乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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210話 イザベラ-4【エドワード視点】

公開日時: 2023年7月10日(月) 18:16
文字数:542

 そして、第一学年から第二学年へと移行する春休み。

 俺は私兵と共にゴブリン退治に取り組むことにした。

 しかし――


「エドワード殿下! お逃げください!!」


「ぐっ! だが、お前達を置いて一人で逃げるわけには……」


「殿下のお命の方が大切です。……ぐあああぁっ!!」


 十分な準備をしていたつもりだったが、想定外の事態に見舞われてしまう。

 なんと、ゴブリンキングが出現したのだ。

 徐々に劣勢に立たされていく中、私兵の犠牲が増えていく。

 そんな時だった。


「ゴブゥッ!?」


 突然、ゴブリンキングが血を吹き出して倒れた。

 何が起こったのか理解できないまま、俺は呆然と立ち尽くしてしまう。


「あら? やはりエドワード殿下でしたか。ご機嫌麗しゅう」


 現れたのはイザベラだった。

 彼女は王立学園に入学するべく、この地を通りがかっていたらしい。

 もののついでとばかりにゴブリンキングを倒すとは、相変わらず全てが規格外の女だ。


 イザベラは入学試験を主席で合格していた。

 その後も彼女は様々な功績を残し、あっという間にその名を全学年に知らしめた。

 俺は彼女のハートを射止めるべく、自己の研鑽に励みつつも、積極的にアプローチを仕掛けていった。

 しかし、ライバルは多い。

 その上、彼女自身が色恋沙汰に疎いこともあって、なかなか上手くいかない日々が続いていた。

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