ワルで頭のキレが良く、口が上手いチャラ男、天王寺晴ことハルと、PCオタクで大人しく、自己主張が苦手な性格の平学こと、ガク。
ガクにとってハルは同じ中学出身で同級生でも、クラスは別々で顔も名前さえもうろ覚えだった。
──二人の運命を左右するあの日、ガクが10年間、お年玉を貯めて購入したノートPCを持ち帰る時、人気のない駐車場にて半グレの連中に絡まれるハメに……。
そこへ同級生と名乗るハルが訪ねてきて、トラックの影を背にし、監視カメラに映らない理由にて、半グレたちをボコボコにするのだ。
しかし、運悪く駐車していたトラックが動いて、カメラの映像でハルが血祭りに上げた暴行が映り、これじゃ高校を続けることにも、大学にも影響が出るだろうと頭を悩ますハル。
だがガクが買ったばかりのノートPCを立ち上げ、自身の処理能力を生かして、その暴行映像を消去する。
そこでPCの基本操作も知らないハルがそのガクの能力を高く買うことに……。
──お互いの短所を持ち前の長所で補う。
こうして二人はこの事件をきっかけに大切な友達となったのだ──。
──数日後、最期の就職先でもある大手IT企業ドラゴンバンクにて二人は別々に面接を受けたが、ガクは緊張のあまりに会話もできず、今回も不採用になり、夢を諦め、いつものビルでの窓拭きのバイトに精を出す。
──そんな今日の清掃現場は採用されなかったドラゴンバンクがある高層ビル。
ガクが従業員に気づかれずに作業をしていると、下から同じ作業着を着たハルが話を振ってくる。
スプレー缶の洗浄剤を片手に、嘘を塗り重ねて合格したドラゴンバンクの内定式を辞退して会社を辞めたと口にし、ガクとコンビを組んだ方がもっと稼げる会社が設立できることを決意する。
ハルはドラゴンバンクの窓ガラスにスプレー缶の泡で文字を描き、この会社と面接の試験官でも会った社長の秘書のお前(黒龍キリカ)、通称、桐姫も含めて、ドラゴンバンクの全てを奪うと宣言することに……。
──日本ゴールド大賞にも選ばれた9人組のグローバルボーイズグループ&TEAM(エンティーム)が歌うオープニングテーマ曲『Beat the odds』。
EDMにトランスが混じり、クールなサウンドでセクシーなグループの歌声が飛び交う。
タワマンでの美しい夜景をバックに、一人よりも二人で仕事などをやった方が上手くいくと、決してその手を止めるなと……。
どんな仕事でも妥協しない男たちの真髄が大人なセンスを持つメロディーに乗る。
エンディングテーマ曲は5人組ロックバンドKlang Ruler(クラングルーラー)
が歌う『アンビリーバブル』。
4つ打ちの安定感のあるジャズ風な楽曲。
デュエットソングであるが、女性ボーカルがメインで男性ボーカルにはエフェクトがかかっている。
曲調は歌謡曲だが、音源は目新しい響きで、一昔前のボカロ楽曲を想像させるだろう。
桐姫の立ち絵イラストが時計仕掛けの風景と見事に調和(リンク)している。
──人生とは一度きりで、まるでゲームのようなもの。
何か企業を作るためには資金が必要で5000万円を出資して欲しい。
ハルの口約束はハードルが高く、様々な資産家から関係を断られる二人だった。
──ガクのプロ級なPC能力をツテにハルが持ち前のハッタリやトーク術を武器にして、ボロアパートで小さな企業を設立するが、思った以上に空振りな毎日。
それでもハルは諦めず、陰キャなガクとは正反対で前向きな思考で、一つツテがあるんだとドラゴンバンクの社長令嬢、桐姫へ投資の話を持ちかける。
とりあえず彼女に話を聞いて貰うため、桐姫が居たトレーニングルームにて、200キロ超のバーベルを持ち上げて話の流れを作るハル。
こうして場の空気を掴み、いくら出資して欲しいとの答えとは裏腹に一億円をアタッシュケースに詰めて手渡す桐姫。
ハルが今どき振込じゃないなんて、冗談もほどほどにして欲しいと笑う中、ガクは偽物なんですねと気兼ねなく紙幣を取る。
お札は全て本物の一億円だという二人の証言に慌てて──。
──グー◯ル、ア◯ゾン、マイク◯ソフトなど世界最高の資産家が稼ぐと言われる1兆ドルいう金額。
つまり1兆ドルあれば何だってできる。
口とハッタリ、真面目にコツコツという正反対な性格な二人。
──ガクが思い描いていた夢。
海近で小さな家を建て、小さい犬を飼い、世界で一番好きな女性と一緒に仲良く暮らす。
こうしてガクの夢は叶うのだが、お台場の海にタワマン、高級ソファにブランドものの家具とハルの豪遊なお金の使い道に戸惑う日々。
これも一つの結果論だと、20万にもなる古びたゲーミングチェアに思いを寄せるのだった……。
──バブル時代でもないのに、この不景気な世の中。
貧乏生活から、こちらは予算ゼロで多額の資金援助をしてもらい、一気に長寿番付に躍り出るという、多少不自然な部分が目立つ本作。
主にギャンブル性を秘めた内容でとっつきにくく、リアルではあり得ない展開でもある。
でもそれとは裏腹に、その男たちのお金持ちになりたいという妄想を見事に具現化し、こうして作品を公開するゆえに、思わず褒め称えたくもなる。
実写ドラマや劇場版などもあるので、そちらもチェックしてみると、この物語が伝えたい本質が見抜けるかも知れない。
──世界規模に大きく壮大に乗っかる二人のお金持ちへの夢、二人が紡ぐトリリオンゲームは始まったばかりだ……。
さて、ざっと公開してきた秋アニメの紹介でしたが、どうだったでしょうか。
今までにないようなアニメの数で色々と大変でしたが、何とか書き切りました。
そんな自分にお疲れ様と言ってあげたいです。
今回はWeb小説『小説家になろう』からのアニメ化が多かったですね。
特に異世界ファンタジーが多めでした。
相変わらず人気なジャンルですね。
あれ、らんまやBLEACH、青エク、ブルーロックなどがないよとツッコまれそうですが、誰もが知ってるアニメを取り上げてもねと思い、これにて秋アニメの紹介を締めくくる形となりました。
次回は年が明けた2025年、新春1月から冬アニメの紹介をしようと考えています。
皆さん、良いお年をお迎え下さい。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!