【~~最強のアンデッドと化した元英雄~~】 暗黒騎士《魔王》として女聖騎士(勇者)と対決・・・するはずが・・・? えっ! 悪堕ちっ!? (;´゜д゜`)❗❕

ノートリンデン防衛戦
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

暗黒騎士2と暗黒騎士3が助けに来た

公開日時: 2021年3月27日(土) 10:43
更新日時: 2021年11月5日(金) 12:48
文字数:4,060

「やはり、貴様はっ!」


「いやっ! あんな奴は知らねえっ!!」


 女僧侶が俺を睨んでくるが、俺はあんな奴等は知らねぇ~~。


 つうか誰だよ、あの二人は・・・。


 等と、新たに現れた暗黒騎士たちを見た、クロトは思う。


 右の女の方は、全体的に丸みを帯びた黒と蒼色の鎧だ。

 デザインは、狼の毛並みのように線がたくさん入っているな。


 狼のような耳と口と鬣《たてがみ》の骸骨型兜サヴォイヤード・ヘルム。

 額には、一本の蒼白い一角獣の角が生える。

 閉じた顎からは、鋭い犬歯が見える。


 ほっそりとした括れのある胴。

 丸い肩部に、下側のみ丸みを帯びた小さな袖。

 腰には、同じミニ・スカート状の青い佩楯《はいだて》を備える。


 俺のと同じような鎧だ。


 武器は。

 左に、黒作大刀クロヅクリノタチの鞘を。

 右には、忍刀シノビガタナか。

 後、まだ何かあるな。

 


 左の奴は。


 全体的に、背が高くガタイは良いし、鎧のデザインは骨のようだ。


 色は黒と紫色か・・・。


 デーモンの怒り顔をした骸骨型兜サヴォイヤード・ヘルム。

 額の左右には、山羊の巻き角が生え。

 開かれた口元からは、長い犬歯が見える。


 丸みを帯びた長い胴。

 丸い肩部。

 同じく、丸い佩楯《はいだて》。


 武器は。

 背中に、刃先の柄が紫色の骨のようなデザインの薙刀クーゼか。


 刃の後ろには頭蓋骨が・・・悪趣味なデザインだな。

 左腕には、紫色の小型貝殻盾タールフォファーバックラーを着けているぞ。


 暗黒騎士たちを見た、クロト。

 彼は、二人とも中々強そうだなと思う。

 


「おっと、ソイツを傷付けようなら容赦はしないよっ!」


「我々の攻撃を喰らいたくは無いだろう? さあ、早くその男を放せっ!!」


 女の方が、何か抜いた。

 刀じゃないな・・・ありゃ何だ。

 筒型の銃か。


 男の方は、両手で薙刀クーゼを豪快に振るった。


 

 短機関銃ヘルリーゲルを向ける、女の暗黒騎士。

 クーゼを力強く振るう、男の暗黒騎士。


 この二人を、クロトは睨む。

 


「待ってくれ、この男は渡す、だから町中での戦闘は避けたいっ!」


「良いだろう、ソイツだけ置いて町から東へと立ち去れっ!」


 アイツ等、もしかして、俺のアンデッド特有の匂いか雰囲気を辿って来たのか。


 って、言うか・・・隊長さんよ、俺を引き渡すな。

 俺は確かにアンデッドだが。

 暗黒騎士《やつら》の仲間じゃないんだよ。

 あっちの女の暗黒騎士も黙れよ・・・。


 おっと、奴は銃を抜いたか。

 フォルムは、骨のデザインだ。


 男の暗黒騎士は、クーゼを向けてきたかーー。

 何かの魔法を一発射つ気だなぁ。


 二人だけか、立った二人だけとは・・・。

 この暗黒騎士の二人組は中々の実力者だな。

 魔皇軍とか、暗黒騎士とか言ったな。


 こいつ等がそうか。

 中身の人げ・・・いやいや、アンデッドは精鋭だろうな。


 女の暗黒騎士は、要求を受け入れたが、俺は行かんぞ。


 どうあってもだ。


 この騎士団の連中もそうだが。

 訳の分からん暗黒騎士とかとも一緒に行く気はない。


 このように、クロトは得体の知れない暗黒騎士たちに着いていく気はなかった。



「勝手な事をっ! 俺は、お前ら何て知らないぜっ!!」


 知らねーー連中と行けるかい。


 お前らは怪しさ満点だからな。

 誰が、一緒に行くかよ。

 俺を連れて行きたいのなら、まず正体を晒せ、正体をな。


 と考える、クロト。



「なっ! 可笑しいな? 私の鼻が匂いを間違える筈はないんだけど・・・」


「おい、奴は確かに仲間なのか? 間違えたんじゃないだろうな」


 女の暗黒騎士が不思議な顔をするがな・・・。

 アンデッドで、暗黒騎士なのは正解だ。


 しかし、仲間じゃあねぇ~~。

 男の暗黒騎士も、疑い始めているな。


 間違いじゃあなんだが。

 俺は今、はいアンデッド仲間ですなんて言えないんだよ。


 そこんとこ、理解してくれな。


 なんて考える、クロト。


「おい、もう良いか? 俺は遠い田舎から来たんだ・・・魔王軍だか、魔皇軍だか知らんが妙な事に巻き込まんでくれ」


 何度も頭の中で考えるが、確かに俺はアンデッドだ。

 だが、魔皇軍でも暗黒騎士でもない。

 だから、コイツらに助けて貰う義理はない。

 まぁ折角だし、この状況は利用させて貰おうかな。


 そうクロトは考えていると。



「はぁ~~? じゃ何で? あんたから私等と同じ匂いがするのよっ!」


「お前からは死人独特の匂いがすると、彼女は言ってたぞ、だからこの町に我々は来たんだ」


「知らん・・・アレかな、アンデッドを倒しまくったから、匂いが染み付いたんじゃないか?」


 女の暗黒騎士は俺を責め、男の暗黒騎士の方も俺を問う。


 ここは上手く誤魔化そう。

 この言い訳なら、騎士団も暗黒騎士とやらも納得するだろう。


 そう、クロトは考えたが。



「ななっ! 私達の同族を・・・許さないわっ! これでも喰らえっ!」


「こうなったら、撤退だっ! 雷撃で動けなくしてやるっ!!」


 女の暗黒騎士は、丸い玉を三個投げやがった。

 男の暗黒騎士は、勢いよくクーゼを振るったぞ。


 その瞬間。



「あっ! 避けな? きゃっ!?」


「危ないっ! 邪魔だっ!!」


『ドォンッ! ドンッ!!』


「ぐわぁっ!!」


「うわぁっ!!」


 左の屋根から投げられた、二個の丸い玉は周囲で爆発したか。

 その内、一つは女騎士の顔に直撃しそうに・・・。

 アレは不味い、助けてやらなきゃ。

 両腕を縛る縄と騎士達ごと、引っ張ってやるぜ。


 クロトは即座に動いた。



「ああっ!?」


「おらっ!」


 女騎士の前で、ヘッドシュートを決めてやった。

 これで、あの爆弾は空中で爆発するな。


 クロトは、ポリーヌの窮地を救ったが。



『ドンッ!!!!』


「ケホッ! ケホッケホッ!」


 予想通り、爆弾は空中で爆発四散した。

 ・・・のは良いが、これは煙玉だな。


 クロト以外の周りに居る騎士達は、煙で苦しそうに咳をする。



「ケホッケホッ! ケホッ!!」


「ゴホッ! ゴホッ!!」


 見れば、周囲の騎士達も煙を吸い込んだらしいな。

 苦しげに咳き込んでいるのが、聞こえてくるぜ。

 視界も、灰色の煙で悪くなったな。

 俺だけは、アンデッドだから平気なんだがな・・・。


 周りを観察する、クロト。



「やるな、だがこれはどうだ?」


 俺の活躍振りを見ていた男の暗黒騎士。


 奴は、クーゼから強力な紫電《しでん》の雷撃を放つ。

 ・・・ように、奴のシルエットだけが見えた。



「ぎゃあぁぁぁーー!」


 紫色の雷撃が、ポリーヌを直撃した。

 雷撃の痛みに耐えられないのか。

 側に居た、女騎士も悲鳴を上げて倒れちまった。


 平気なのは、俺だけか・・・。


 と、アンデッドたる、クロトだけが平気な顔をしていた。



「よし、もう良いわね? 撤退だわっ!」


「さて、逃げるとしようかっ!!」


 女の暗黒騎士がトンズラこくと、男の暗黒騎士も何処かに消えていった。



(・・・俺もとっととズラかろう・・・)


 騎士団員が、もがいている隙に~~と。


 逃げようとした、クロトだったが。



「うぅ・・・」


「あらっ! あっ! ってとっ?」


 しまった・・・倒れた女騎士に足を取られて俺まで倒れちまった。


 どうしよう。

 しかも、顔が近い。


 良い匂いがするが、目を覚ます前に体を起こさなーー。


 クロトは動こうとしたが、遅かった。



「うぅ・・・ん?」


「やばっ!」


 彼女が起きてしまったからだ。



「ん?」


 んって、何だよ。

 不味い、女騎士の顔が近すぎる。


 これは気まずいな。


 と思う、クロトだが。



「ちょっ! 近い、近いってのっ!?」


「ぐわっ!?」


 な、何だよ、う~~。

 気まずいからって、押し倒すな。


 ポリーヌから弾き飛ばされた、クロト。



「おい、いきなり押すのはよせ?」


「ご免なさい、せっかく助けてくれたのに」


 全く、勘弁してくれ、女騎士さんよ。

 煙玉から身を守ってやったのに・・・。


 と思う、クロト。



「本当に申し訳ない」


 いや、そこまで深く頭を下げんでもいいから。


 と、ポリーヌに思う、クロト。



「あ? 別に謝らなくていい」


 もしかして、煙玉の事を言っているのか。


 別に気にする必要はない。

 顔を真っ赤に染めているが、まさか・・・惚れたか。


 って、そんな訳無いよな。


 まさかと思う、クロト。



「そんな訳にはいかないわ・・・どうやら、貴方はアンデッドじゃないようだし、此方の誤解で拘束した訳だし・・・」

 

「いいさ、トラブルは何時もの事だしな、それより早く拘束を外してくれ」


 やっと信じてくれたか。

 これで、縄を解いて貰える。


 拘束が終わると思う、クロトだったのだが。



「成りませんっ! 成りませんよ、隊長っ!」


「隊長、彼の素性はまだ明らかになってはいないんです」


「しかし、彼は私を助けてくれたんだぞっ!」


 女僧侶よ、まだ俺は信用ないか。

 若い騎士、お前も俺を信用しないのか。


 まあ、そうだわな。

 お前等、そう言う仕事だもんな。


 やっと解放されると期待した、クロト。

 だが、その希望は二人の騎士から向けられた際国より、見事に砕かれた。



「それは俺も見てました、だからと言って、暗黒騎士と同じ武器を所持している理由は謎だし、直ちに解放するのもな・・・」


「イーサン、お前もか?」


 大柄な騎士よ、確かにお前の言う通りだぜ。

 何せ、俺と暗黒騎士は同一人物だからな。

 まあ、お前ら騎士団が確たる証拠を掴める筈はないがな。

 同じなのは顔と武器だけ、身体検査を受けたら流石にヤバイが。

 後、荷物の中身である黒玉化させた、黒甲冑《アーマー》もな。



「隊長さん、仕方ないさっ! って言うか、そんなに似ているのか? その暗黒騎士とやらに?」


「顔と背格好はそっくりだ、それに武器もな?」


 はぁ~~コイツらしつこいな。

 武器だけは誤魔化せないよな。


 って言うか。

 マントの下に黒玉にした鎧は隠したままだし。

 どう誤魔化すかな。

 見つかったら、ヤバイしな。


 黒玉にした鎧だが、騎士達《やつら》なら黒鎧だと分かるかも知れん。

 そうなったら、俺は処刑されるのは必須だ、ヤバイなーー。


 と、クロトは思う。

 


「う~~ぅん、皆の意見は分かったわ・・・やはり、彼には着いて来て貰いましょう」


(・・・うわぁーーマジかよ? 解放するって言ったのに・・・)


 これは不味い展開だな。

 助けないで早く逃げ出せば良かったぜ。


 そう思う、クロトだが後悔しても遅い。



「ただし、任意同行者としてね?」


 任意同行者だと。

 連行するんじゃないのか?。

 いったい、どう言う積もりだ、隊長さんよ・・・。


 ポリーヌの意図が分からないクロトは困惑するだけだった。

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