「はぁ~、ミレイナ、貴女はまだまだ子供ね」
「なっ!」
「貴女は知らないでしょうが、世の中の厳しさはそんなに甘くはないのよ」
「そ、そんな事は」
「ミレイナ、貴女はエリスが私の事を嫌いになっても良いと思っているの?」
「そ、そんな事思っていませんわ」
「だったら、エリスを鍛えなさい。それが貴女の役目よ」
「は、はい、分かりましたわ……」
ミレイナも納得した様子を見せると、ユレイナも一息つくのだった。
そして、4人はそれぞれの思いを抱きながら今日も一日を過ごすのでした。
翌日になると、早速、工事は始まった。
ユレイナ達3人とエリスの従者達は、作業を開始した。
ユレイナはまず、土台作りから始めようとしていた。
ユレイナが土魔法を使って地面を固めていくと、あっという間に完成してしまった。
それをみた賢者の弟子のエリスは驚きの声を上げる。
その声に気づいたユレイナが近寄ってくると、どうだ凄いでしょと自慢げに話すのでした。
しかし、賢者の弟子のエリスはユレイナに尋ねた。
これだけの作業をたった一晩で終わらせてしまうなんて、
一体どんな方法でやったのですかと。
ユレイナが答える。
実はこの作業は以前から少しずつ進めており、今回は一気に仕上げただけである。
それでも、賢者見習いがやるよりはかなり早いのであるが……。
という事を説明すると賢者の弟子のエリスはそれなら仕方ないですねと言いつつ苦笑いしていたのだ。
そしてユレイナは賢者の弟子のエリスに指示を出すのだった。
賢者の弟子のエリスは自分の従者達と共に建物の建築に取り掛かるのだった。
1時間程経過すると、賢者の弟子のエリス達は建物の基礎を
作り終えてユレイナに報告をした。
ただ賢者の助手が言うには既に基礎が出来上がっているので
後は組み立てれば終わりらしいのですが、ユレイナが言うには全て自分達が
やってしまおうという事になり、次々と建てていった結果……その日の夕方に全ての
建物が出来上がったのでした。
ただ、流石に疲れたのか、賢者の弟子のエリス達がその場に座り込むと、
ユレイナが賢者の弟子達に飲み物を渡した。
勿論、毒など入っていない普通の水である。
賢者の弟子達はユレイナに感謝すると、
その場で飲み干すのでした。
その後、賢者の弟子達は全員で協力して、建物を綺麗にすると、
完成した建物はまるで新築のように輝いていたのである。
ユレイナ達はその光景を見ると、満足したように笑みを浮かべた。
そしてユレイナ達は賢者の弟子のエリスに挨拶をしてその場を去るのでした。
賢者の弟子であるユレイナに改めて感謝の言葉を述べると、ユレイナ達は笑顔で手を振り、
アウリット城を後にしたのでした。
ユレイナがアウリット城を離れてから数日後、 ユレイナは再び、エリスの元を訪れた。
エリスはユレイナが来ると嬉しくなって駆け寄ると、ユレイナもエリスの頭を優しく撫でると、
ユレイナもエリスの事が心配だったと伝えると、エリスは照れながらも喜んだのである。
それから、ユレイナとエリスは一緒に街に出かけたのだった。
エリスは久しぶりにユレイナと一緒に出かけられて嬉しい反面、少しだけ緊張していた。
ユレイナが何かを話しかけると、エリスは慌てて返事をする。
その様子を見かねたユレイナがエリスの手を握り締めると、そのまま引っ張っていくのだった。
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