今はまだ、七歳児の頃からの貯金がある私の総合力の方が上だけれど……。
うかうかしていると、あっという間に抜かされるかもしれない。
私も負けていられないわね。
でも、それはそれとして――
「さて、それじゃあ、これから何をします?」
「そ、そうねえ……。私はちょっと疲れているのよ。ゆっくり休みたい気分なの」
「そうですか。なら、わたしもご一緒していいでしょうか?」
「え……? でも、ただベッドでゴロゴロするだけよ?」
「構いませんよ。わたしはイザベラ様と一緒に過ごせるなら、それだけで幸せなんです!!」
アリシアさんは屈託のない笑顔を浮かべた。
「……」
私は黙り込む。
これって、私が意識しすぎているだけなのかな……。
いや、違うわね。
闇の瘴気に侵されると、その人の本音や欲望が強化されて表出する。
つまり、あの卒業パーティーの日に言っていたアリシアさんの言葉は真実。
そして、今の彼女にも嘘偽りなんてない。
「……分かったわ。なら、二人でのんびり過ごしましょう」
「やったぁ! ありがとうございます! わたし、世界で一番の幸せ者です!!」
アリシアさんが飛び跳ねる。
こうして、私はアリシアさんと二人きりで休日をゆっくりと過ごしたのだった。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!