少女分裂病。
原因不明のその病を発症した少女は、恐ろしい勢いで増殖を開始する。
増えた少女は不死身で狂暴。恐ろしい膂力で人を襲う。
対処方法は、増殖の元となったオリジナルの少女を殺すこと。ただそれだけ。
周十四郎(あまねじゅうしろう)は市役所の職員。
発症少女を殺害する専門部署『少女駆除課』の職員である。
そんな彼の元に、倉庫に住み着いている家出少女が発症しているという通報が入る。
いつも通り、発症少女の頭をぶち抜いて、それで終わり。
報告書を書いて、タイムカードを押して、それで終わり。
その筈だった。
その少女が、生き別れになっていた彼の妹でさえなければ。