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奈良森
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なぜバブみを感じてオギャルのか

公開日時: 2020年12月2日(水) 17:52
更新日時: 2020年12月2日(水) 17:53
文字数:1,646

 インターネットが世に浸透し、ソーシャルネットワークサービスを利用する事が常識になりつつある今日(平成29年)、ここ数年から年下の女性に対して「バブみ」という言葉がインターネット上で散見するようになった。「〇〇はバブみが高い」「バブみを感じてオギャる」「最高に尊い」そんな風な使い方がされる「バブみ」「オギャる」この言葉は一体何なのだろう。

 以前からインターネット上ではスラング的に本来の意味とは違う「萌え」という言葉が使用される事はあった。これは異性(主に男性から女性)に対して保護欲や庇護欲を伴った擬似恋愛的な好意や愛着、もしくはフェティシズムや属性に関わる嗜好や傾倒を意味するものである。この「萌え」と「バブみ」がどう違うのか。「バブみ」とは何なのか。それに続くように使用されている「オギャる」とは何なのか。なぜ、「バブみ」を感じ「オギャる」のか。それをこのレポートでは究明しようと思う。

まず、「バブみ」この言葉の作りを紐解いていく。言葉としての響きから、用法は「旨み」「凄み」「温かみ」などの言葉と同じ分類群にカテゴライズされるものである事が予想できる。そして「バブみ」のバブとは恐らく赤ん坊の無意語、英語のbabbleから来ていて、赤ん坊の声を表す伝統的なものなのだと予想できる。

 これは日本を代表するアニメーション「サザエさん」に登場するキャラクター、イクラちゃんの台詞からも正当性が窺える。以上のことから「バブみ」が母性と結びつく言葉である事が分かる。そして前述した「〇〇はバブみが高い」や「バブみを感じてオギャる」という用例から、「バブみ」が母性やそれに類似した概念を言語化したものである事が分かるだろう。用例の「バブみを感じてオギャる」の「バブみ」とは対象の母性を言語化したもの。そしてそれを感じて「オギャる」とは赤ん坊が母性を要求し、母性から生み出される愛情行動を受ける為に「オギャー」と泣き注意を引く事を示している事だと予想する。「オギャる」とは「バブみ」に対して幼児化する事、あるいは対象が発する「バブみ」によって安心感を得た状態を意味するものなのだろう。これら「バブみ」と「オギャる」が母性に起因し、発せられる言葉である事が以上までのことで判明し、意味をある程度理解したものと思う。それではここから、なぜ人が「バブみ」を感じ、「オギャる」のかに迫りたい。

 人が「バブみ」を感じる多くの場合、対象は少女である事がインターネット上では確認されている。本来、母性とは年上の女性が年下の子供に対して向けるものであったが、そんな母性を年下の女性、少女からさえ感じる際に用いられる。この現象自体は昔からあるようで、「源氏物語」の登場キャラクター、光源氏が若紫に対して母親の面影を追い求める姿が該当する。これは私見だが、「バブみ」とは純粋な価値観を持つ幼さを残した少女から感じる母性であり、そのアンバランスさに尊さを持つのではないのか、と。

 だとすれば、「バブみ」を感じた時、誰もがその対象を追い求めることは不可思議ではなくなる。何故ならば、人は安心を追い求める生き物であり、そこに偏見も悪意もない少女からの母性があるのなら、それを追い求めることはなんらおかしな事ではなくなるからだ。

 最後に、インターネット上で散見する「バブみ」と「オギャる」を貴方が見た時、貴方もその対象のことをよく考えて欲しい。きっとそこには誰かが尊いと思う何かがあるのだ。



参考にしたWebページ

https://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=8130981&mode=text#1

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%90%8C%E3%81%88

https://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q1082742565

http://dic.pixiv.net/a/%E3%83%90%E3%83%96%E3%81%BF


昔に書いたもの。これも供養。

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