全裸でいく異世界道中ーサイボーグは、お堅いマッチョー

ある日♪森の中♪ヘンタイに出会った♪
弐進座
弐進座

第2話 それは、いわゆるコスプレパーティのことか?

公開日時: 2021年6月25日(金) 00:01
文字数:1,417

「ふんぬっ……!!」


 マッパ野郎ガイは食人植物の口をこじ開けると、無理やりエルフの少女を引きずり出した。


「はぁ、はぁ、死ぬかと思いました……」


 少女は真っ青な顔で息を荒くした。


「安心しろ。スキャンしたが、お前の生命活動バイタルは正常だ」


 マッパは訳の分からんことを言ったが、少女はとりあえずわかったふりをした。


「そ、それはよかったです。あ、ありがとうございます」


 少女はあいかわらず警戒している。まあ、そりゃそうだ。だって、全裸やぞ。


「じゃあ、私はこれで……」


 そそくさと立ち去ろうとする少女をマッパ野郎が呼び止めた。


「待て。お前に用がある」


「な、なんですか。も、もしや私のパンツを……?」


「お前は何者だ?」


 少女からすれば、お前こそ誰だよだった。


「わ、わたしはリリィです」


 リリィは魔法使いのエルフだった。パーティを組んでいたのだが、役立たずすぎて森に捨てられ、あげくオークにR-18されるところだった。


「エルフ、パーティ……データベース検索」


 マッパ野郎は猛スピードで頭を回転させた。スパコン並みのフル回転で、データベースを検索し、最適の答えをなんとなく導き出した。


「それは、いわゆるコスプレパーティのことか?」


「なんです? それは?」


 リリィは首をかしげた。


 ちょっと作者が書くのが面倒になってきたので、割愛するが、そのあとなんやかんや話をして、マッパ野郎が重度の記憶障害だとわかった。


「俺は何のために、ここに来たのだ? 何か重大な使命を帯びていたはずだが……バックアップファイルが壊れている。復元不可能。自己診断プログラムを起動。ネガティブ……ネットワークはオフライン。座標ロスト……」


 切り株に腰を下ろし、考える人の姿勢でマッパは微動だにしなかった。肩甲骨がキレッキレだった。


「名前も思い出せないんですか」


 恐る恐る、リリィは聞いた。どうやら全裸であることを除けば、悪い奴ではなさそうだと思い始めていた。というか、あまりにも堂々としすぎていて、全裸であることが些細に思えてきた。


「名前、名前は……」


 マッパ野郎は渋い声で呟いた。


「ナン……」


「え……」


「コナンだ。DT-1000型サイボーグCONAN。それが俺の名前だ」


 コナンは立ち上がると、大胸筋を震わせながらリリィへ向かってきた。


「な……なんです」


 ダダン・ダン・ダダン♪


「そ、その音楽止めてください。なんか、すごい流血沙汰が起きそうな感じがします」


 ダダン・ダン・ダダン♪


「すまない。ターミネートモードがオンになっていた……フンッ!!!」


 コナンはポージングし、大胸筋を膨らませると元に戻した。


「これでオフになった」


「今のポーズ、必要なんですか」


「ああ、これでオンオフを切り替えている。リリィ、ここはどこだ? 植生を見る限り、欧州の近い形態だが」


「こ、ここはミザリー近くの森です」


「ミザリー……検索、ノーヒット。ミザリーとは何だ?」


「近くの街ですけど……」


「どこだ?」


 リリィはとても嫌な予感がした。


「あ、あっちです」


「よし、案内しろ。情報が欲しい」


「ええっ……」


「嫌なのか」


 コナンはポージングした。


 ダダン・ダン・ダダン♪


「わ、わかりました。連れていきます!」


「いい返事だ」


 コナンは笑顔を浮かべると、キラッと歯が光った。


◇-------------◇

焼酎(小鹿黒)を飲みながら書きました。

この作品、たぶん、1話1000時くらいになると思います。

それ以上は酔いが回って、たぶん無理です。ごめんなさい。

(正気をなくした)弐進座


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