「だろ? それなのに、防御にばかり重点を置いているのは勿体無いって話だ」
「むむむ……。そう言われても……。これは防御魔法なんだから、攻撃の要素を組み込むわけにはいかないわ」
私は渋面を作る。
「俺は馬鹿だから、難しいことは分かんねぇけどよ。別に、完全に防御オンリーにする必要はないんじゃねぇのか?」
「え……?」
「そうだな……。例えば――闇の瘴気を鋭い魔力で切り裂くイメージはどうだ? それで攻撃して闇の瘴気をパワーダウンさせつつ、残りカスを防御すればいい」
「えええ!?」
私は驚愕した。
まさか、そんな発想があるとは思わなかったのだ。
だが、言われてみれば当たり前のことかもしれない。
攻撃は最大の防御なり、ってことね。
「そ、そのアイデア、頂くわ!!」
「おう、頑張れ」
新しい防御魔法の方向性が定まってきた。
これもカインのおかげだ。
私は、カインに感謝の言葉を述べる。
「ありがとう、カイン! あなたのおかげよ!!」
「いや、大したことは言ってねぇけどな……」
「そんなことはないわ! 本当に助かったの! 何かお礼をしなくちゃね!!」
はしゃぐ私に対して、カインは冷静に答える。
「お礼? ……いいのか? 遠慮なく言わせてもらうぜ?」
「うん! 私にできることなら何でもするわ!!」
私は意気込んで言う。
すると――彼の口からとんでもない要求が飛び出してきた。
「じゃあ、俺と結婚してくれ」
…………はい??
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
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