アリシアの画策により、バッドエンドルートに入ったイザベラ。
しかし、エドワード王子とフレッドはそれに抗った。
さらにはオスカーまでもが、氷魔法により自分ごとアリシアを氷漬けにした。
「……イザベラ……嬢……。アリシア嬢……」
そこにやって来たのが、カイン・レッドバースだった。
彼もまた、かつてイザベラに救われた男であり、彼女に思いを寄せていた一人である。
そんな彼が今、闇の瘴気により狂戦士と化した状態で現れたのだ。
「ふ、ふははっ! いいところに来ましたね、カインさん! さあ! わたしを解放しなさい!!」
「…………」
アリシアの言葉にも、カインは何も答えない。
いや、そもそも彼には何も聞こえていないのだろう。
彼の心は既に、破壊衝動に支配されているのだから。
そして、その破壊衝動の対象は――
「な、何ですか? その目は!! まさかわたしを斬るつもりですか!」
――他ならぬアリシアだった。
既に理性を失っている状態の彼ではあるが、それでも本能的に理解したのだ。
目の前にいる女を放っておけば、自分の最愛の女性であるイザベラを傷つけてしまうのだと。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!