「父上、母上。僕から報告があります」
しばらく経って、フレッドが口を開いた。
「何だい、フレッド?」
「はい。僕は学園を卒業した後――姉上と結婚しようと考えています!!!」
…………はい???
私は思わずフリーズしてしまう。
な、何を言い出すのかな……??????
「ほほう……。そう来たか……」
「あらまぁ~~。姉弟でなんて……」
「フレッドったら……。ふふふ」
私の両親、それにカティさんがニヤリと笑みを浮かべる。
「お前達は姉弟だが、血は繋がっていない。二人が強く想い合うなら、そのあたりについて私から手を回してもいい。イザベラ、お前はどう思っているんだ?」
皆の視線が私に集まる。
「え、ええっと……。その……」
私は言葉に詰まる。
そんなことを聞かれても困ってしまう。
だって、私はヒロインじゃないから。
「ほ、保留で……」
私はそんなヘタレな回答をする。
フレッドは不満げだったが、その場は何とか乗り切った。
そして、数日間の滞在の後、私とフレッドはまた王立学園に戻っていったのだった。
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