【~~最強のアンデッドと化した元英雄~~】 暗黒騎士《魔王》として女聖騎士(勇者)と対決・・・するはずが・・・? えっ! 悪堕ちっ!? (;´゜д゜`)❗❕

ノートリンデン防衛戦
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

シュメーゲン攻防戦 クロト視点

公開日時: 2021年3月27日(土) 19:06
更新日時: 2021年11月5日(金) 16:56
文字数:3,871

「像の一匹や百匹・・・大した事はねえぜっ!」


「パオ~~~~ンッ!?」


 巨大毛象ギガント・マンモスに似てるな。

 大象グランド・エレファントだったけか。

 どっちにしろ、昔の像みたいな奴はもっとデカかったんだよ。

 真っ黒い体をしやがって、しかも目が赤い。


 巨像を前に、怯むことなく立ち向かい、睨み返す、クロト。



「アンデッド化したんだな? 安心しろ、今引導を下してやる」


 巨大毛象ギガント・マンモスの時と同様、その鼻から切り落としてやる。

 鼻の太さは、一メートル。

 長さだけならば、八メートル。

 体長は、二十メートル程だな。

 走って、近付けば、近付くほど奴の巨大差が分かる。


 如何に巨大な体躯を誇る、魔物と言えど。

 元SS級冒険者であり、最強アンデッド化した、クロトの敵ではない。



「バオーーーーーー!!」


 うお・・・凄い迫力だ。

 でも、俺も同じアンデッドだ。

 そんくらいじゃあーーな。

 俺は、びびんねえんだよ。

 像さん、命《タマ》の取り合いと行こうかよ。


 素早く石畳の上を駆ける、クロトには一切の躊躇がない。



「パオッ!!」


「パオッ! じゃねぇ~~~~」


『ドドドドドドドド』


『ドドドドドドドド』


 うわ・・・俺に狙いを定めて、ウォーワゴンが撃ってきたか。

 だがな、そんなの俺は気にしねーー。

 当たんなきゃ良いんだからな

 像さん、今行くぜ。


 クロト&大像グランド・エレファント達の周りを走り回り、機銃をぶっぱなす装甲車部隊。

 二台の魔皇軍のピレンフィーラー2と同じく、二台の装甲車ロムフェルからなる車両だ。



「バオーーーー!?」


 長鼻を上に持ち上げて鞭のように来るか、それなら。


 クロトは、胴体真下に潜り込もうと一気に距離を詰めるべく、石畳を力強く蹴った。



『ドドドドドドドド』


『ブロロッ!』


『ドドドドドドドド』


『ブロロッ!』


 左右から来て、俺を引き殺す気か。

 ダンゴムシめ・・・。

 だが、そりゃ無理な話だぜ。

 何故なら俺の方が足が速いからな。


 ピレンフィーラー2は、クロトを狙って互いに体当たりをして彼を挟み潰さんと迫る。



「パオ~~~~~~~~!!」


 その上から来る鼻も俺は怖くない。

 左から上に・・・。


 左右から来る丸い鉄の塊も、上から来る大木のごとく長太い鼻も、クロトは怖がらない。



「パッパオッ!?」


 こうして、下から長刀オオタチで斬ってしまえば、どうと言うことはない。


 ん・・・。

 また来るか、来るなら来い。


 グランド・エレファントの斬られた長鼻は、三分の二までしか残っていない。

 残りは、クロトの背後にボトリと落下してしまったからだ。



「パオッパオーーーー!!」


「ふっ!?」


 ぶった斬られた鼻の残りで、まだ殺る気か。

 アンデッドだから痛みは無いってか。

 真っ赤な血を撒き散らして汚ぇぜ。


 ぐ・・・大太刀オオタチで何とか防いだが。


 重たい一撃を喰らったクロトだったが、それを寸での所で大太刀オオタチの腹で受け止めた。



『ブロロロロッ!!』


『ゴロゴロッ!!』


 まだ諦めてなかったか、このままじゃダンゴムシに潰される。

 だったら、前に進むのみだ。

 長刀オオタチで、ブヨブヨの腐肉を切り裂きつつ走れば。


 グランド・エレファントの腐りきり、爛れた皮膚はバターナイフがチーズを斬るようにと。

 クロトの走りながらの斬撃で、腐った肉体は簡単に刃に裂かれてゆく。



『キュキュッ! ガンッ!』


『キュキュッ! ゴンッ!』


 後ろで衝突したのは、ダンゴムシだろう。

 見なくても音で分かる。

 それより、俺は像の四肢を切り裂き、頭を狙ってからのジャンプだ。


 背後に響く、鋭い金属音をクロトは全く気にせず。正面の巨像を倒さんとする。



「おらっ!」


 右足、左足、後ろ右足、後ろ左足。

 全部を傷付けた。

 流石に、足の骨が太過ぎて切り裂く事はできなかったか。


 だが、動きは鈍らせた筈だ。


 今の連撃で、クロトは少しは体力を削ったはずと思ったが。



「そこまでだっ!!」


「お前が操っているのか?」


 この黒フード野郎が術者か。

 邪魔だ、死ね、死にやがれ。


 さっさと倒せば問題ない、そう考えたクロトは術者に先手を掛けた。



「ぐふっ!」


「お前と話す暇はねぇ~~~~!!」


 どこから現れたか知らんが、俺は遊んでいる暇はないんだ。

 じゃあな・・・胴を跳ねてやるから、刀の錆びになれ。


 大太刀オオタチの刃を振るって、腐肉と血飛沫を取らないと。

 そして、像さんの下から脱出だ。


 会心の一撃を術者に対して叩き込んだ、クロト。

 彼は、そのまま魔物像の後ろ下から脱して、一直線に走り続ける。



『ドンッ!!』


 よし、像さんを抜けて教会の前に来た。

 像さんも、猫が後ろに座り込むようにして倒れな。

 術者が死んで、奴も解放されたか。

 南無・・・いや、アーメンか。

 まあ、どっちにしろ成仏して天に昇れよ。


 ーー等と思ったのも束の間、クロトの後ろからは車両部隊が迫る。



『ゴロゴロッ!』


『ゴロゴロッ!』


『キュラキュラ』


『キュラキュラ』


 あーー囲まれたか。

 ダンゴムシ。

 何か車輪だらけのウォーワゴン。

 車輪のウォーワゴン。


 全部が、俺に銃を向けているな。

 まあ、良いさ。

 俺の剣は魔物の硬い鱗さえ切り裂くからな。

 やるだけやってやる。

 先ほどのピレンフィーラー2が二台。

 同じく、装甲車ロムフェルが二台。

 重戦車AV7が三台。


 と、クロトを包囲する戦車と装甲車の部隊。



『ドドドドドドドドドドドド』


『ドドドドドドドドドドドド』


 ドドって、五月蝿いな。

 これくらい。

 反復手動弩リピーター・ボウや連射弩ポリボロスの射撃を潜り抜けた俺にはーー。


 朝飯まえだってーーの。


 ヒュンヒュン赤色の口紅みたいなのが、飛んで来るが、俺にはカスリさえしない。


 追い掛けて見せろ。

 どうせ、俺の走りには追い付けないし、お前らの攻撃も当たらないがな。


 今の戦闘より激しい戦争を潜り抜けた猛者である、クロトには多数の銃撃は通用しない。



「一発も当たらないぞ、何やってるんだ、お前ら?」


 ふぅ~~。

 しかし、何時までも逃げ回る訳には行かないな。

 ここで、反撃に移るか。

 そろそろ、長刀オオタチで。


 ジグザグに、クルクルと、彼方此方《あちらこちら》に~~と逃げ回る、クロト。



「コレで、ウォーワゴンをぶった切って・・・やるっ!」


『パンッ!』


『ダダダダ』


 うわわ。

 凄い数の兵隊だ。


 何処から沸いてきやがったんだ。

 敵兵が・・・ゾロゾロゾロゾロ。

 なんちゅう数だよ。

 教会から、家から。

 うわ~~奥に隠れて居たのか。


 突如、現れた敵兵の大部隊に、クロトは驚く。



「そこまでだ、良くも私をコケにしてくれたな」


 あれれ、胴体を切ってやった筈だぜ。

 アンデッドだから、まだ動けますってか。

 下半身が切れてるからグロイなーー。

 両手を足代わりにして動くとは。


 さっきの術者が再び現れた。



「パオッ!」


 うわ、像さんも起き上がったか。

 やっぱ、ちゃんと頭を潰さなきゃダメだよな。


 更に、奴の背後で、グランド・エレファントも起き上がる。



(・・・こんだけの数を相手にするのはヤバいな・・・あちゃ~~囲まれちまった・・・)


 前には、リッチと像。

 左右には、ウォーワゴンと棺桶ウォーワゴン、ダンゴムシ。

 後ろの教会と建物からは、多数の兵隊。


 詰んだなーーと普通の人は考えるが俺は。

 真っ直ぐ、リッチに向か・・・あ。


 その時、遠くから。



『ドンッ! ドンッ! ドンッ!』


「ぐわーーーー!?」


「ぐあーーーー!?」


 魔法か。

 いや、この威力は凄いが。

 いったい誰が・・・。


 クロトは何処からか飛んできた、攻撃を不思議がる。



『ドンッ!!』


「ぐぎゃっ!?」


「パオ・・・」


 お・・・リッチも吹き飛んだな。

 像さんも、三度目の永眠だな。


 運良く、敵も攻撃が吹き飛ばしてくれた。



『ドンッ! ドンッ! ドンッ!』


 ウォーワゴンとか、ダンゴムシも吹き飛んだな。

 てか、俺も巻き込まれちまう、早く走らないと。


 遠くから来る攻撃は、石畳を叩き、土煙を巻き上げる。



「撤退、撤退だぁーーーー!?」


「うわぁ~~~~~~!!」


「逃げろーーーーーー!?」


 兵隊達が逃げていく。

 おい、待てや・・・町を荒らした落とし前を着けんかい。

 貴様ら全員、長刀オオタチの錆びじゃ、ボケ。


 内心ヤクザのように憤怒の炎を燃やす、クロトは敵を追撃しようとする。



「待ちなっ! 今までの乱暴狼藉は許さないわっ!!」


「お前達、覚悟しろっ! 我々が相手になってやるっ!」


 あ・・・誰だ、アイツらは。

 どっかで、見たような姿。

 どっかで、聞いたような声だ。



 女の方は。


 黒いマッシュウルフパーマ。

 ヘーゼルカラーの狼のような切れ長の瞳。

 丸い犬顔。


 忍者のような黒灰色の装束。

 長い銃。



 男の方は。


 鮮やかな金色のストレートヘア。

 プルシャンブルーの瞳と、キリッとした眉。

 細く整った顔立ち。

 

 黒灰色の魔術師のローブ。

 薙刀クーゼ、小型貝殻盾タールフォアバックラー。


 んん・・・・・・ん。

 よく見れば、あれは。

 暗黒騎士の二人組み。

 何で二人がここに。


 おそらく、奴らは前に見た暗黒騎士の中身か。

 だけど何か、何かが違う・・・武器だ。

 クーゼに、骸骨とかの装飾が無いぞ。


 クロトは、二人組みを良く観察する。



「成敗よっ!!」


『バンバンバンバンバンバン』


『ドンッドンッドンッドンッ』


「うぎゃっ!!」


 女忍者は、銃・・・を抜き取ったか。

 あの女暗黒騎士と同じ奴だ。


 クロトが目にする女忍者らしき女性は、短機関銃ヘルリーゲルを構えた。



「正義の鉄槌を喰らえっ!」


「ぐわわわわわっ!?」


 雷撃魔法を無詠唱で放ったか。

 威力はかなりの物だ。

 アレに、少しでも触れたら感電死は間違い無しだな。


 あの二人、兵隊を次々と倒している。

 俺もボケッとしていられない。

 早く追撃しなければ。


 大活躍する二人組、それを見て、クロトもヤル気を出す。



「行くぜーーーーーー!!」


 さあ、狩りの時間だ。


 クロトは、謎の人物達だけに活躍させまいと走り出した。

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