乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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219話 アリシアの浄化-4

公開日時: 2023年8月10日(木) 10:30
文字数:566

「イザベラさま……。ウソツキ! 口だけなら何とでも言え――」


 アリシアの言葉は途中で途切れた。

 ちゅっ……。

 イザベラがアリシアの唇を奪ったからだ。

 それは恋人同士のキスだとすればあっさりし過ぎていると同時に、友愛のキスだとすれば少しばかり情熱的過ぎるものであった。


「んむぅ……。イザベラ……さま……?」


「アリシアさん……。これで信じてくれるかしら……。私は嘘なんてついていないと」


「はい……。イザベラ様……」


「アリシアさん……」


「イザベラ様……」


 二人は見つめ合い、再び口を近づけ――


「そこまでだ!」


「姉上にそれ以上手を出さないでいただきたい!」


 エドワード王子とフレッドが二人を制止する。


「闇の瘴気は無事に祓えたみたいだな……。なら、それ以上のことをさせるわけにはいかねぇ!」


「その通りですね。まずは台無しになった卒業パーティの後処理をせねばなりません」


 さらにはカインとオスカーも加担した。


「あら、残念……」


 イザベラはそう言って微笑むと、アリシアの頭を撫でる。


「イザベラさま……」


「アリシアさん、やるべきことはたくさんあるわ。闇の瘴気の影響とはいえ、責任を全く問われないわけではないでしょう。でも、二人で――いえ、皆で一緒に乗り越えていきましょうね」


「はい……! イザベラさま!!」


 イザベラが手を差し出すと、アリシアは迷わず握り返したのだった。

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