乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

192話 決着?

公開日時: 2023年5月8日(月) 15:40
文字数:632

「ソロソロオワリにシテアゲマスよぉ……」


 そう言うと、アリシアは再び魔力を練り上げ始めた。

 それは、今までで最も強大な魔力だった。

 イザベラは慌てて防御魔法を展開する。

 しかし、それでもまだ不安が残るレベルだ。

 果たして防げるのか?

 そう疑問に思うも、アリシアは待ってくれるわけではない。

 彼女の手から魔力弾が放たれてしまった。


「うぅ……!」


 苦しげな声を漏らしながらも必死で耐えるイザベラ。

 前世の知識を持っている彼女にとっても、今のアリシアの攻撃を防ぐことは容易ではない。

 それでも何とか耐え続けていたのだが、そこにアリシアの精神攻撃が加わる。


「あハッ! イザベラサマぁ……。アナタとナカノヨカッたオトコドモはモウイナイノデスよぉ……? イツまでも、ムダナコトヲシナクテモイインデスよぉ……?」


「っ!?」


 その言葉に動揺してしまうイザベラ。

 その一瞬の隙を突いて、アリシアは魔力弾にさらなる力を込めた。


「ぐ、ぐぅぅっ!」


 必死に耐えるイザベラ。

 しかし、一度崩れかけた防御魔法は脆くなっており、今にも崩壊しそうになっていた。


(まずい……このままだと押し切られる……! ――でも、確かに彼女の言う通りだわ。もう、私には何も……)


 彼女がそんなことを思った次の瞬間――ついに限界が訪れた。

 パリンという音と共に結界が破れてしまい、闇の魔力弾がイザベラを襲う。


「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」


 イザベラは静かに目を閉じると、死を覚悟したのだった。

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