乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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175話 破滅ルート? 3

公開日時: 2023年3月9日(木) 11:08
文字数:549

「殿下、お答えくださいませ……。殿下は……、私を愛してくださっていたはずです……。なのに、なぜこのようなことを……?」


「真実の愛に目覚めただけだ。アリシア嬢こそ、俺の運命の人なんだ」


 エドワード王子は最後にそう呟いたかと思うと、剣を勢いよく振り下ろした。

 イザベラに出来ることは、静かに瞼を閉じることのみ。

 こうして、迷い人の記憶が混じりこんだイザベラの人生は幕を閉じた。

 ――――……はずだったのだが。


「……あれ?」


 いつまで待っても、イザベラは死を迎えていなかった。

 恐る恐る目を開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。


「……殿下?」


 イザベラの前に立っていたのは、エドワード王子。

 だが、イザベラに対して振り下ろされたはずの剣は、なぜかエドワード王子自身の腹に深々と突き刺さっていた。

 状況を理解できずに困惑するイザベラ。


「ぐっ……、かっ……!」


 対するエドワード王子は、苦しそうな表情を浮かべながらもイザベラを見据えていた。

 まるで何かを訴えかけるような眼差しである。


「一体何が……?」


「イザベラ、この場から離れてくれ……」


「……いったい何を仰っているのです!?」


 不可解であった。

 イザベラを処刑するべく剣を振り上げたのはエドワード王子の意思。

 それなのに、今度はイザベラに対して逃げるように言うのだから。

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