「あ~……。すっごく疲れた……」
私はベッドの上で横になっていた。
卒業パーティーの後始末は、それはもう大変な作業だった。
アリシアさんは、闇の瘴気の影響で体がボロボロになっているし。
フレッド、カイン、オスカー、それにエドワード殿下だって、満身創痍の状態だった。
覚醒イベントによって辛うじて動けていただけで、いつ死んでもおかしくないような状態。
さらに、アリシアさんに気絶させられてしまっていた一般生徒達もケアしないといけない。
誰がやるの?
……ええ、私がやりましたよ。
私もボロボロだったけれど、アリシアさんやエドワード殿下達ほどじゃなかったし。
それに、比較的軽症の一般生徒達が先に目を覚ましたら説明が面倒だ。
だから、ちゃんと優先順位を付けつつ、走り回って事件を隠蔽した。
それはもう、頑張って隠蔽した。
各方面の説明が面倒くさいから、隠すのが一番だよね。
まぁ、そんなこんなで疲労困憊。
「今日くらいはゆっくり休んでもいいよね……。うん」
幸いにも、今は三月後半の連休中だ。
第六学年の卒業パーティーがあったのは三月の前半。
四月には新学期が始まって、私やアリシアさんは第三学年に進級する。
また忙しくも楽しい学園生活が始まるのだ。
闇の瘴気を打ち払ってバッドエンドを回避した以上、後に待っているのはキャッキャウフフの学園ライフだ。
ヒロインであるアリシアさんが、攻略対象であるイケメンどもにちやほやされる姿を見守りつつ、のんびりと過ごす日々。
今度こそ邪魔者は入らないはずだ。
――そう思っていた時期が、私にもありました。
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