乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

226話 イザベラとフレッドの里帰り-3

公開日時: 2023年9月4日(月) 11:30
文字数:502

「イザベラ~~!! 会いたかったぞぉ~~!!」


「お父様~~!!」


 私と父は熱い抱擁を交わす。

 ――なんてことはしない。

 私ももういいお年頃だからね。

 実父とはいえ、男性に抱きつくのは恥ずかしい。

 直前で、サッと避ける。


「おかえりなさい、イザベラ」


「はい、ただいま戻りました。お母様」


 私は母の出迎えに答える。

 フレッドもまた、彼の母と挨拶を交わしていた。

 そのまま、私は家族団らんの一時を過ごす。


「イザベラ、何だかお前……」


「はい? 私がどうされましたか? お父様」


「一皮剥けたな」


「え……? そ、そうでしょうか?」


 私は戸惑う。

 確かに、私は前回の里帰りよりも成長しているとは思う。

 闇の瘴気の件があったからね。

 でも、それをすぐに指摘されるとは思わなかった。

 というか、あの件は父上にも報告していないわけで……。


「ああ。前よりも大人っぽくなった感じがするよ。これも、学園生活のおかげかな」


「そ、そうですね。おほほ……。王立学園には優秀な人がたくさんいて、切磋琢磨していますから」


 私は適当に取り繕った。

 あの件を説明しようとしたら、いろいろと面倒くさいからね。

 ここは誤魔化すに限る。

 その後も、楽しく無難な家族団らんが進んでいく。

 そして――

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート