これは遥昔の話。
フォンテン人とアーボン人は共に素晴らしき移住先を求めグレートトレッカーをした。現パラミツ大陸での地、トルンジャ川を挟んで民族達はお互いの地での暮らしを始め、国を創った。だが、食糧不足や素晴らしき地での領土争いの原因、2つの国は幾度か戦争を繰り返した。
戦いは約220年ほど続いた。そして、ある日終焉を迎え戦争は終わり、ブラッド・フラメント条約(血の誓い条約)を宣告し、和解。後の「和解の日」が設けられる。そして、2つの国は国名を変え新たな歴史を歩んでいった。
現在は、親密な関係を築いている。
ジャクソンフルーツ自治国内。
街中を男の子は走った。
〈フキ〉はあはあはあ…… くそ! こんな時に寝坊なんて!
この男の子はフキ。綺麗なフード付きの着物風の服装をしている。フキはギルドでそだった子。この日はフキにとっても大事な日だった。よりによって寝坊してギルドのアパートから、開催地まで走っていた。
今日は、ギルドD級試験の日だ。この国にある長人の海というギルドがある。そこで試験がある。ギルドには誰でも加入できる。だが仕事をするにはD級試験をうけ、合格しないといけない。それまではE級冒険者となる。仕事は貰えないがギルドでの雑用や、冒険者達の多くの手伝いなどが業務となる。試験は三代目ギルドマスター・ププラに認められるとはれて受けられる。ちなみにこのD級を合格すると、体のどこかにギルドのマークを刻印される。さらに自分から仕事を受注したりと便利になるようだ。
そして、やっとギルドに着いた。ギルドは、昔ながらのレトロなガレキで作られた家だ。
〈フキ〉はあはあ…… ついた
フキは木製の扉を押し開けた。そこには色んな冒険者がいた。いや、冒険者になりたいもの達が集まっていた。それは女性、男性、その他の種族達がいた。数はそんな多くはない。
〈男〉よう! フキ! お前もいたのか! お前なんかが、D級になれるわけないだろ!! まあ、頑張れよ! フハハハハ!
〈フキ〉うるせぇやつだな……
フキはある話の事で、忌み子なんて呼ばれギルド内では浮いた存在で1部の人に嫌われていたのだ。
辺りがザワつく中、二階の上から声が聴こえる。現れたのは、白いワンピース、白い髪色に、綺麗な黒い瞳。そして幼い顔に幼く細い体。まるで、子供のような風貌をした女性が出てくる。この人が、現長人の海の三代目ギルドマスターのププラ・リッタだ。
〈ププラ〉これからD級試験を始めます! 地下まできてください。ただし、10分以内にきてください。1秒でも遅れたら、失格です。では! よーーーい! どん!!
こうして、D級試験が開幕した。
話をきき、慌てて地下にへと急ぐ志願者たち。
下に行くには、階段で降りるしか方法はない。
ギルド内に入ると、そこには酒場が広がっている。その上に二階、三階がある。そして、酒場の下の下に地下があるのだが、酒場の左手にある大きな地下へ続く階段が1つある。
志願者たちは、その階段に向かい地下へ。でも、フキはのんびりと歩きながら階段を降りていった。すると、そこに女性と出会う。
〈ライム〉君、なんで走らないの? 10分しかないよ?
その子はライム。青藍色のショートヘア。隣にいるのは翼を持つフェネックのカーラだそうだ。2人もこのD級試験を受けにきたのだが、フキは1度もこの2人に会ったことはない。
ライムはある楽器を背負って走っていた
〈フキ〉いや、10分もあるじゃないか。慌てることはない
〈ライム〉へえ〜わかった、私も 歩く
〈カーラ〉え!? ライム!?
〈ライム〉いいの! たしかにこの人の言う通りよ、焦らず行きましょう!
〈テネル〉わかった
〈フキ〉お前良い奴だな! おれはフキだ!
〈ライム〉ライムよ、こっちはカーラよ、よろしくね
〈フキ〉よろしく!
〈ライム〉ねえ、ここのマスターって若いよね
〈フキ〉え? そうか? おれはこのギルドでそだった時からあのマスターだからな
〈ライム〉え!? そうなの? そうなんだ。あんなに子供ぽいのに
〈フキ〉それは間違えだ。あの人はすげえ人さ、たしかに幼く見えるかもしれねぇけど、このギルドであの人に勝てる人はいない
〈ライム〉そうなんだ
〈フキ〉なあ、ライムはなんでこの試験受けるんだ? てか見たことないけど? どうE級になったんだ?
〈ライム〉ちょっと複雑なんだけど、E級になったのは6日前よ。私ね、2つやりたいことあるの、辻音楽師になるためよ
〈フキ〉ほう
〈ライム〉フキは?
〈フキ〉…… ペンタスターって知ってるか?
〈ライム〉ペンタスター? 各国の王国直属の勇士勲章を胸に星のバッジをつけた騎士集団のこと? 伝説の5人ね
〈フキ〉そうだ。おれはその5つの星になるのが、夢だ
〈ライム〉へえ!! すごいわね!
〈フキ〉で? お前のもう1つのやりたいことは?
この時、ライムは静かになった。どうやら聞いてはいけない事だったらしい。ライムは自ずと口を開く。
〈ライム〉…… 妹を探すため
〈フキ〉妹? どっか行ったのか?
〈ライム〉それは……
〈フキ〉言いたくないことなら言わなくていい。ほら、地下が見えてきた。どうだ? 10分以内についただろ?
と、フキはライムに左腕に着けたストーンウォッチを見せた。
〈ライム〉ほんとだ! たしかに走る必要なかったね
〈フキ〉だろ?
地下の大きな部屋にはもう志願者達は集まっていて、フキとライムとカーラが最後だった。
すると、そこにププラがいて声がみんなに渡るように大きな声で話す。
〈ププラ〉みんないるわね! では、今からD級1次試験を開催します! 志願者達は心を温めて、この試験に参加せよ!
そう言った。
ここからが本番のD級試験が始まる。試験に受かるのはごく数名だ。はたして、フキたちはD級試験に合格することができるのだろうか。
ー 1D. 試験での出会い ー つづく。
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