エドワード王子らの命をかけた抵抗により、かろうじて生き長らえたイザベラ。
彼女以外に動く者がいなくなった卒業パーティ会場だったが、ここにきて新たな異変が起きていた。
アリシアが一人起き上がった上で、なんと彼女の体が徐々に変化し始めたのだ。
肌の色は紫色へと変わり、背中からは翼が生える。
さらに、額からは角のようなものまで生えてきたではないか。
そんな姿になってもなお、彼女の意識は残っているらしい。
「アハハハハ!! チカラが! チカラがアフレてクルゥゥゥゥウウッ!!!!」
アリシアが叫ぶ。
そんな変貌を遂げた彼女は、ゆっくりと歩き始めると――真っ先に標的を定めたらしい。
その視線の先には――イザベラがいた。
「イキマスよぉ……」
アリシアはニタリと笑うと――目にも留まらぬ速さで飛びかかってきたのだった。
ドゴォッ!!!
凄まじい衝撃とともに、床に大きな亀裂が走る。
同時に土煙が舞い上がり、視界を遮る。
そんな煙幕の中を、二つの影が高速で移動していた。
一つはアリシアのものだろう。
もう一つは――おそらくイザベラだ。
「アハッ! あハハハハ!!」
「くっ……」
二人は互いに攻撃を繰り返しながら、部屋中を縦横無尽に飛び回っていた。
バキィッ!
ベキッ!
ボゴッ!
あちこちで壁や床が崩れていく音が響く。
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