Gにまつわる話 悲鳴

公開日時:2022年3月8日(火) 15:17更新日時:2022年3月8日(火) 15:17
話数:1文字数:927
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 みなさんは、黒くて脂で光った生き物。

 G、ゴキブリは嫌いですか?

 僕は苦手です。


 現在、僕の家には、妻と娘が二人います。

 なので、男性は僕しかいません。

 だから悲鳴があがれば、退治するのは僕の役目です。


 僕の妻はそんなに女の子ぽい素振りを見せることのない女性です。

 まあ、ツンデレかもしれません。

 ですが、ゴキブリを見つけると。


「キャアアアッ!」


 と甲高い声で悲鳴をあげます。


 それを聞きつけると、僕は

「どうしたの?」と聞きます。

「じ、Gが出たぁっ!」

 と慌ててしまいます。

 で、男の僕は一生懸命、新聞紙丸めて、ゴキブリと戦うのです。


 僕は持病があるため、夜に結構強い睡眠薬を飲んで寝ます。

 だから、なかなか夜中に起きることができません。

 妻もそれを知っているので、夜は滅多なことじゃ僕を起こしません。


 しかし、Gが出たとなれば別です。


 いびきをかいて寝ていると、

「味噌くん、味噌くん。悪いけど起きて」

「ほへっ?」

「お風呂あがりにゴキブリが出たんよ」

「んががっ」(わかった)

 意識がもうろうとしていますが、僕は立ち上がって、頷きます。


 新聞紙を丸めて、夜中だろうと、30分ぐらいかけて、素早いゴキブリとにらめっこします。

 これに関しては、男の義務だと思っているので、別に妻に対して、何も思いません。


「起こしてごめんね、ありがとう」

「んががっ、いいご。おやじゅみ」(うん、いいよ。おやすみ)


 これが僕たち夫婦の例です。

 多分、ほかのご家庭や夫婦、カップルとかでも、同じような感じだと勝手に思ってます。


 しかし、例外はいます。


 僕の両親です。


 キッチンでお袋が料理をしているとき、悲鳴をあげます。


「キャアアアッ!」


 それを聞きつけた親父が怒鳴ります。

「なんかやかましい! 女みたいな声を出すなっ!」

「だって、ご、ゴキブリがっ!」

「それぐらいで、バカみたいな声を出すなっ!」


 そう言ってブツブツ文句を漏らしながら、ゴキブリを倒すそうです。


 キッチンには、親父のために用意している大きなツボがあります。

 それは親父が大好きなぬか漬けのツボです。

 毎回、ゴキブリの騒ぎを聞くと、原因をそれとし、ベランダで高いツボをパリン! と割り、捨てます。

 そして毎回お袋は買い直すのです。


 ゴキブリとは、本当に人間とは相性の悪い生き物ですね。


  了


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