「あんたみたいなのがいると、この学園の格が落ちるのよ!」
「汚らわしい平民混じりが!」
「身の程を知りなさいよ!」
最初は、クラスメイトの皆さんにいじめられてしまいました。
陰湿な感じではなくて直接言葉で攻撃してくる方ばかりでしたが。
それでも、辛かったですね。
「ううっ……。ひどいよぉ……。やっぱり、わたしなんかじゃ無理だよぉ……」
わたしは、校舎の裏で座り込んでいました。
やっぱり、貴族や王族の方に溶け込むなんて無理です。
わたしは挫けそうになります。
でも、わたしには救ってくださる御方がいらっしゃいました。
「こんなところで何をしているのですか? …………アリシア・ウォーカーさん」
「ひゃあっ!?」
「ごめんね、驚かせるつもりはなかったのだけど……。私は、イザベラ・アディントンというの。イザベラと呼んでくださいね」
「はい、イザベラ様……」
これがわたしとイザベラ様の出会いとなりました。
彼女は平民混じりのわたしなんかに目を留めてくださったばかりか、親しく接してくれました。
「大丈夫、あなたは強い子だもの。きっと、みんなを見返してあげられるわ」
「イザベラ様……。はい、頑張ります!」
イザベラ様のおかげで、少しずつ前向きになれるようになりました。
そして、学園生活にも慣れてきた頃、わたしは意を決して彼女を秋祭りに誘おうと思いました。
しかし――
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