──いい加減、金を貸してくれないし、やらしてくれそうにもないからという野郎側の理由で喧嘩別れとなった一組のカップル。
昭和の男の代名詞、高倉健のような硬派な男が好みだった綾瀬桃は初めての彼氏と別れてむしゃくしゃし、偶然に通りかかった別のクラスのいじめられていた男の子を助ける。
そんなモモに助けられた宇宙人好きなオタク君は読んでいたオカルト雑誌をモモに勧めるが、あれはただの気まぐれにすぎないと必死に弁解。
二人の会話はお互いに噛み合わずにヒートアップし、モモはオカルト君にブチギレするが、あまりの落ち込み方にモモは暴言を吐いたことを素直に謝ることに……。
しかしモモは幽霊なら信じており、霊媒師の家系でもあるおばあちゃんの存在に誇りを持ち、だったら深夜の廃墟に別々に忍び込み、宇宙人と幽霊のどっちが実在するのかを証明することに。
負けたらパシリになるという口約束で……。
──いざ、心霊スポットのトンネルに辿り着いたオカルト君はターボババアというヤマンバのような身なりのエロいばあさんに遭遇し、逃げている最中で文字通り、俊足のババアに体を乗っ取られてしまう。
──一方で廃墟の病院でセルポ星人と接触したモモは拘束され、人間には友好的であると説明したセルポ星人から、あなたの持っているバナナを奪いますと強引にえっちい交渉を求められるという大ピンチに……。
そこへターボババアに取り憑いたオカルト君が駆け付ける。
──セルポ星人の念話から逃れるように過去のおばあちゃんとの記憶を呼び覚まし、超能力が使えるようになるモモ。
何とか宇宙人を倒し、ターボババアに呪われたオカルト君を自身の超能力で抑えつけることにも成功する。
──こうして辛うじて、UFOから脱出した二人。
この件により、オカルト君は幽霊、モモは宇宙人を信じ、今度はオカルト君の呪いを解くためにターボババアのいるトンネルへと向かうことに。
『自分不器用なんで……』と呟き、高倉健というオカルト君の本名にモモは動揺し、以降オカルンというあだ名を付けるようになり……。
──『ダンダダン!』と口ずさむところから始まるヒップホップユニットCreepy Nutsの『オトノケ』。
祭り囃子のサウンドに合わせたヒップホップで早口のラップのように歌い、サビからゆったりとした歌謡曲のテンポになる。
一昔前の特撮アニメを彷彿させるイラストと実にマッチしている。
エンディング曲は、
ソロプロジェクト、ずっと真夜中でいいのに。が担当した『TIDADA』。
置き物の招き猫が人間のように動き、タイトルの怠惰の通り、料理も家事もダメダメな招き猫の存在を見せつける。
ハスキーで高い美声のボーカルにも心を奪われてしまう。
──本作はコミックス売り上げ300万部を超えた人気作品からのアニメ化であり、初回放送前から大掛かりなイベントがあった。
アニメの放送を期待するかのようにオカルンによる勇ましい姿の予告のCMが夕方の時間帯を中心にしょっちゅう流れ、当初から見逃せないオススメ深夜アニメとして注目されていた。
人気俳優の高倉健という名前だったオカルンの本名も驚くが、この作品は先が読めない作品でもあり、どんでん返しも多い。
そんな次から次へと予期せぬ展開でラノベのような感じを受ける本作だが、あまりにも切り替わる展開がありすぎて、思考が追いつかずに混乱し、内容が意味不明になってしまうのもしばしば……。
さらに第一話から構成がぶっ飛んでおり、宇宙人とモモの過激な接触や、ターボババアのイチ◯ツくれやーによる叫び声が問題となり、第一話以降はそのような描写は比較的、抑えられている。
──基本、ターボババアの呪いの力をモモの超能力で抑え込んで解放し、鬱な口調へと変わり、半妖怪のような姿と絶大な力をモノにするオカルン。
ターボババアと融合したオカルンは文字通り最強の戦士となるが、その力にも時間制限があり、しかも発動後は肉体的ダメージも大。
ボロボロになる反動を抱えながらもモモを救うために、オカルンが命を賭けて立ちはだかる敵と戦うのが中心でもある『チェンソーマン』のようなアクションアニメ。
迫力のあるバトルシーンや激しく変わるコマ割り、スピード感もある実写映画のような描写が続く見応えのある内容でもある。
だが、一見名作に思えて、所々にアダルトな台詞が流れる迷作でもある。
そのせいか、お茶の間で観れることに抵抗を感じ、視聴にはヘッドホンが手放せない深夜アニメの代名詞のような作品であろう。
──ノリとツッコミによる次回予告に続き、ダンダダン通信というオマケもあり、最新のイベントを公開中。
二人の関係を繋げる色恋? 二人が感じてる偏食? もあり、これからも見逃せない青春アクションアニメでもある。
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