さらに時は過ぎ、今日はいよいよ卒業パーティーの日だ。
とは言っても、卒業するのはイザベラ達ではない。
卒業するのは第六学年の生徒達だ。
そして、彼らを見送るために第一学年から第五学年までの生徒達も参加する。
(くだらないパーティね……。今年の卒業生に大した男はいないし、この場にいる意味なんてないじゃない)
イザベラは退屈していた。
彼女にとって、卒業式とはただの通過儀礼に過ぎない。
それも、自学年ではなく他学年の行事だ。
興味などあるはずもなかった。
「まあ! エドったら……」
「ふっ……。そう言うアリシアこそ……」
アリシアとエドワード王子が、お互いに見つめ合っている。
他の生徒達はそれに憧憬の視線を送る。
彼らの周りはお花畑のようにキラキラしている。
その様子を見て、イザベラは心底うんざりした気分になった。
(エドワード殿下……。婚約者である私をほったらかしにして、よくもまぁ楽しげに会話ができますわね?)
先程からイザベラは、ずっと苛立ちを抑えていた。
しかし、そろそろ限界を迎えそうだ。
イザベラは、エドワード王子に話しかけることにする。
「殿下、失礼ながらお話ししてもよろしいでしょうか?」
「ん? なんだ、イザベラか。どうしたのだ?」
「いえ、特に理由はないのですが……」
「……?」
エドワード王子は不思議そうな顔をする。
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