【~~最強のアンデッドと化した元英雄~~】 暗黒騎士《魔王》として女聖騎士(勇者)と対決・・・するはずが・・・? えっ! 悪堕ちっ!? (;´゜д゜`)❗❕

ノートリンデン防衛戦
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

丘の上まで一直線とは行かないな・・・

公開日時: 2020年9月15日(火) 19:24
更新日時: 2021年11月5日(金) 09:52
文字数:3,029

 クロトと対峙する、槍を構えた、一匹の戦士らしき、リザードマン。


 

「ガギキィッ!」


 リザードマンから、槍が繰り出された。

 

 だが、クロトには長い刀身を持つオオタチがある。

 それで、奴の穂先を叩いて、素早く軌道を剃らす。


 それで、隙の出来た、リザードマンの顔を目掛け。

 


「コイツを喰らえっ!」

 

 クロトは、片手剣カッツバルゲルの刃を突き立てた。



「ガギ? ガァ・・・」


(・・・これで終わりだ? いや次の奴が来たか・・・)


 白眼を向いて、前のめりに倒れる、リザードマン。



「グギッ!」


 オークの槍が横から来たが、片手剣カッツバルゲルの刃で、クロトはそれを受け止める。

 次いで、右手のオオタチで、奴の首を跳ねてやった。


  と、思ったのも束の間。



「面倒な奴等だぜっ!」


 鎧を着たハイオークが、上段から戦斧バルディッシュを力強く振るう。


 クロトは、大太刀オオタチの刃でそれを受け止め。

 片手剣カッツバルゲルの両刃を、奴の鎧の隙間に突き刺す。



「ガアァッ!?」


「死ね・・・お前だけに構ってはいられないんだ・・・」


 クロトは、深々と突き刺した、片手剣カッツバルゲルを抜き取ると同時。

 右手の長刀オオタチを力強く、ハイオークの顔を目掛けて振るう。


 奴の首筋は見事に切り裂かれ、噴水の如く、血飛沫が飛び出る。



「退けよっ!」


 クロトはくたばった奴を蹴り倒し、その背後に立つ巨漢を見上げる。

 

 それは、こちらを見下ろしながら睨む、トロールだ。

 丸太を削って作った棍棒を振り下ろさんと、奴は己の両手を頭上に掲げる。



(・・・本来なら対大型魔物用のツヴァイヘンダーに持ち変えたいところだが・・・)


 トロールが棍棒を上げた瞬間は無防備だ。

 そこを背中から狙えば、勝てる。


 そう考えた、クロトは瞬時に大太刀オオタチで縦に上から下に切り裂く。



「グアアアアァァッ!」


(・・・凄まじい咆哮だな? そんなに痛いのか? だがっ!! まだまだ行かせて貰うぜ・・・)


 トロールに追い討ちを仕掛けるべく、クロトは次なる技を繰り出す。



「喰らえっ!」


(・・・風速斬・・・)


 クロトは、大太刀オオタチ&片手剣カッツバルゲルを交互に力強く振るう。

 それで、目の前に立つ巨大怪物トロールの背中に回り込む。

 次いで、二つの剣を振るい、滅茶苦茶に切り刻む。


 右手に握る、大太刀オオタチ。

 左手に握る、片手剣カッツバルゲル。

 

 竜巻のように回転し続ける、クロトの連続斬撃は肉を削ぎまくる。

 

 一旦、その攻撃を止めると。

 今度は、柱のように太い右足を狙って、オオタチで切り裂く。



「ガァァアァッ!?」


(・・・地面に倒れたか? 悪いがこれも仕事なんでな・・・後は放って置いても誰かが止めを刺すだろう・・・)


 おっと、また後ろから新手が来たか。


 と思い、クロトは背後に振り向く。



『ドンッ! ドンッ!』


「ロック・ゴーレムか、足音の五月蝿い奴だ」


 こいつは流石に持ち変えないと不味いな。

 オオタチ、カッツバルゲルの血糊を払って。

 と、クロトは考え、大岩人形ロック・ゴーレムに向き直る。



「お前も足だけ斬らせて貰う」


 先ずは右側から、次は左側を。

 大剣ツヴァイヘンダーの刃で。

 

 と、クロトは攻撃に移る。



『ドスンッ!!!!』


「ケホッ! ケホッ! 凄い土煙りだぜ」


 よし、地面に倒れたな。

 コイツ等は、他の連中に任せて、俺は丘へダッシュだ。

 

 そう考える、クロトは倒れたロック・ゴーレムを放置して、また突っ走る。


 次に、彼は後ろに気を配り、後方を確認する。

 

 

(・・・ゴーレム型や巨人系の敵が目立つな? しかし魔法使いの支援攻撃は激しいし? 冒険者や傭兵も善戦しているようだ・・・)


 まだまだ、大型の敵は居るが、魔法使い達の支援が効いているようだ。

 

 見れば、爆発や氷塊が奴等を足止めしてくれている。

 更に、重戦士の打撃武器での攻撃も有効なようだ。



「だったら、俺は・・・一人、丘へ突っ切るぜっ!」


 クロトは、またも一人だけで突っ走る。


 

『ドサッ!』

 

「うわっ!」

 

 急に現れた新たな敵、クラゲ・キノコ。


 名前の通り、海を漂うクラゲのように宙を舞う、薄茶色いキノコだ。

 傘の周りから脚のように複数の触手を垂らして進む姿は、とても不気味である。

 

 しかし、それでもクロトは大太刀オオタチの切っ先を向け、一気に突っ込む。


 

「くたばれっ! キノコだか、クラゲだか分からん魔物野郎っ!!」


「・・・?」

 

 いきなり、突撃してきたクロトの行動に、クラゲ・キノコは対応できなかった。

 

 クロトが上段から振るった、大太刀オオタチの一撃により、キノコ・クラゲの傘は潰れる。

 そして、そのまま斬られてしまい、奴は真っ二つにされてしまった。


 

「胞子に、毒とかは無いようだな?」


 クラゲ・キノコを倒した、クロト。

 

 キノコ型モンスター。

 カビ型モンスター。

 

 これ等には、毒の胞子をバラ撒くようなタイプも存在する。

 だから、クロトは倒した時に、クラゲ・キノコが毒胞子を噴出すると判断していた。

 

 なので、毒胞子・対策に風を纏うように、彼は大太刀オオタチを振り下ろしたのだが。

 その一撃を受けた、クラゲ・キノコは予想より弱く、アッサリと倒されてしまった。


 しかも、毒胞子を噴出せずにだ。

 

 こうして、戦いを終えたクロトは次なる敵を探して走る。

 

 

「クェェェェッ!」


「はっ! グリーンドラゴンか?」


 突然、クロトの上空から急降下による奇襲攻撃を仕掛けてきた、グリーンドラゴン。

 

 

(・・・空から厄介な敵が来たか? ならばば・・・このまま追われて逃げる振りをしながら・・・)

 

 そう思う、クロトはひたすら走り。



「キュエエエェェェェッ!?」


「やったか?」


(・・・急降下してきたのが仇になったな・・・どうだった? 俺のツヴァイヘンダーの一撃を顔に直撃させられた感想は? ・・・悪いが? お前にも構っていられないんだよっ! 俺はまた前を向いて行くのみだ・・・)


 不意打ちを仕掛けた、クロトの策は成功し、グリーンドラゴンを一撃で仕留めた。



「大分、戦場から離れたな? 第三波が見えるな・・・あれで最後だと良いが・・・」


 丘の麓まで来たが、凄い数だな。

 まるで、魔王軍が進軍するようだ。

 

 そう、クロトには思えた。


 大群の数は凄まじく、丘の向こう側から続々と、様々な魔物がやって来る。


 アンデッド。

 ビースト。

 インセクト。

 デミ・ヒューマン。

 バード。

 

 さっきよりも、どうやら魔物の数と種類は増えているようだ。

 


「たくっ! 何なんだよ、この数はっ!」


 愚痴を溢すが、クロトは何時までもボーーと立ってはいられない。

 


(・・・ツヴァイヘンダーで皆殺しにしなければっ! 丘を越えてきたばかりで悪いが、早速お前等は死んでくれ・・・)


 クロトは、そう思って駆け出す。



「うおおぉぉぉぉっ!!」


 クロトは真っ直ぐ丘へと掛ける。

 行くてには、蟻人間が立ちはだかる。

 その胴を横から絶ちきり、次へと向かう。


 次の獲物は、ホブゴブリンだ。

 剣を振るうまでもない。

 奴は、足で腹を蹴りあげれば良い。



「あ?」


 周りを囲まれ始めた、クロト。

 これは厄介な状況だ。


 黒い甲虫剣士。

 紫色のポイズン・スライム。

 赤茶色のキラータイガー。

 灰色のミニ・ストーン・ゴーレム。

 水色のナイフ・バード。

 黄色の暴れ毛長猿。



「包囲したからって・・・」

 

 しかし、このくらい。

 

 クロトが、大剣ツヴァイヘンダーを、時計回りに振るえば一撃で終わる。



「良い気になるなよ・・・」


「グギャアアアアッ!!」


「ギャアアーーーー!?」


 そして、弱い敵を確実に仕留められる。



(・・・よし? 殲滅だ・・・)


 今の勝負は勝ったが、まだクロトを目指して、沢山の魔物による軍勢がやって来る。

 

 故に、彼は休む間もなく、魔物達を相手にした戦闘を繰り広げるのであった。

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