【~~最強のアンデッドと化した元英雄~~】 暗黒騎士《魔王》として女聖騎士(勇者)と対決・・・するはずが・・・? えっ! 悪堕ちっ!? (;´゜д゜`)❗❕

ノートリンデン防衛戦
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

二人組の冒険者 あの二人は何者かしら? ポリーヌ視点

公開日時: 2021年3月27日(土) 19:45
更新日時: 2021年11月5日(金) 17:16
文字数:3,204

 よし、今すぐクロトを助けに行こう。


 とした、ポリーヌだったが。



『バンバンッ! バンバンバンバンッ!』


『ガラララッ!』


 激しい銃撃と雷撃だわ。

 あの二人は誰だろう。

 いけない、今は考えるより外に出なければ。

 窓から出て。


 と、ポリーヌは建物から一気に飛び出る。



「突撃だっ! エリック、テルセロ、着いてこいっ!!」


 クロトや二人だけに任せる訳には行かない。

 奴等を追い掛けなければ。


 素早く、拳銃ルビーを抜き取り、二丁拳銃スタイルで走る、ポリーヌ。



「あっ! 隊長っ!!」


「ペペ、援護を頼む」


「合点承知の助っ!」


 エリック、テルセロ軍曹の声が聞こえたわ。

 最後のは、機械鎧アイアン・ゴーレムの操縦者の声だろう。


 背後から走って来る、味方の声を聞いて、ポリーヌは更に走る速度を上げる。



「貴様ら、アンデッドは一人も逃がさんっ!」


『ドンッ! ドンッ! ドンッ!』


 走りながら、二丁拳銃で殲滅してやる。


 滅茶苦茶に乱射する、ポリーヌの攻撃だが、逃げる魔皇軍に対しては有効だった。

 何故なら、弾が当たらずとも逃げる連中に圧力と混乱を与えたからだ。



「突撃ーーーーーー!?」


「うおおおおぉぉーーーーーー!?」


 誰だ、ルキヤン・・・それと、パトリスとイーサン達か。


 三人も走りながら、射撃している。

 ルータの小型装甲車フォードFTーBも見えるな。


 後、左側からは彼等以外にも・・・。

 鉄帽アドリアン・ヘルメット、コート型の軍服。

 あの大勢の空鼠色の兵士達は、援軍ね。


 彼等は、短機関銃ウィンチュスターSFを射ちながら。

 或いは、小銃ベルティエの端に銃剣を付けて突撃している。


 彼等の後ろには、灰色と鼠色の機甲部隊が続く。


 三台の半円形の玉を、二つ左右に載っけた、豆戦車ルノーUE。


 この三台は、キャタピラの着いた荷台を引いている。

 そして、荷台の中では、飛蝗型投射弩ソートレルを射つ兵士と、爆弾を装填する兵士が居る。


 砲撃は彼等が行ったんだわ。

 

 四角い白鼠色と灰色の迷彩塗装された、車体。

 船の舳先《へさき》のように角張った、正面装甲。

 75ミリ榴弾砲を右側に、一門

 重機関銃オチキスを左右に、二丁。

 

 これ等を装備した、中戦車シュナイダー。


 小さな車体。

 お饅頭《まんじゅう》型の砲塔。


 小型半自動砲ピュトー SAを備えた、軽戦車ルノーFT。


 と、ポリーヌの目には味方の増援として現れた、聖光騎士団の歩兵部隊と機甲部隊が映る。



「ポリーヌ隊長、我々は町の左側から侵入しましたが、味方の別動隊と合流したので、砲撃で援護を要請しましたっ!」


「分かった、ルキヤン、このまま奴等を追撃するぞっ!」


 機甲部隊は、別の町から援軍に来ていたのね。

 助かったわ。


 背後から近づいてきた、ルキヤンの報告を聞いた、ポリーヌ。

 その報せを聞いて、大勢の味方と共に彼女は敵を殲滅せんと突撃し続ける。



「おらよっ! そらっ! 喰らえっ!」


 近くに行くと、クロトの声が聞こえてくるわ。

 彼は容赦なく、ゾンビ兵に斬りかかる。

 長い刀でゾンビ兵の首を跳ね、他のゾンビ兵の胴を跳ねる。

 三人目は頭から真っ二つだ。


 彼が進むにつれて、ゾンビ兵の数が減る。

 黒いヘルメットが宙を舞う。

 胴と下半身が別々に落ちる。

 真っ二つにされた、ゾンビ兵が地面に転がる。


 うぅ・・・余り見たくない光景ね。

 酷い有り様だわ。

 クロト以外にも、上に居る二人の攻撃も容赦がない。


 疾走し続けていた、ポリーヌだったが彼女はクロト達の方に目を向ける。



「あがっ!?」


「ぎゃっ!?」


 短機関銃ヘルリーゲルとは。

 左右左右と言う具合に銃撃を続け、交互にゾンビ兵を撃ち殺していく。

 

 彼女の射撃は、本当に情け容赦ない。



「ぎがゃゃゃゃっ!?」


 男性の方は、まるで暗雲から降り注ぐ落雷を放っているようだわ。

 当たった、ゾンビ兵は全員が漏れなく感電死。



「ぐわっ!」


「があっ!」


「クロト、援軍だっ!」


 やった、二人のゾンビ兵に私の弾が当たった。

 クロト、追い付いたわよ。


 建物に向かうゾンビ兵は、前からの激しい銃撃と雷撃魔法に倒れる。

 他にも、彼等の背後からは弾が飛んでくる。

 建物に逃げ込んだ運の良い者も、後ろからの矢が壁を貫通して、体を貫かれる。


 これで、終わりね。


 ポリーヌたち聖光騎士団の銃撃と前方からの攻撃で、魔皇軍は挟み撃ちにされてしまった。



「終わったか? 後は掃討戦だ・・・クロト、気を付けろよ」


「ああ、でも、その前に・・・」


 周囲を警戒しなければ、他の兵士達も、忙しなく走っているし。

 それに、まだ逃げ遅れた残敵が居るかも知れないからね。


 戦いが終わったとしても、呑気に気を抜いてはいられない

 ポリーヌは、辺りに目を向けつつ敵兵士が残って居ないかと探す。



「よっとっ? 兵隊さん、ご苦労様です」


「この町を助けて頂き、誠に感謝致します」


 あの女性と男性が、教会から飛び降りてきた。



「貴方達は冒険者って感じかしら? ご協力感謝するわ・・・私はポリーヌ・ル・リッシュ少尉、聖光騎士団所属よ」


 まずは、私が挨拶しないと。

 それで、貴方達は誰なのかしら。


 ポリーヌは、目の前に居る二人に丁寧に挨拶したが。



「旅の商人シノブ・ヴォルフ・ベーアと申します、私達は冒険者と傭兵稼業を兼ねてまして・・・」


「同じく、旅の学者リーヌス・エーレンフリートと申します・・・彼女の言う通り、私共は旅から旅へと各地を放浪しての商人と学者として、商売と研究を行っている次第です」


 冒険者と傭兵をやりながら、商人と学者として旅をしているのね。

 学者のリッターが薬を作り、商人のシノブが薬を売って生活をしている訳ね。


 話を聞いて、ポリーヌは二人の職業をアレコレと考えた。



「なるほど、それで立ち寄った町で魔皇軍と戦闘を・・・と言う訳ですね」


「はい、居合わせた町に魔皇軍が襲来したので、我々も自警団に加勢したのですが・・・」


「我々を含む、自警団員や冒険者、傭兵の戦力が足りず、やむ終えず避難民を連れて東に退避しておりました」


 そう言う事ね。

 シノブとリッターさん。

 避難民を安全圏に避難させ、再び町に戻って来た。

 どうやら、二人は嘘を言っている訳じゃなさそうね。


 ポリーヌは、二人の言った事を信用した。



「避難民はどうしたんだ?」


「彼等も町に平和が戻ったので、時期に来るでしょう」


「それなら、後で私達が呼びに行きますので心配なさらず」


 クロト、そうね。

 避難民は何処に・・・。

 ああ、シノブとリッターの言う通り、時期に来るわね。


 と、ポリーヌは思った。



「そちらの方は?」


「彼は・・・見習い騎士のような物です」


 シノブさん。

 やっぱり、気になるわよね。

 クロトは、私達と同じ服装じゃないからね。


 ポリーヌは、クロトの黒い服装は目立つと考えた。



「クロト・プルーセンだ、宜しくな」


「宜しくお願いします」


「此方《こちら》こそ」


 クロトに、二人は挨拶したわね。


 握手する三人の様子をみる、ポリーヌ。



「それでは、我々は避難民を呼びに行くので」


「これにて、失礼させて頂きます」


 避難民の場所に行くのなら、別に構わないわ。


 頭を下げて踵を返した、シノブとリーヌス達を、ポリーヌは見送る。



「あっ! 待ってくれ・・・少し時間をくれないか?」


「はあ? まあ宜しいですけど」


「少しの間だけですよ、我々も避難民を連れて来なければ成らないので」


 クロト、何で二人を止めるの。

 二人の邪魔をしたらダメでしょう。


 クロトは、シノブとリーヌス達に何か話しでもあるのかと、ポリーヌは思う。



「クロト、我々から余り離れて貰っては困るのだが・・・」


「あ、ああ、そうだな・・・済まない、やはり話はしなくて良い・・・」


 クロト、今は一応、私の監視下なのよ。

 勝手な真似はダメ。


 ポリーヌは、クロトを止めた。



「そうですか・・・では、これにて」


「我々は今度こそ、失礼させて頂く」


 シノブとリッター達は行ってしまった。

 


「彼等は行ってしまったわね? 私は戦車隊の隊長と話してくるから、貴方は待機しててね?」


「分かった・・・」


 クロト、行くからね。

 さあ~~て、戦車隊の指揮官は何処かな。


 と、ポリーヌはクロトと別れて行ってしまった。

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