「ソロソロオワリにシテアゲマスよぉ……」
そう言うと、アリシアは再び魔力を練り上げ始めた。
それは、今までで最も強大な魔力だった。
イザベラは慌てて防御魔法を展開する。
しかし、それでもまだ不安が残るレベルだ。
果たして防げるのか?
そう疑問に思うも、アリシアは待ってくれるわけではない。
彼女の手から魔力弾が放たれてしまった。
「うぅ……!」
苦しげな声を漏らしながらも必死で耐えるイザベラ。
前世の知識を持っている彼女にとっても、今のアリシアの攻撃を防ぐことは容易ではない。
それでも何とか耐え続けていたのだが、そこにアリシアの精神攻撃が加わる。
「あハッ! イザベラサマぁ……。アナタとナカノヨカッたオトコドモはモウイナイノデスよぉ……? イツまでも、ムダナコトヲシナクテモイインデスよぉ……?」
「っ!?」
その言葉に動揺してしまうイザベラ。
その一瞬の隙を突いて、アリシアは魔力弾にさらなる力を込めた。
「ぐ、ぐぅぅっ!」
必死に耐えるイザベラ。
しかし、一度崩れかけた防御魔法は脆くなっており、今にも崩壊しそうになっていた。
(まずい……このままだと押し切られる……! ――でも、確かに彼女の言う通りだわ。もう、私には何も……)
彼女がそんなことを思った次の瞬間――ついに限界が訪れた。
パリンという音と共に結界が破れてしまい、闇の魔力弾がイザベラを襲う。
「――ごめんなさい。エドワード殿下、フレッド、カイン、オスカー。そして……アリシアさん……」
イザベラは静かに目を閉じると、死を覚悟したのだった。
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