姉上は小さい頃から美しかった。
ただ、本人の性格は傲慢で苛烈なものだった。
彼女は自分の思い通りにならないことが嫌いらしく、気に入らないことがある度に使用人に当たり散らしたり、酷い時には手を上げたりすることもあった。
僕も姉上と仲良くなろうとしたことはあったのだけれど、いつも冷たくあしらわれてばかりだったように思う。
だが、そんな関係にも変化が訪れる。
彼女は七歳になった頃から突然、雰囲気や行動が大きく変わっていった。
それまでは我儘放題だったのに、すっかり大人しくなったのだ。
「…………? あれは……姉上……?」
そんなある日――偶然にも、屋敷から少し離れた林の中で一人でいる姉上を見つけた。
何をしているのだろうと思い近づくと、なんとそこには立派な畑があったのだ!
僕は姉上と仲良くなれるチャンスかと思い、手伝いを申し出た。
僕の母上が難病で苦しんでいたので、何か得られるものがあるかもしれないという思いもあった。
最初は渋っていた彼女だったけど、最終的には一緒に作業をすることになった。
二か月ほど経過したある日、姉上が僕に聞いてきた。
「ねぇ、フレッド。あなたは、私と仲良くしたいの?」
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