無人島に探索しに来たら有人島だった

~転移そして始まりは剣と魔法の世界 ~
すたりな
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2部 冒険者登録編

冒険者ギルドでの出来事

公開日時: 2020年9月12日(土) 16:23
更新日時: 2020年9月12日(土) 16:26
文字数:3,322

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あらすじ:幼子の説明を受けた

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――こうして異世界の管理人から壮大な使命を、

何となく帯びたらしい俺は、今夜のパンにありつくため、

この町の冒険者ギルドを目指して歩くのだ! 




冒険者ギルドは看板が出ているらしい。




 食費を稼ぐにも、情報を得るにも、

とにかく冒険者ギルドに行く必要がある。


――てか、他に当てはない。




 歩きながら、管理人サマからもらったアクセサリーに目をやる。




すると、目の前にゲームのメッセージウインドウのようなものが浮かんでくる。




************


-あららぎ くうと-

 阿良々木 空々 




習得スキル


異世界言語 能力向上+α 




スキルポイント残り10



************






いわゆるステータス画面だな。

よしよし、管理人サマの言ってたスキルもちゃんとある。


――で? スキルポイント?なんだこれは? 




アクセサリーでスキルを獲得できるって言ってたから、

つまりこれで好きなようにスキルを振ることができるのか。


とりあえずスキルを振ってみることにした。




 どんなスキルがあるのかと念じたら、

ウインドウにスキル一覧が出てきた。


 まずは必要だろうと思われるスキルを振ってみることにした。






************


-あららぎ くうと-

 阿良々木 空々 




習得スキル


異世界言語 能力向上+α


所持品収納(小)疲労回復(小)


魔法攻撃耐性(小)物理攻撃耐性(小)


毒耐性(小)


スキルポイント残り5



************






とりあえずこれでいいか。




――スキルについてだが。

今回取ったスキルは5つ。


◆◆◆◆◆


所持品収納(小)・・・縦横長さ10cmまでの物質を収納できる。

ただし10㎏未満で超過したものは自動的に排出される。

個数制限は無し。


疲労回復(小)・・・疲労を数分ごとに1%ぐらい回復する。


魔法攻撃耐性(小)・・・魔力に対する衝撃を1%ぐらい緩和できる。


物理攻撃耐性(小)・・・物理に対する衝撃を1%ぐらい緩和できる。


毒耐性(小)・・・毒物に対する抵抗力を1%ぐらい高める。


◆◆◆◆◆


………とりあえず欲しいのはこんなところかな。


次のレベルを取ろうとすると10倍のポイントが必要のようだ。




すなわち、

(中)で10ポイント、

(大)で100ポイント

って具合だ。




ちなみにスキルを振らなくても、

経験によってスキルが増えることがあるようだ。



つまり、素質が無いスキルはこれで所得して

素質があるスキルは、覚えていけばいいのだ。





 ……………なんも素質が無かったどうしよう? 




――ま、何とかなるだろう。





 早速、所持品収納スキルを使ってアクセサリーを謎の空間にしまっておく。


そのまま異空間へ消えていく。


 ………これって手元から離れた扱い何だろうか?


とりまあ、無くしたりとられたら大変らしいからしまっておくか。






 ――そうこうしてるうちに冒険者ギルドに到着したのだった。








 入り口は西部劇に出てくるような開き戸が見える。


つまり押して開くタイプだろう。




 中に入ってみると、これまた西部劇の酒場みたいな風景が広がる。




 木製のビールジョッキのようなもので酒っぽいものを


飲んで騒いでいる冒険者らしき人々の姿が見える。




 そこそこにぎやかだったので、

俺一人が入ってきたぐらいで皆の注目を浴びることは………なかった。




 よく見ると上半身バルクの塊みたいなモヒカンの男が見ていた。

黒の長ズボンに素肌にXの形のベルトを巻き付けている。

まるで世紀末○○伝とかで、汚物は消毒されそうな容姿をしている。


 ――いや!ちがう! 人を見た目で判断してはいけない。

ああゆう人って実は、機織り職人とかをやってて、

店を構えるのが夢だったりするかも、知れないし………。




――くだらない妄想をしてしまった。




 それでも何人かがこちらに目を向けてきたが、

その中に知った顔がひとつ。



皇帝しいざあだ。




 すぐに駆け寄って話しかけてくる。


「クウトじゃないか! 無事だったのか?」


 まるで、何もなかったかのように話しかけてくる。


「ああ、なんとかな。それよりもどうなってるんだ?」


 そう聞くと皇帝《しいざあ》の話はこうだった。




――俺と同じように説明を受けてこの町に到着したが、

どうも全員バラバラだったらしい。


憲兵団に姫奈《ぴいな》が、連れていかれたことは知っているが、

悠斗ゆうとの行方は分からない。




姫奈はどうやったか知らないが、既に何人か仲間を連れていたそうだ。


皇帝が声をかけてから、しばらく一緒に行動してたようだ。


しかし、用を足すために離れたところを、憲兵団に連れていかれたらしい。




 他にも知りえた情報を話し合い、この町がどんなところか、

問題がある点とか、ちょっとした事をある程度共有しておいた。





 「とりあえず、今のこの状況が分からないから

冒険者登録しに来たところだが皇帝はどうする?」


そう答えると皇帝《しいざあ》はこう言った。




「俺は、姫奈《ぴいな》を助けに行く!」


――おいおい、話を聞いていなかったのか。


憲兵団は相当やばい奴らなんだぞ、と。




「くうとはこれからどうするんだ?」


皇帝《しいざあ》はそう聞いてくる。




悪いが、危険を冒してまで助けに行く気が全く起きない。

やることがあるといってお断りしておいた。



「そうか、俺は助けに行くからな、お前も頑張れよ」

てっきり非難されるかと思ったが、そんなことはなかったぜ。


 そう言い残すと出て行ってしまった。




とりあえず、現状把握を最優先にすべきだ。



俺はそう思う。




カウンターへ行くと受付の人から声をかけられる。


「いらっしゃいませ、どのような要件でしょうか? 」


見た目は20代ぐらいの受付嬢だ。

ワンピース姿にエプロン姿のメイド服みたいな姿だ。


「冒険者登録をしたいんだ」


すると、にこやか笑顔で

「かしこまりました。ではこちらに記載をお願いしますね」

申込用紙と鉛筆の芯だけのようなものを出してくる。



名前以外書けることが無いと言うと、それだけでよいとの事。


すぐ作成するから待っていて欲しいと告げられ、

30分後改めて呼ばれる。




何かの金属製のプレートを渡された。




***


クウト=アララギ Fランク


グランドフォート王国所属


称号:


***




それだけ書かれていた。


なんでも、このプレートには魔法がかかっており、

経歴などが一発でわかるようになるとの事。




紛失すると次回から手数料がかかるからと注意される。




もし、ろくに使ってないなら、

他の冒険者ギルドで新規発行すればいいと思う。

――偽名を使ってな! 




 受付の右側を見るとコルクボードのようなものに


様々な依頼が画鋲のようなものでいくつも刺さってる。




いくつか見てみることにした。




---


ゴブリンの巣穴討伐


成果報酬150bit +α1体50bit


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下水ネズミ討伐


1体30bit


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王国軍傭兵募集


1日600Bit 衣食住付き


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薬草集め


一回50bitノルマあり


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本当にさまざまなものがあるな。






――というか、何ができるのかがまずわからないうえに、

武器もないから受けれるものも制限される。




なによりも、まず所持金が無いんだよな。




途方に暮れていると声がかかる。




「お兄さん、冒険者?」


振り返るとグラマーな女性が立っていた。


声をかけたのはこの人だろうな。




 身長は俺よりちょっと高いぐらいのお姉さんって感じの人だ。

短剣を左右に携えているから、ゲームで言うとシーフだろうか。


 動きやすさ重視なのか、レオタードのよう服の上にマントを羽織っている。


 マントから覗く衣服は体のラインがよく分かるし、

そもそも露出度自体かなり高い。


 胸元にペンダントがあるが、なんかすごい感じがして引き込まれる。


これがおそらく魔力というものだろうか。

決してその周囲に目が行っているとかではない。



………いや本当に。




 「ああ、今登録したばかりで、何もしたことがないんだ」


正直に答える。


 普通ならこんな新人に声をかけたのは失敗だったと、

そのまま去っていくだろう。




不思議なことにそうはならなかった。




 「そうね、見たところ丸腰だし、

 かと言って魔導士にも見えないからそう思ってたわよ」



承知で話しかけたようだ。




「で、俺に何か用なのか?」


「人手が足りないのよね。

良かったら私たちのお手伝いとかしないかしら? 」


 どうやらパーティの勧誘らしい。




素直に受け取っていいものかどうか。

どっちにしても大事なものは所持品収容にしまい込んでるし問題ないだろう。



――どうせ盗られるものは何も無いから話を聞いてついて行ってみることにした。

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