【~~最強のアンデッドと化した元英雄~~】 暗黒騎士《魔王》として女聖騎士(勇者)と対決・・・するはずが・・・? えっ! 悪堕ちっ!? (;´゜д゜`)❗❕

ノートリンデン防衛戦
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

シュメーゲン攻防戦 ポリーヌ視点

公開日時: 2021年3月27日(土) 19:45
更新日時: 2021年11月5日(金) 16:58
文字数:3,673

(・・・右の建物に入ったが・・・)


「像の一匹や百匹・・・大した事はねえぜっ!」


「パオ~~~~ンッ!?」


 窓影からクロトを見れば。

 叫び声が聞こえる。

 大象グランド・エレファントに挑む気ね。


 ポリーヌは窓から、クロトVSギガント・エレファントの戦いを見守る。



『ドドドドドドドドドドドド』


 うわ~~激しい。

 装甲車ロムフェル、重戦車AV7の機銃による制圧射撃だ。

 これじゃあ、下手に近づけないわ。

 対戦車用の武器が無い訳だし。

 バッタ型・爆弾投射弩ソートレルも、対戦車用の手榴弾もね。


 敵の装甲戦力を前に、ポリーヌ達は対抗する術も武器もない。

 窓辺に当たる多数の機銃弾を、彼女は頭を下げて壁裏で耐える。



(・・・クロトの方は・・・)


 私達に気が向いているからか、今の所、クロトに機銃の銃口は向いていない。


 冷静に、ポリーヌは敵を観察する。



『バチュッ! パシゥッ!』


 危ないわ。

 私達も、身を隠さなければ。


 時おり、反撃しつつクロトから気を剃らすのは良いけど。

 やっぱり自分の事も大事よね。


 機銃弾による銃撃が止んだ隙を見て、ポリーヌは広場を眺める。

 しかし、何時までも顔を出す訳にもいかず、彼女は直ぐに首を引っ込めた。



(・・・おっ? やるのね・・・)


 クロトが、走って近付くわね。

 当然だけど、体格差は凄いあるわね。


 が、それでもクロトの事が気になる、ポリーヌは再び窓陰から外を見た。



「バオーーーーーー!!」


 ここまで、大象グランド・エレファントの咆哮が響いた。

 声だけでも、中々の迫力だわ。

 

 クロトはーー多少止まったから、ビビったようね。

 でも、突撃していくわ。

 大丈夫かしら。


 クロトVSグランド・エレファントの戦いを、怪獣映画の如く見ている、ポリーヌ。



「パオッ!!」


「パオッ! じゃねぇ~~~~」


『ドドドドドドドド』


『ドドドドドドドド』


 あれ・・・戦車隊の攻撃がクロトに向いた。

 私達の反撃が足りなかったかしら。


 そう言えばーー。

 私は戦いに注視し過ぎたのと。

 制圧射撃に負けて一発も弾を撃ってなかったわ。

 急いで、反撃しなきゃ。


 ポリーヌも、魔導連発小銃マジック・ルベルを構えて、立ち上がろうとするが。



「バオーーーー!?」


 今度は鼻を持ち上げた。

 クロトを潰す気。


 高々と太い鼻を掲げた、グランド・エレファントを見て焦る、ポリーヌ。



『ドドドドドドドド』


『ブロロッ!』


『ドドドドドドドド』


『ブロロッ!』


 左右からは、団子虫型戦車ピレンフィーラーが。

 クロト、潰されるわよ。


 ポリーヌは、またも来る敵を見て、クロトを心配する。



「パオ~~~~~~~~!!」


 しかも、上から鼻も振り下ろされるし。


 遂に、長い鼻がクロトを潰さんと迫る。



「パッパオッ!?」


 下から刀で鼻を斬った。

 でも、また来るわ、アンデッドだから痛みを感じないのね。


 安堵する、ポリーヌ。



「パオッパオーーーー!!」


 残りの鼻で、まだ血を振り撒きながら戦う。

 無理矢理に戦わされているのね。

 クロトは、大象グランド・エレファントの攻撃を、また下から防いだわ。

 ねぇ、お願い、早く仕留めて上げて。


 アンデッド化した、グランド・エレファントを哀れに思う、ポリーヌ。



『ブロロロロッ!!』


『ゴロゴロッ!!』


 再び、団子虫型戦車ピレンフィーラーが来たわ。

 クロト、今度こそ潰されるわよ。

 あれ・・・オオタチで肉を切りながら走った。


 左右から迫る、敵戦車にポリーヌはクロトの身を案じる。



『キュキュッ! ガンッ!』


『キュキュッ! ゴンッ!』


 団子虫型戦車ピレンフィーラーは正面から、互いにぶつかった。

 クロトは、巨象グランド・エレファントの四肢を切り裂きつつ走っているわ。


 右、左、後ろ右、後ろ左。


 凄い、これなら・・・。



 あれ、敵の指揮官だわ。

 ここからじゃ、よく見えないけど、奴はきっとそうね。


 クロトによる鬼神の如き戦いっぷりに驚く、ポリーヌ。



「ぐふっ!」


「お前と話す暇はねぇ~~~~」


(・・・え? 凄いっ!? クロトの動きは正に鬼神の如しだ・・・あっと言う間に巨象グランド・エレファントと指揮官を倒した・・・)


 隠れて見ていたが、凄い動きだったわ。

 さっきから、私とエリック達は制圧射撃を避けて、建物の中を進んでいた。

 それだけしか出来なかったのに、彼はあの活躍ぶりだ。


 戦車隊は、私達に機銃を向けていたが、今はクロトに銃口を向けている。

 敵の装甲車ロムフェルも、重戦車AV7もだ。


 窓から外を伺うが、彼は戦車隊の銃撃を走りながら華麗に交わす。

 次々と放たれる銃弾をまるで気にしていない。


 単騎で、敵に正々堂々と戦いを挑み、あっという間にボス敵を撃破した、クロト。

 ポリーヌは彼の活躍ぶりに驚きつつ、建物内を進む。



『ドンッ!!』


「しまっ!?」


 敵か・・・後方から来るとは。

 覚悟を決めねば。

 壁を壊して来た連中を、拳銃ルビーで。


 後ろから鳴った破壊音、それに反応する、ポリーヌ。



「ポリーヌ隊長、ここに居ましたか」


「テルセロ軍曹? それに貴方の隊ね?」


 機械鎧アイアン・ゴーレムの後ろから、テルセロ軍曹がヒョッコリ出てきた。

 


「丁度良かったわ、機械鎧アイアン・ゴーレムでクロトを援護して上げ・・・」


「あっ!? それはまった方が良いですよ」


 何を言ってるの、ん・・・。


 テルセロ軍曹の声に、ポリーヌは広場に目を向ける。



「教会から敵兵が・・・周囲の建物からもっ!」


 これでは、クロトが囲まれてしまう。



「何とか救出できんのか」


「無理でしょう、彼は戦車隊と歩兵に囲まれています」


「今行けば、我々も蜂の巣にされちゃいますよ」


 テルセロ軍曹とエリック達は冷静に言うが、私はそうはいかん。


 が、二人の言う通りだ。

 今出ていけば、確実に撃たれ死ぬだけだ。

 う~~どうしよう。


 悩む、ポリーヌ。



「コレで、ウォーワゴンをぶった切って・・・やるっ!」


『パンッ!』


『ダダダダ』


 あ、やっとクロトも気付いた。

 多数のゾンビ兵に囲まれたけど、いったいどうする積もりなの。


 包囲される、クロトを見たポリーヌは頭に?マークを浮かべる。



「そこまでだ、良くも私をコケにしてくれたな」


 あれは・・・。

 さっき、胴体を切られた敵の指揮官だわ。

 下半身が切れ、臓物が垂れているのに。

 まだ動いているわ。


 両手を足のように使うとは。

 う~~何回見ても、ああ成ったアンデッドの姿はキツいわね。


 敵の指揮官である、グロテスクなアンデッドの登場に、ポリーヌは嫌悪の表情を浮かべた。



「パオッ!」


 あ・・・像さんも起き上がったわ。

 頭がまだ無事なのね。

 早く仕留めないと。


 リッチの操作する像型のアンデッド化した魔物。

 装甲車ロムフェル。

 団子虫型戦車ピレンフィーラー。

 重戦車AV7。


 クロトの後ろの教会を含む建物からは、多数のゾンビ兵士が、ズラリ。


 クロト、降伏するしか無いわよ。

 クッ・・・捕虜《アンデッド》に成るくらいなら、いっそ私がーー。


 等と、ポリーヌは思うが。



(・・・あれ? ・・・)


『ドンッ! ドンッ! ドンッ!』


「ぐわーーーー!?」


「ぐあーーーー!?」


 その時、着弾音が広場に轟いた。



( ・・・砲撃? 何処から・・・)


『ドンッ!!』


「ぐぎゃっ!?」


「パオ・・・」


 敵の指揮官も、砲撃で消えた。

 大象グランド・エレファントも眠りに着いたわ。


 ポリーヌは砲声が響く中、窓から外を眺める。



『ドンッ! ドンッ! ドンッ!』


 装甲車も、団子虫型戦車ピレンフィーラーも、吹き飛んだわ。

 クロト、早く逃げないと巻き込まれちゃうわよ。


 ポリーヌは、外に居るクロトを心配する。



「撤退、撤退だぁーーーー!?」


「うわぁ~~~~~~!!」


「逃げろーーーーーー!?」


 ゾンビ兵達が総崩れに成って撤退していく。

 逃がしはしない・・・って、格好をつけたいけど無理ね。

 私達だけじゃ、逆に追われちゃうもん。


 砲撃から逃れようと、アタフタする敵をポリーヌは観察する。



「待ちなっ! 今までの乱暴狼藉は許さないわっ!!」


「お前達、覚悟しろっ! 我々が相手になってやるっ!」


 え・・・誰かしら、男女の二人組だわ。


 女性の方は。


 黒いマッシュウルフパーマ。

 ヘーゼルカラーの狼のような切れ長の瞳。

 丸い犬顔。


 忍者のような黒灰色の装束だわ。

 

 武器は、魔皇軍の短機関銃ヘルリーゲルだ。

 


 男性の方は。


 鮮やかな金色のストレートヘア。

 プルシャンブルーの瞳と、キリッとした眉。

 細く整った顔立ち。

 

 黒灰色の魔術師のローブ。

 薙刀クーゼ、小型貝殻盾タールフォアバックラー。


 彼の薙刀クーゼも、骸骨とかの装飾が無い。


 何処かで見た装備って言うか、暗黒騎士だわ。

 でも、色とか形状フォルムも違うし。


 ポリーヌは、二人を注意深く見る。



「成敗よっ!!」


『バンバンバンバンバンバン』


『ドンッドンッドンッドンッ』


「うぎゃっ!!」


 短機関銃ヘルリーゲルを、女性の方が撃った。



「正義の鉄槌を喰らえっ!」


「ぐわわわわわっ!?」


 男性の方も、薙刀クーゼから雷撃魔法を無詠唱で放ったわ。

 その威力は凄い・・・次々とゾンビ兵が黒焦げに成っていく。


 二人のお陰で、ゾンビ兵達が段々と数を減らしているを次々と倒している。

 私達もグズグズしている訳には行かない。

 今すぐ突撃しなければ。


 ポリーヌも窓から飛び出てゆく。



「行くぜーーーーーー!!」


 クロトが叫ぶ。

 私達も今行くからね。


 走る、クロトを目掛けて、ポリーヌは駆け出して行った。

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