乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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229話 イザベラとカインの魔法開発-2

公開日時: 2023年9月14日(木) 11:29
文字数:535

「で、でも、勝手に部屋に入るのは駄目でしょ!」


「まぁ細かいこと気にすんなって」


「細かくないわよ!」


 私は怒る。

 だが、彼はどこ吹く風といった感じだ。


「で、イザベラ嬢。何やってんだよ?」


「見ての通りよ」


 私は彼に作業中の魔法を見せる。

 すると――彼は目を丸くした。


「こりゃあ……凄いな。オリジナルの魔法か?」


「ええ。だけど、どうしても完成しないのよ」


「ふむ……。どんな魔法なんだ?」


「ええっと……、闇の瘴気に対する防御魔法よ。ここがこうなっていて――」


「へぇ……」


 私の説明を聞いた彼は考え込む。

 そして、顎に手を当てて言った。


「悪いが、俺は魔法分野については詳しくねぇ。だが、一つだけ言えることがある」


「何よ?」


「イザベラ嬢は、防御よりも攻撃の方が向いてると思うぜ」


「……へ?」


 私は素っ頓狂な声を上げる。


「どういう意味?」


「そのままの意味だよ。イザベラ嬢は、攻撃が得意だろ? 魔法でも、剣術でも」


「そりゃあ、まぁ……」


 否定はできない。

 私は幼少の頃から、土魔法や水魔法を練習してきた。

 当初は栽培に活かすためだったけど、いつしか攻撃系の制御の方が得意になっていた。

 剣術も似たようなものかな。

 当初はバッドエンドに備えた護身用だったけれど、『覇気』を習得してからは積極的な攻撃も可能になった。

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