運命の強制力により卒業パーティでバッドエンドルートを進むことになったイザベラ。
闇の瘴気に汚染されたアリシアの主導で、同じく闇の瘴気に汚染されたエドワード王子達に断罪されそうになった。
だが、彼らはそれに抗った。
エドワード王子は自身の胸を突き刺し、フレッドはイザベラから猛毒を吸い出し、オスカーは元凶のアリシアもろとも自身を氷漬けにし、そしてカインは自らの全身を突き刺して倒れたのである。
ついでに言えば、卒業パーティに参加している他の生徒達もアリシアが放った闇魔法によって意識を失っている。
この場で意識を保っているのは、イザベラただ一人だ。
「どうしてこうなったの……?」
イザベラが呆然と呟く。
私はただ、幸せになりたかっただけなのに。
大好きな人達に囲まれて幸せに暮らしたかっただけなのに。
「それなのにどうして……」
私には死しか残されていないのだろうか?
彼女は考える。
考えて、考えて、考えた末に一つの答えに行き着いた。
(そうか……これはきっと罰なんだわ……)
そんな考えが脳裏に浮かぶ。
この世界に転生してからというもの、自分のバッドエンドルート回避ばかりを考えて生きてきた。
前世の知識やゲーム知識を活かせば、もっと世のため人のために貢献できたかもしれない。
自分はなんて勝手な人間なのだろう。
そんな人間が幸福になることなんて許されないのかもしれない。
そんな資格なんてないのかもしれない。
考えるうちに彼女の心はどんどん沈んでいく。
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