乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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213話 イザベラ様-2【アリシア視点】

公開日時: 2023年7月20日(木) 10:24
文字数:518

「少し前に、村で魔法の適性検査を受けたことがあったと思うんだけど――」


「うん、覚えてるよ。確か、魔法陣が光ったんだよね?」


「えぇ、それよ。あなたの魔法適正値は高かった。だから、どうしても入学してほしいと言われたの」


「そんなぁ……」


 正直、魔法を使うのは怖いです。

 それに、貴族や王族の方々と一緒に学園生活を送るのも緊張します。


「お願いよ、アリシア。どうか私の願いを聞き入れてほしいの。学園で学ぶことは、きっとあなたの世界を広げてくれるわ」


「ママ……」


 わたしのことを真剣に想ってくれているのが分かります。

 だからこそ、断りにくいのです。


「それに、ご当主様は今回のことでさらなるご支援を約束してくれたの。あなたのことを、自分の正式な子供だと公表されるつもりらしいわ」


「そっか……。分かったよ、ママ」


「ありがとう、アリシア! 実はもう入学手続きは進められてしまっているみたいなのよ。日程は……」


 こうして、わたしは王立学園に通うことになりました。

 それからの時間は、目まぐるしく過ぎていきました。

 村じゅうで騒ぎになったり。

 王都への道中で魔物に襲われたり。

 他にもいろいろありましたが、とにかく大変だったんです。

 でも、一番大変だったのはやっぱり入学後でした。

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