「わたしはねぇ……生まれ変わったんですよぉ!」
「生まれ変わって……?」
意味が分からず困惑するイザベラをよそに、アリシアはさらに続ける。
「わたしはイザベラさまが好きでしたぁ。でもぉ、あなたはわたしのことを避け始めていたでしょう? だからわたしぃ、頑張ったんですよぅ」
「何を……?」
戸惑うばかりのイザベラを尻目に、アリシアは語り続けた。
「愚かな男達を唆して、イザベラさまを理不尽に断罪させる。そして、わたしを好きになってもらおうとしたんですよぉ!」
「――!!」
イザベラは言葉を失う。
(まさか、このバッドエンドルートは全部アリシアさんが仕組んだことだったの?)
そんなことが本当に可能なのか?
もしそれが可能だとすれば、確かに今までのことも説明がつくかもしれないが――。
「こんなことをしても、私の恋心があなたに向くことはないわ。それにそもそも……彼らは私を殺そうとしたのよ? 私は死んでいたかもしれないわ。もしそうなっていたら……」
「ちゃんと調整していますよぉ。ギリギリまで攻めないと緊迫感がありませんものぉ」
「……」
「でも、もういいんです。こうなってしまった以上、イザベラさまの心がわたしのものになることはない」
「なら……」
「ふふ……ふふふふふ!! せめて、イザベラの体だけでもわたしのものにしますぅ! あは、あはハ、あははハハハハハ!!!」
狂ったような笑い声と共に、アリシアの身体がビクンッと跳ねる。
そして――その姿が大きく変化し始めたのだった。
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