「少し前に、村で魔法の適性検査を受けたことがあったと思うんだけど――」
「うん、覚えてるよ。確か、魔法陣が光ったんだよね?」
「えぇ、それよ。あなたの魔法適正値は高かった。だから、どうしても入学してほしいと言われたの」
「そんなぁ……」
正直、魔法を使うのは怖いです。
それに、貴族や王族の方々と一緒に学園生活を送るのも緊張します。
「お願いよ、アリシア。どうか私の願いを聞き入れてほしいの。学園で学ぶことは、きっとあなたの世界を広げてくれるわ」
「ママ……」
わたしのことを真剣に想ってくれているのが分かります。
だからこそ、断りにくいのです。
「それに、ご当主様は今回のことでさらなるご支援を約束してくれたの。あなたのことを、自分の正式な子供だと公表されるつもりらしいわ」
「そっか……。分かったよ、ママ」
「ありがとう、アリシア! 実はもう入学手続きは進められてしまっているみたいなのよ。日程は……」
こうして、わたしは王立学園に通うことになりました。
それからの時間は、目まぐるしく過ぎていきました。
村じゅうで騒ぎになったり。
王都への道中で魔物に襲われたり。
他にもいろいろありましたが、とにかく大変だったんです。
でも、一番大変だったのはやっぱり入学後でした。
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