「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」
アリシアが放った闇の魔力弾。
それは非常に強力なものだった。
さしものイザベラですら、一人ではそれを押し返すことができない。
彼女は諦めの言葉と共に、静かに目を閉じた。
だが――
「――させないッ!!」
アリシアの魔法が着弾する瞬間、フレッドが飛び出してきた。
いや、彼だけではない。
「イザベラ嬢、今こそ恩を返すぜ!」
「ここで貴女を失うわけにはいきません!」
「俺の伴侶となる者が、こんなところで果てるなど許さないぞ!」
カイン、オスカー、エドワード王子の三人もイザベラを庇うように前に立つ。
そして、四人はそれぞれ全力の闘気や魔力を放ち、アリシアの魔法弾を受け止めたのだ。
「皆……どうして!? 傷は深かったはずなのに!?」
「愛の力さ」
強力な魔法弾を防ぎつつ、エドワード王子が爽やかな笑みを浮かべながら言う。
その身からは黄金のオーラが溢れ出していた。
「愛する姉上のためなら、どんな困難も乗り越えられます」
「まっ、そういうこった」
「はい。愛の力ですよ」
続いてフレッド、カイン、オスカーが言う。
彼らの身体からも同様に、眩く輝くオーラが立ち昇っていた。
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