婚約破棄されパーティーからも追放されモンスターにも相手にもされない賢者って異世界にいる意味あるのっ!

一ノ瀬 彩音
一ノ瀬 彩音

公開日時: 2021年11月29日(月) 03:12
文字数:1,755

この場所は海に面しているようですが、港を作っても問題ありませんか?

「ええ問題無いわ」と言うと答えると続けて質問したのです。

「食料の問題ですが」と言われると、今度はユレイナから質問したのです。

1週間分の食糧はあるのかと。

すると賢者の弟子はその問いに対し、「はい」と答えたのです。

2人は暫く話し合いをしているうちに段々と内容が決まってきたのです。

3人の会議は数時間に及んだのです。

4人が決めた内容は以下の通りです。

1:1週間後に工事を始める為の準備を行う事にした。

その際に必要な物資は可能な限りこちらから提供する事になったのです。

2:土地の整備については基本的には各自で行うが、

手が足りない場合はお互いに協力し合う事で合意したのです。

但しこれはあくまでも基本的なルールで、例外もあり得るとの事でしたが、

その時は臨機応変に対応するとの事になりました。

因みに、ユレイナの作ったアイテムボックスには大量の資材が入っているのである。

当然だが、その中には魔石も入っている。

ユレイナが作る道具や武器には、必ずといっていいほど、

魔力を蓄積させる効果のある素材を使っているのである。

それ故に、ユレイナが使う魔法の威力は常人を遥かに超えているのである。

最後に4人で握手を交わすのであった。

こうして、エリスの新しい生活が始まるのである。

エリスが目を覚ますと、見慣れぬ天井が目に入る。

起き上がると自分の部屋とは違った内装の部屋にいる事が分かる。

ここはどこだろうと疑問に思ったエリスだったがすぐに思い出したのです。

(そういえば昨日からアウリット城の領主になったんでしたわ)

と心の中で呟くのでした。

ただいつまでも寝ている訳にもいかないと思い、ベッドから降りると着替え始めた。

(それにしても懐かしい夢を見た気がしますわ)

とエリスは考えるのでした。

エリスが起きた頃、丁度朝食の時間になっていたのです。

ただエリスはまだ眠そうにしておりフラつきながら歩いていたのです。

(うぅ~まだ頭がボーッとするのですわ)

ただエリスはこの後に待っている仕事を思い出して急いで身支度を整えると食堂に向かったのです。

ただ途中で転びそうになって慌てるのでした。

(ふぇえっ!)

何とかバランスを崩さずに済んだもののホッとして胸を撫で下ろすのである。

それから数分後、なんとか間に合ったエリスは席に着くと食事を

取り始めるのだが食べ方がかなりぎこちなかった。

その様子を見ていたユレイナが声を掛ける。大丈夫かと。

それに対してエリスは「はい」と元気よく返答する。

それを見てユレイナも安心するのである。

それとは別にリアリス王女がユレイナに話しかける。

「ユレイナ、あの子は貴女に任せるけど、くれぐれもよろしく頼むのよ」

「分かってるって」

「それと、今朝、連絡があったんだけど」

「何?」

「どうも、例の件で動きがあるみたいだから気を付けて」

「分かったわ」

「それと、エリスちゃんには言っておいた方が良いかもね」

「何の話?」

「今回の件で、私達の敵になるかもしれない連中が動いたみたいなの」

それを聞いてエリスは驚いた表情を浮かべたのである。

それを聞いたエリスは食事の手を止めて、リアリスに問いかけた。

それならば、早く知らせるべきだったのではと。

それを聞いたリアリスはエリスに説明する。

相手は、まだ確信がない段階なので、今は情報を集めているという事を。

それを聞いたエリスは不安そうな顔を浮かべていた。

それに気付いたリアリスはエリスに話を続ける。

相手が動けば、こちらも動くだけだと。

エリスはリアリスにお礼を言うと、再び、食べるのを再開するのだった。

それを確認したリアリスはエリスに微笑むと、自分もご飯を食べ始めるのでした。

一方その頃、ユレイナとミレイナの2人も会話をしていた。

ミレイナはユレイナに話しかけた。

お姉様は何故、あんなにエリスさんに優しいんですか?

と聞かれたのでユレイナは素直に答えた。

それは弟子であり妹分でもあるからだ。

それだけじゃ駄目なのかと尋ねるとミレイナは首を横に振るのでした。

ミレイナとしては、もっと厳しく接した方がいいと思うのです。

確かに、エリスさんはお姉様の弟子ですし、可愛い子です。

でも、そんな甘い態度を取っていると舐められてしまいます。

とミレイナが言うとユレイナは溜息をつく。

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