?』と問い詰める。

 

 ──そんな中、ブラジル出身で波長が合う女の子にハグをしたり、キスをしたりと大胆な杏那あんな・アヴェイロと校内で出会う。

 杏那と仲が良く、ヨガが趣味で妄想がカオスな大谷穏花おおたにのどかが戸惑いながらも止めに入るが、全く持って言うことも聞かず、杏那は自身のYou Tubeでオリジナルの楽曲を制作し、鷹ノ咲チア部を盛り上げていく。


 ──おっとりとしたお嬢様な谷崎詩音たにざきしおんは新体操部でもあるが、チアのことは初心者だったが、作曲が得意という一面を持っていた。  

 だが、歌は音痴であるというオチでもあった。


 ……にも関わらず、真面目なかなたは朝練を放棄して、心の傷を負ったまま……。


 チアガールのメンバーたちはかなたを休ませようという話になるが、下手な遠慮は逆に距離を遠ざけるという発言も……。

 だったらかなたを応援するための楽曲を作ろうという形に話が纏まり、見兼ねたかなた自身も心のリハビリのつもりでそのダンスに挑戦したいと意気込んで──。


 ──オープニングテーマは『Cheer for you』で作中で結成されたPoMPoMsのチアガールのキャラたちがポンポンを持った振り付けをしながら歌う。

 ソロパートとリンクするようにキャラがビジュアルとなり、寺院で踊り、宙返りを披露した後、サビからは地元の商店街をメインにメンバー全員でダンスをする。

『ポンポンレッツゴー!』と元気な掛け声を上げるポップソングが耳に馴染みやすく、癖になる主題歌だ。


『with』というエンディングテーマはバラードナンバー。 

 黄色いアナログレコードが回って音楽が流れ、デフォルメされたキャラによるほのぼのとした日常なイラストが流れる。

 ありのままの私で君の隣でいたいという青春に満ちた楽曲でもある。


 両曲とも人気フォークデュオのゆず、北川悠仁きたがわゆうじんが作詞、作曲を担当している。

 オープニング、エンディング、アニメでの挿入歌を丸ごと収録したPoMPoMsのフルアルバムも発売することとなり、大注目のグループでもある。


 ──本作は学生というチアガールにスポットを当てたオリジナル作品で、『SHIROBAKO』などのお仕事アニメや泣けるアニメ『Angel Beats!』を中心に活躍するP.A WORKS、ネット限定で『シティーハンター』などのオリジナルアニメを制作するDMM.comの二大タッグが作画を担当。  

 絵柄も綺麗でチアガールを武器にしても服装などの過激な規制はきちんと抑えており、お子さんが観ても大丈夫な作りでもある。


 決してお色気に走らず、鉄壁の守りを貫くスタイル。

 深夜帯のアニメ放送にしては珍しい。


 ──女の子がメインに出てくる百合アニメかと思いきや、杏那が世話になっているスタウトレコードというYJおじさんという店長も登場する。

 かなたが心の傷と向き合った場面から、急遽おじさんが閉店するスタウトレコードへと物語は変わり、お店を潰さないためにメンバーたちが手作りのポンポンを両手に立ち上がるのだ。


 大勢の人々に国境を越えた音楽を取ってもらいたいとレコードたちを販売していたが、お客も来ずにホコリを被っていたら意味がない。

 身の程知らずだった店長だが、PoMPoMsの必死な頑張りにより、スタウトレコードに

世界中から超有名音楽アーティストが集い、心から支えられる。


 一階をカフェにし、ネット通販をメインに活動していくと決意し、新たな光を掴み取るために……。


 ──だがチアガールに対しての表現がアニメ寄りで、チアガールにしては運動神経がずば抜けており、涼葉が家の屋根を素早く移動するシーンや、かなたの必殺技などが強烈過ぎて、空中で何回も回転しながら技を見せる姿は明らかに常人の域を超えている。

 キャラの名前の漢字も一癖があってふりがながないと読みづらく、杏那のフルネームも長すぎて覚えにくいのも最大のネックだ。


 ──しかし物語の後半には涙を誘う場面もあり、ただのおちゃらけたアニメではないことが分かる。

 ストーリーの基盤もしっかりしていて、疲れるような恋愛要素もないので気兼ねなく観れるだろう。

 サブキャラたちの出番があまりなく、影に埋もれがちなのが残念だが、それを忘れさせるようにかなたたちのメンバーが負けずに引っ張っているので問題はない。


 ──普段は応援会場で出場選手を鼓舞する華やかな印象なチアガール。

 そんな彼女らの意外な一面、チアとして生きるための生活という舞台の裏側が知れる良質なオリジナルアニメだろう。





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