乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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212話 イザベラ様-1【アリシア視点】

公開日時: 2023年7月17日(月) 10:34
文字数:536

 わたしの名前はアリシア。

 ただの平民の娘です。

 物心がついた頃には既にパパはいませんでしたが、その分ママから大切に育てられました。

 このまま村人として、平和な日々が過ぎていくことでしょう。

 そう思っていたわたしですが、十歳を過ぎたある日のこと、ママから信じられない話を聞かされました。


「……実はね、あなたは貴族の血を引き継いでいるの」


「……えっ!?」


「私はウォーカー男爵家で使用人として働いていたことがあってね……。その時に、ご当主様との間に子供ができてしまって……」


「じゃあ、もしかしてそれがわたし!?」


「えぇ、そうなの」


「えぇ~!?」


 思わず叫んでしまいました。

 まさか、自分が貴族の血を引いていたなんて。

 しかも、ウォーカー男爵家といえばこの村の領主様じゃないですか。


「でも、どうして今まで黙ってたの?」


「ご当主様に口止めされていたからよ。十分なご支援もいただいているし、本当ならこのまま村で暮らしてもらうつもりだったわ。平穏で幸せな人生を送ってほしいと思っていた。けれど――」


「けど?」


「王立学園へ推薦されてしまったの」


「王立学園って……あの有名な!?」


「……えぇ」


「……」


 絶句してしまいます。

 だって、王立学園ですよ?

 貴族や王族の子息令嬢が通っているっていう、超エリート校です。

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