「氷魔法は、ただ凍らせるだけの魔法ではありません。このように工夫すれば、様々な用途で使うことができるのです」
イザベラ殿の発想は見事でした。
氷魔法と風魔法を組み合わせ、カキ氷という斬新な食べ物を作り出したのです。
これはシルフォード家の新たな名物となり、領内の経済を大いに潤してくれました。
それだけではありません。
彼女の斬新な発想に刺激され、私は様々な施策や発明品を思いつくようになります。
氷魔法が廃れかけていたのは過去の話。
今では、シルフォード家こそが王国で最も優れた氷魔法使いの一族として再認知されるようになりました。
こうして、私はイザベラ殿に心を奪われていったのです。
そして翌年――
私はイザベラ殿と共に、王立学園に入学することになりました。
イザベラ嬢は相変わらず魅力的でしたが、それ以上に私は彼女から教えられることばかりです。
(私も負けていられませんね)
もっと彼女の役に立つ男になろう――そう決意を固めました。
しかし、ライバルは多いようです。
私やイザベラ殿よりも一つ上の学年には、次期国王であるエドワード殿下と、剣術の達人であるカイン・レッドバースがいます。
そして、同学年のアリシア殿も不穏な空気を醸し出しています。
さらに下級生にはイザベラ殿の義弟フレッドがいるので、油断はできない状況です。
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